連載ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

後輩指導に活きる!無形サービスの特徴を学ぶ

今月の研修:サービス理論(基礎1)

魅力を感じてもらいたい。無形サービスの特徴を後輩指導に応用する

 皆さんは今まで様々なサービスを受けて生活しています。飲食店、交通機関や、教育に関してもサービスと言えるでしょう。この中には、目に見えるもの(有形サービス)と目に見えないもの(無形サービス)が混在しています。例えば飲食店で提供される食事は有形サービス、その飲食物を店員が提供する行為は無形サービスだと考えられます。他にも例を挙げると、教育は無形サービスです。人がものを教わる行為は目に見ることが出来ません。また、A&PROメンバーが毎月受けているビジネス基礎研修も無形サービスです。研修で得られる知識や気付きは目に見えないものです。

 今回の研修では、無形サービスの特徴と認知的不協和の課題と対応について、自分が実際に取り組める工夫を考えました。

 この研修は私にとって、A&PROのメンバーである自分はどのようにあるべきなのかを考えるきっかけとなりました。
 A&PROでは主に無形サービスを取り扱っています。 (つまり提供し消費されています。) 例えばA&PROの直営塾ヘウレーカでは、生徒に対し指導という無形サービスを提供しています。
 私もA&PROのメンバーとして、他のメンバーに対し無形サービスを提供する機会があります。無形サービスの特徴を理解しそれを活かすことは私にとって必要なことだと気づくことが出来ました。

 具体的には、私は今後PJに増える後輩メンバーに対し、指導を行う際に今回学んだことを活かすことが出来ると考えました。特に、私はPJでの後輩育成で難しいことの一つが 「そのPJに魅力を与えるためにどうするか」を考えることだと思っています。
 無形サービスの特徴を学んだことで、そのPJに後輩が魅力を感じてもらうために、自分がまず指導に対してどのような心構えであるべきか、それを認識することが出来ました。

 今回は無形サービスの特徴について、その例としてA&PROの研修を用いながら説明します。そして無形サービスの特徴という考え方が後輩指導にどう活かせるのか、私の気付きを元にその具体例を示していきたいと思います。
 この記事が皆さんにとって「自分ならこれらの考えをどのように活かせるか」、それを考えるきっかけとなれば幸いです。

無形サービスの特徴

  1. 無形性:サービスは目に見えない。
  2. 非分離性:サービスは生産・消費が同時(提供者・顧客が一体)
  3. 変動性(多様性):サービスは、提供者、時間、場所によって大きく左右。
  4. 即時性(消滅性):サービスは、在庫ができない。

1. 無形性:内容も良さも、それを提供されるまでは分からない→先にこれらを顧客に示す

 無形性とは、そのサービスを確認することが出来ないということです。つまり顧客はそのサービスを購入する前に見たり、触れたりすることが出来ません
 例えばA&PROメンバーはビジネス基礎研修がどのように行われるのかを、実際にその場に赴くまでに知ることが出来ません。

 この課題への対処として、その無形サービスの内容について顧客がイメージ出来るよう、事前に手がかりを提示することが考えられます。
 ビジネス基礎研修であれば、2週間前にそのテーマが事前に告知されます。これによって私達は事前にその内容について下調べを行ったり、以前に同テーマの研修を受けたことのあるメンバーならその復習を通じて研修の概要を知ることが出来ます。

 私はこの特徴を考えたとき、後輩指導を行う際には事前にその内容の概要を、そして指導の冒頭ではそのメリットを強調することが重要であることに気づきました。それにより後輩はその指導で何を学べばいいのか、何を意識すればいいのかを知る手がかりとなるからです。
 仮にこれを怠ってしまうと、その指導が一体自分にどう働きかけたいものなのか、或いはその指導を受ける意味を見いだせないかもしれません。
 その後輩のために指導をするということを意識したとき、それがどのような指導であるのかをまずは後輩に意識させる必要があるのです。

2. 非分離性:提供した後にその印象は変えられない→事前に内容を洗練させておく

 非分離性とは、そのサービスを相手に提供する時にしか、サービスを生産することが出来ないということです。これにより、無形サービスは生産した後にその品質を管理することが出来ません。例えばビジネス基礎研修において、研修を受ける人が目の前にいる場でのみ研修を行うことが出来ます。研修を行った後にその研修内容の品質を向上することは出来ません。

 この課題の対処として、そのサービスの品質に問題はないか、より良いものであるかを事前に検討することが考えられます。
 ビジネス基礎研修であれば、実際に研修を行う前にはその内容を十分精査し、それが良い品質であるかの確認を怠りません。

 私はこの特徴を考えたとき、後輩指導を行う際には必ず事前にその内容について十分に検討する重要性を再認識しました。その指導が行われる場になってから即興で後輩にとってより良い内容を作り出すということは非常に難しいからです。
 非分離性の特徴は、そのサービスを顧客のためにより良くするためにどうすればいいかをその場で考え、内容変更が出来るというメリットとしても捉えることが出来ます。しかし、それは事前に指導方法を多数用意し、その分析を行っていた場合に限ります。何を聞かれても困らないための事前勉強が必要になるということです。
 後輩にとってより良い指導環境を整えるためには、非分離性の特徴をデメリットとしてでなくメリットとして活用できるよう務める必要があるのです。

