歯科医院におけるコーチング
2021.07.24
今月の研修:コーチング理論(基礎1)
皆さんは、勉強、部活、アルバイト、仕事など、今頑張っていることはありますか?
それを頑張っている理由は何ですか?
金銭、友好関係、将来のためなど、人によって、また分野によって様々な理由があると思います。
私たちは常に、~したい、~が欲しいといった欲求を持っています。今回の研修では、人間が持つ欲求を5つに分類した「マズローの欲求5段階」と、その欲求を持った人にどのようにコーチングをしたらよいか、について学びました。この記事では、5つの欲求について具体例も入れながら説明しているので、是非参考にしてみてください。
人間の5段階の欲求
人間の欲求は、5段階の欲求(生存欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、実現欲求)がピラミッドのように構成されています。これをマズローの欲求5段階と言います。
- 生存欲求とは、今日1日を生きたいという欲求。
- 安全欲求とは、長期的に生きたいという欲求。
- 社会的欲求とは、仲間の中に所属したいという欲求。
- 承認欲求とは、誰かに認められたいという欲求。
- 実現欲求とは、自分らしく生きたいという欲求。
人は、このピラミッドの下の層の欲求が満たされると、一つ上の欲求を満たそうとします。そのため、リーダーは自分の部下がどの段階の欲求を持っているのかを確認、更に上の段階の欲求を持てるようにコーチングをする必要があるでしょう。そうすることで、部下のモチベーションを上げることができます。
従業員の欲求を高める歯科医院
私は歯科医師になって開業することを目指しています。開業して院長になったら、従業員(歯科衛生士や受付担当の方)がどこの欲求段階にいるのかを把握する必要があると思います。
そこで、各段階の欲求を持った従業員は具体的にどのような欲求で働いているのかをケースごとに考えてみました。
また、私は将来、患者さんが安心して来院できる、笑顔溢れる歯科医院を開業したいと思っています。この目標達成するためには、従業員全員がこういう歯科医院を開きたいという実現欲求を持ち、お互いを高めていく必要があります。
ですから、従業員それぞれが更に上の段階の欲求を求めるようになるために、そして最終的には実現欲求を持てるようになるために、院長としてどのようなコーチングができるのかということも考えてみました。
生存欲求を持った従業員
【欲求】お金が欲しいから働いている。
【コーチング】患者さんが増えたら給料も上がることを話す。そして、患者さんを増やすためにはどのような歯科医院にしたらよいかを一緒に考える。
安全欲求を持った従業員
【欲求】歯科医院を潰したくないから働いている。
【コーチング】安定した営業ができるように、サービスを向上しようと話す。
社会的欲求を持った従業員
【欲求】医院に所属したいから働いている。
【コーチング】仕事以外の時間に従業員全員で集まる会を定期的に開き、仲を深める。そして、みんなで一つのチームであることを確認し、チームに貢献するためにもみんなと共に頑張ろうという意識を持ってもらう。
承認欲求を持った従業員
【欲求】院長に認められたいから働いている。
【コーチング】世間(主に患者さん)に認めてもらおうというように発想を変えてみる。また、月に1回程度、今月達成できたことを話してもらう機会を設けて、自己評価をあげられるようにする。
実現欲求を持った従業員
【欲求】より良い歯科医院にしたいから働いている。
【コーチング】具体的にどのような歯科医院を築きたいか、アイデアや考えを聞く。
私が歯科医院長になったら、実現欲求を持っている人を従業員として採用したいと考えています。しかし、面接の際に実現欲求を持っていたとしても、時間が経つにつれて、体調の変化や生活環境の問題などによって欲求段階が落ちてしまう可能性があります。そうなってしまったときに、従業員それぞれの欲求段階に応じて上記にあげたようなコーチングを行って、従業員全員が常に実現欲求を持って働ける歯科医院を開業したいです。
これから研修を受ける方々へ
私たちは、どの分野においても5つの欲求を持っています。しかし、同じ人でも、どのような欲求をもっているかは活動する場所によって違います。
皆さんがもし誰かを雇ったりサポートしたりする立場になったら、その人がどのような欲求段階にいるのかを考え、それぞれの段階に応じたコーチングをしてみてください。きっと、お互いのモチベーションアップに繋がります。
また、上の立場に立つ機会が無いとしても、自分がどんな欲求を持っているのか、解決すべきことは何かを考えてみることで、自分自身を成長させることができると思います。
それぞれの活動場所で、マズローの欲求5段階を是非活用してみてください。
研修で学んだこと
- 人間は5つの欲求(生存欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、実現欲求)を持っている。
- 部下がミスをした時は、何が原因でミスを犯したのかを判断し、その原因に対してコーチングをすることが大切である。
- アプローチの方法は人それぞれなので、一人ひとりに寄り添いながら一緒に対策を考えていく。
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