連載ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

学生時代に知っておきたい、社会人になったらやるべき7つのこと!

今月の研修:クレドと理念

大学や短大、専門学校というのは知識を深める場ですが、社会に出る準備をする場でもあります。ただ勉強や遊び、バイトのルーティンを繰り返すだけの学生は、いざ入社するとなった時に途方に暮れる人が多いです。「今までもやってこれたから何とかなるだろう」、「自分は要領が良いほうだから大丈夫」と思っている人ほど、現実と理想のギャップに戸惑っている印象があります。そこで今回は、A&PROの研修で学んだことをもとに、社会人一年目の私が学生生活を意味あるものにするための心得をご紹介します。

人が成長できるルール「クレド」とは

A&PROのビジネス基礎研修を受けるのは今回が2回目。そのテーマは組織の在り方についてでした。これは当然のことですが、組織として方向性が定まっていない、または方針を全員に共有していないと、どれだけ個人の能力が高くてもパフォーマンスを最大限に発揮できません。ここで重要になるのが企業理念とクレドです。これらは大企業であれ中小企業であれ、多くの企業で設定されています。ただ、入社前や入社したばかりでは馴染みがない方がほとんどでしょう。A&PROにおける企業理念とクレドの定義は以下の通りです。

企業理念:企業が目指すべき目的地や果たすべきミッション
クレド:企業理念を達成するための行動規範・指針

つまり、企業としてあるべき姿が企業理念であり、それを叶えるために必要なルールや方針がクレドというわけです。経営者のビジョンを伝えるものとも言えます。

よく、就活で面接する際に「御社の経営理念に共感したからです」と志望動機を述べる大学生がいます。しかし、本当にその理念を理解して自分も実行する一員になりたいのであれば、クレドまで深掘りしなければなりません。理念に共感しただけではなく、その理念を実現させるためにどのような行動を取っていくつもりなのか、クレドに沿って具体的に説明できるとあなたの本気度が伝わります。これから就活をする学生の方はぜひ覚えておいてください。

新入社員・新社会人に求められるもの7選

さて、ここからは一企業の正社員として働いている経験と、A&PROのクレドから得た学びをもとに、社会に出る前に押さえておくべきポイントをご紹介します。社会人に必要な考え方や行動を示す七つ道具として参考にしてみてください。

①価値観を捨てる

入社したら一番にすべきこと。それは自分の価値観を捨てることです。もちろん本当に捨ててしまうわけではありません。要するに我をコントロールして会社に溶け込むということです。

先ほど述べた企業理念とクレドの話に繋がるのですが、目的や方針、ルールというのは組織ごとに必ずあります。しかし、そこで輪を乱すものが個人の価値観です。自分のこだわりに執着する人がいると、組織としての成長や成功は望めません。全員が同じ方向を向いていないのに、上手くいくわけがないからです。「私には私の考え方・やり方がある」と主張するのが悪いとは言いません。それによって全体に良い影響をもたらすこともあります。しかし、それを主張したうえで決まったことに異を唱えたり、あくまでも自分のこだわりに固執したりするのは間違っています。ですから、まずは会社の色に染まることが社会人としての第一歩です。

②身だしなみを整える

これは社会人として最低限のマナーですね。スーツ、制服、オフィスカジュアルなど、企業によってさまざまな規定がありますが、自分の会社のルールに合わせて身だしなみを整えることは必須条件です。

さらに一歩踏み込んだ気遣いとしては、TPOに合った服装や小物、メイクを心がけることが挙げられます。たとえば「他社の人とやり取りをする時に、相手企業のイメージカラーのネクタイをしていく」、「大事なプレゼンがある日は、目力をアップさせるアイメイクや印象的なリップを選ぶ」などです。

