連載ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

リーダーは、部下をより高次の欲求へと導く必要がある

今月の研修:リーダーシップパワー理論

皆さんが教師、或いは親の立場だとしましょう。子供に勉強への意識づけをさせたいと思ったとき、あなたは何を意識しますか?

この答えとしてもし「頑張りを褒める」ことや「できなかったらペナルティを課す」ことにのみ、意識が向いてしまった場合には注意が必要です。その子供は報酬や罰に、いずれ慣れてしまうからです。慣れてしまえば、より強い報酬や罰が必要となる。報酬を与えることや罰を与えることには、そうしていずれ限界が来るのです。

このことは子供への指導だけの問題に留まりません。ビジネスにおいて部下に業務への意識づけを行う際にも同様のことが言えます。

上司がどう接したら部下を動かすことができるか?この答えはリーダーシップパワー理論にあります。

今回の記事ではこの理論から、実際に上司として振る舞う際に気を付けるべきことを1つ紹介したいと思います。皆さんもこの記事を参考に、リーダーシップパワー理論を活用する方法を考えてみませんか?

「報酬」「罰回避」以外の欲求を部下から引き出す方法

今回の研修ではリーダーシップパワー理論を学び、自分やメンバーがこの理論を実際にどう活用できるかを話し合いました。

リーダーシップパワー理論は、部下の持つ欲求(自分の従いたいと思うもの)に合わせたアプローチをすることが上司には求められる、ということを表しています。これが具体的にどのような話であるかは、前回の私の研修体験記にまとめてあります。この記事を読む前に是非ご覧ください!

人は「誰」に従うのか?リーダーシップパワー理論から学ぶ | A&PRO

今回改めてリーダーシップパワー理論を学び、新たに意識したいと思った点がありました。リーダーが部下と共に活動するためには、部下に新たな欲求を持たせるべき場合があるということです。

具体的には、部下の欲求が報酬を与える力や罰を与える力にのみ存在するような場合です。つまり、部下を導くためには報酬や罰回避に対する欲求へのアプローチだけでは不十分となります。

リーダーは、部下に対して報酬を与える力や罰を与える力を用いたアプローチをするだけでなく、それ以外の欲求を抱くように導く必要があるのです。

そこで、部下に他の欲求を与えるために必要なことが何かを考えました。このときに考える手がかりとなったのは、研修の話し合いの中で出た次のような内容です。

  • 罰や報酬を与える力とその他の力との違いは、マズローの欲求五段階説と関連性がある。前者に影響されることで生理的欲求や安全欲求の満足に繋がり、後者は社会的欲求や承認欲求などを満たす。

このことから、部下に新たな欲求を持たせるための方法として、そのチームにいたい(社会的欲求)、そのチームで活躍したい(承認欲求)と部下に思わせることが考えられます。怒られたくない、褒められたい。部下にそれ以外の欲求を抱かせるためには、自分も部下も同じチームの一員なんだということを意識づけさせることが大切なのです。

例えば自分が部下の立場だと思って考えてみましょう。上司を「自分に仕事を与えている人」だと考えたとき、仕事については自分ひとりで完結させ、上司はそれを評価するだけの立場だと捉えるでしょう。そうすると良い上司とは「自分の成果に見合った報酬を与えてくれる人」(報酬を与える力)だと感じるでしょう。または意識として、上司に叱られない程度のパフォーマンスで仕事をしよう(罰を与える力)と思うかもしれません。

一方上司を「自分と一緒に仕事をしている人」だと考えたとき、仕事については自分はその一端を担い、上司や同僚と共に業務を遂行していると捉えます。このとき考える良い上司像とは、例えば自分が業務を行う上で手助けしてくれるスキルを持つ人です。つまり「偉い人と仲がいい人」(人脈力)や「必要な情報を収集できる人」(情報収集能力)等にも魅力を感じるようになります。このようにチームで活動していることを部下に意識させることで、報酬や罰以外の様々な欲求がそこに現れるようになるのです。

このことは特に、プロジェクトに新たなメンバーが入った際に活用できると思います。他の人と一緒に仕事をし始めて間もない頃には、中々その場に馴染めないことは多々ありますよね。そのようなときは早くチームに馴染めるように、積極的なコミュニケーションを図る等、その人がチームの一員であることを意識できるように工夫をします。

例えば私が社会人になった際、まずは一緒に仕事をしている仲間であることを自分が意識すること、更に同僚にも意識させることにより、それぞれが持つ欲求を把握することができます。そのために同僚とは仕事の進捗を報告し合ったり、相談したりするようなコミュニケーションを積極的に行いたいと思います。

このようにチームであることを意識し合い、相手の欲求を会話や行動から発見し、その欲求に沿うような行動を相手に示す。そこで初めて相手に「一緒に行動したい」と思ってもらえるのです。

これから研修を受ける方々へ

リーダーシップパワー理論は、部下を率いて行動するリーダーにとって知っておいて損はないものだと思います。また、ただ知っているだけでは意味がありません。実行できて初めてこの理論を学んだと言えるでしょう。

実際にこの研修ではこの理論をどう活用するか皆で考え、話し合える場があります。この理論を活用する方法、或いはここから発展して考えたこと、それらを私たちと共有してみませんか?

研修で学んだこと

  • 自分の欲求を高めるために、コミットメント型になる必要がある
  • それぞれの欲求に対してどうアプローチができるか
  • 信頼残高

この記事の著者/編集者

野澤 一真 東京理科大学 理学部  

大学・学部:東京理科大学 理学部第一部  部活・サークル:吹奏楽団(中学・高校・大学)  アルバイト:飲食 (居酒屋)  趣味:楽器演奏

この連載について

ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

連載の詳細

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