3. 変動性(多様性):一人に人気が集中すると、そのサービスの提供が出来なくなる→提供者が互いに高めあい、より多くの顧客に皆で対応する

 変動性(多様性)とは、そのサービスを誰が提供するのか、いつするのか、どこで行うのかによって内容が大きく変わってくるということです。これにより、多くの顧客が特定の提供者を必要とする環境において、提供者が持つ時間の有限性により、需要を満たす十分な供給を提供できなくなる問題が発生します。例えば、現在ビジネス基礎研修は主にA&PROメンバーに対して選ばれた研修講師から提供されていて、それにより質を担保しています。一方で、これを多数のクライアントが同時に求めた際には、その講師の時間の制約からその研修を行うことが難しい状況になる場合も事実となります。

 この課題の対処として、誠実にサービスを行うことの出来る人材を採用することと、そのサービスを行うことに対する理念や方針も含めた指導・訓練が挙げられます。
 例えば、ビジネス基礎研修においては、その研修内の人数のキャパシティを広げ、なるべく多くの顧客に対し満足が出来る研修を行うことが出来るような対応の工夫が考えられます。

 私はこの特徴を考えたとき、後輩指導を行う際には他の指導者と互いに切磋琢磨し、後輩が自分を選んでくれるような品質を作り出せるような努力が必要だと感じました。
 仮に自分以外の優れた指導者がいた場合、基本的にはその人に指導を任せ、私は自分を選んでくれた人だけを指導するというスタンスを持ったとしたら、私自身の成長が見込めないだけでなく、その優れた指導者の時間をその指導により奪うことになりかねません。
 私はいち早くその指導者に追いつき、互いに自分を選んでもらえるような指導を考えるという方が、後輩に対しても指導者に対してもメリットのある考え方だと私は思います。

4. 即時性(消滅性):サービスは保存が出来ない→顧客・提供者ともにその機会を大切にする。

 即時性(消滅性)とは、そのサービスを顧客のために貯めておくことが出来ないということです。例えば有形サービスとしてケーキ屋さんを考えると、ケーキは顧客がそれを買ってもらえるまである程度の期間は保管することが出来ます。しかし、例えばビジネス基礎研修のような無形サービスは提供者・顧客が揃った状態でないと行うことが出来ず、その内容を保管することが出来ません。
 これにより、提供できるサービス量に限界があるという問題が発生します。例えばビジネス基礎研修について、研修に参加するメンバーが突然増減した際にはその対処を迫られたり、研修の提供者が研修の場に来られない事態になった際にはその研修を行うことが難しくなったりという問題が考えられます。

 この課題の対処として、提供者・顧客ともに固定シフトを誠実に尊重することが考えられます。例えばビジネス基礎研修では、研修にやむを得ず欠席する場合には、2週間前までに相談することでその研修の振替を検討する等、事前の対処を取ることが可能となります。

 私はこの特徴を考えたときに、後輩指導を行う際には事前に双方が納得出来る時間を相談して決め、その時間をお互いが厳守することの重要性を意識しました。仮に指導する側である私が決めた時間を守れなかった場合、後輩にとってその時間は無駄になってしまうことになります。後輩のための指導ということを考えたとき、その時間を厳守することは非常に大切なことなのだと気づきを得ることが出来ました。

 私は、無形サービスの特徴を学んだことで、今後後輩指導を行う際に何が重要であるかを知ることが出来ました。
 具体的には、 後輩にそのPJへ魅力を感じてもらうために、指導準備を怠らず、またその指導自体を私自身も大事に思い、その質を向上させていくことが肝要となるのです。

 今後A&PROにおいても後輩指導を通じて、自分が無形サービスの特徴をデメリットとしてではなくメリットとして活用出来るよう、訓練していきたいと私は思いました。

これから研修を受ける方々へ

 この研修を受けることで、無形サービスに取り組む際自分はどのような工夫が出来るか、より現実的な手だてを考えることが出来るようになると思います。特徴を踏まえた上で手だてを考えることによって、どうあるべきかを想像する際に具体的な想定が出来たのです。

 私は今まで教育が本質的にサービス業の要素を含むということを意識はしていました。しかし、それが飲食店等の有形サービスとは異なった特徴を持つサービスであることは意識したことがなく、この研修を受けて初めて知ったことでした。
 無形サービスの特徴を意識できたことで、私が無形サービスに取り組む際はその注意点、つまり何に対して力を入れるべきかを具体的に想像することが出来たのです。

 自分が今後何かしらの指導をする立場になる・なりたいと思っている人や、将来無形サービスを扱うような仕事をしたいと考える人には、特におすすめしたい研修です。

研修で学んだこと

  • 無形性の特徴への対応(サービス消費によるメリットの強調)の具体例として、研修においてその参加者の声を発信することが挙げられる。(この記事はまさにその要素を含んでいる!)
  • 人の中には認知的不協和がある。それは自分の中で矛盾する意識を同時に抱える状態で、これを解消するために人は様々な変化をする。それは本人にとって真に望ましい方向の変化だとは限らない(→よってA&PROでは、望ましい方向が何かをその人と共に見定め、より相応しい方へ変化を促す。)

この記事の著者/編集者

野澤 一真 東京理科大学 理学部  

大学・学部:東京理科大学 理学部第一部  部活・サークル:吹奏楽団(中学・高校・大学)  アルバイト:飲食 (居酒屋)  趣味:楽器演奏

この連載について

ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

連載の詳細

頭で理解するだけでは不十分。参加者自ら実践し、習慣化するまで責任を持つ30の研修プログラム。各クライアントの課題・ニーズに合わせて個別に設計。

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