心理学者が提唱したメラビアンの法則によると、人は視覚から得る情報が大半であり、非言語コミュニケーション全体では判断要素の実に93%を占めているといわれています。これがいわゆる「人は見た目が9割」とも言われる所以ですね。
そもそも自分の見た目に気を配れない人が、他の人を気遣いできるはずもありませんから、見た目が9割というのも過言ではないかもしれません。

③ホスピタリティ精神を持つ

A&PROでは「目配り、気配り、心配り」の充実を掲げています。サービス業界ではまとめて「三配り」とも言い、他者と関わるうえで欠かせない重要な要素です。
ホスピタリティ精神も接客業でよく耳にする言葉ですね。ご存じの通り「おもてなし」を意味しますが、具体的にどういうことなのか説明できる方は少ないのではないでしょうか。

日本ホスピタリティ推進協会によると、ホスピタリティとは関わる人が双方ともに満足し、信頼関係を深めて価値を高めていくことだと定義されています。お互いが心と心で通じ合い、何かを共創していく。それによって社会が豊かになる。そのために必要なものがホスピタリティ精神なのです。

A&PROでは、これを具体的に行動に落とし込むための指針として先ほどの「目配り、気配り、心配り」を挙げています。相手のためになること、相手に喜んでもらえることを常に模索し、3つの配慮を心がけることでホスピタリティを実現できるというわけです。
もちろんこれはお客様だけでなく、上司や同僚などの社内の人間や、家族や友人といった身近な人々との関係を良好に保つうえでも必要になります。私の出身校である上智大学の教育理念に「他者のために他者とともに生きる」という言葉がありますが、まさにその通りです。その人がいない時でも相手を思いやり、自分ができることを探すことが社会では求められます。

参考:日本ホスピタリティ推進協会「ホスピタリティとは」

④報連相はこまめに行う

こまめな報告・連絡・相談は円滑に仕事を進めるうえで必要不可欠です。たとえば、自分の業務が手一杯でも、それを相談すればリソースに余裕のある人が手伝ってくれるかもしれませんよね。業務を効率よく行い、トラブルを未然に防ぐためにも報連相は非常に重要なのです。
これができていない人には、まともに仕事を振ることができません。知らないところで何かあったら大変ですから。ですが、意外と報連相ができていない人はいるもので、中には催促されてようやく事後報告のみするなんて人もいます。

また、相談の意味を履き違えている人も多いです。一例に「〇〇が分かりません」とだけ主張する人がいます。相手任せのこの姿勢は、社会人として不合格です。相談する時は「●●は理解できたのですが、〇〇については曖昧です。私としては△△だと思ったのですが合っていますか?」などと現状をしっかり伝えたうえで、自分の考えも述べましょう。
他にもただ「どうしたら良いですか?」とだけ尋ねる人もいますが、それは思考を放棄しているも同然です。何が目的なのか、どんなことに躓いているのか、自分はどう考えているのかを明確に伝えて初めて相談と言えます。

あなたはそんな人任せな人間になっていませんか?仕方や内容までよく考えて報連相ができるように、今から思考の習慣をつけておきましょう。

⑤人や周りのせいにしない

今回の研修を受けた時に「上手くいかなかった時に人のせいにしたくなるのは、それだけ真剣に取り組んでいた証拠だ」という意見が出ました。まさしくその通りだと思います。一生懸命に取り組んでベストを尽くしたという自負があるからこそ、上手くいかなかった時は他に原因を見つけたくなってしまうでしょう。文字にすると当たり前のことだと思われるかもしれませんが、そんなことをは今までまったく意識していませんでした。

しかし、これには続きがあります。「本気で向き合ったからこそ誰かのせいにしたくなるだろう。それでもまだ他にやれたことがあるのではないか、今からでも自分にできることは何かないか、と考えることが重要なのだ」と。

逆境にあってこそ、人は成長します。月並みな言葉ですが、ピンチの時こそ絶好のチャンスと捉えて、今までの自分から脱却することが大切なのだと改めて感じました。
社会に出れば、学生時代よりも多くの困難が待ち構えています。時には失敗することもあるでしょう。しかし、それを周りのせいにしないで活かせる人こそが成功できる人なのです。
これは新入社員云々に関わらず、10年先も20年先も心に留めておきたいことだと思いました。

⑥一生勉強、日進月歩

研修中、他の受講生から「広く興味を持ち、深く学ぶ」という言葉を聞きました。私は生きている限り一生勉強だと考えています。学ぼうとさえ思えばどんなことからも学びは得られるし、私たちは普段から小さな学びを積み上げて生活しているからです。ですから、この言葉にはとても感銘を受けました。できることを増やすため、仕事やプライベートを充実させるためには、自分の得意分野や既存の価値観に捕らわれず、あらゆることに興味を持って積極的に学ぶ姿勢が大切です。それは、自分の付加価値を高めることに繋がります。

2006年から経済産業省が提唱している「社会人基礎力」をご存じでしょうか?これは、社会で成果を出し続けるために必要な3つの能力と12の要素から成り立っています。その社会人基礎力を形作るうえで重要な柱となるのが「学び」です。絶えず学んで自らを進化させることが、今の時代では求められています。主体的かつ実践的な学びをもって、生き抜く力を養うのです。

そのために定期的な社内研修を開いたり、資格取得支援をしたりする企業も出てきています。スキルや知識を身に着けて自分の付加価値を高めることは、もはや社会人の常識と言っても良いでしょう。何しろ国が中心となって取り組んでいるのですから。とはいえ、仕事が本格化すれば学びに割ける時間は減っていく場合がほとんどです。ぜひ学生のうちに多くの学びを得てください。それがあなたの力になります。

参考:経済産業省「社会人基礎力」

⑦質より速さを重視する

中国の古典、『文章軌範』の有字集小序に「巧遅は拙速に如かず」という言葉があります。
これは、仕事の出来が良いけれど遅いものより、出来が悪くても早いほうが良いという意味です。

どんなに素晴らしい仕事ぶりでも、期限に間に合わなかったら意味がありません。また、そもそも新人のうちは完璧な出来を期待されているわけでもないです。むしろ不備があって当然くらいの気持ちで仕事を割り振っています。ですから、自分だけで試行錯誤して会心の出来に仕上げようとするのは傲慢です。拙くても早く終わらせて提出し、上司にアドバイスをもらって直すほうがよほど効率的で完成度も高くなります。
だからといって手を抜いていいというわけではないので、そこは注意してください。

参考:デジタル大辞泉/小学館

これから研修を受ける方々へ

A&PROの良さは、立場や分野は違えど同じ方向を向いている仲間とともに学べることです。一人での学びには限界がありますが、「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように、さまざまな背景を持つ人々が集まれば、たくさんの気づきが得られます。今回、私たちは企業理念とクレドを深掘りすることでお互いの立ち位置を確認し、新たな一歩を踏み出すことができました。

また、名前こそ「ビジネス基礎研修」となっていますが、A&PRO内やビジネスの範疇に収まらない内容ばかりです。現状に満足していない方、広く使える知識やスキルを得たい方はぜひ一度足を運んでもらえたらと思います。研修を終える頃にはきっと一回りも二回りも成長した自分を実感できるはずです。

研修で学んだこと

  • 理念=目的地やミッション/クレド=コンパス
  • 人はルールによって成長する
  • 行動規範は自主性を生み、後手に回らないようにするために必要
  • サービスは一番低レベルなものに目が行く
  • ルールの叩き台を作るのはリーダーの役目
  • 限られた時間で行うために優先順位を決めて取り組む

この記事の著者/編集者

久保井美愛 上智大学 外国語学部  

新米の社会人として、仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

この連載について

ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

連載の詳細

頭で理解するだけでは不十分。参加者自ら実践し、習慣化するまで責任を持つ30の研修プログラム。各クライアントの課題・ニーズに合わせて個別に設計。

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