ビジネスで重要な守破離とは?千利休が見出した法則を仕事に活かす

クレド9.最後まで成し遂げる

中途半端な仕事を拒み、期待以上の成果を上げ、信頼を積み重ねます。自己流に固執せず、業務プロセス・報連相・守破離を積極的に取り入れ、堅実・大胆にプロジェクトを成し遂げます。

守破離の意味とは

守破離(しゅはり)とは、茶道や歌舞伎、剣道などの芸能や武道におけるプロセスを表す言葉です。まずは先人の教えを守るところから始まり、習得できたらその型を破る。最終的には独自に発展させ、型から離れた己のスタイルを確立する。この一連の流れをまとめて守破離と呼びます。

元は千利休の教えを和歌の形にした『利休道歌』(『利休百首』ともいう)に収められている一首、「規矩作法 り尽くして るとも るるとても 本を忘るな」に由来するといわれています。
これを簡単に言い換えたものが以下の文です。

「決まりや作法を守り身につけ、改善・改良のために型破りをしても、元の型から離れて新たな型を創造したとしても、基本の型を忘れてはいけない」

つまり、基本を大切にしなさいということですね。守破離の言葉が表す通り、独創性は大事ですが、いきなりオリジナリティを出しても思ったような結果は得られません。あらゆる物事には順序があります。段階的に少しずつ進化していくこと、そして常に初心を忘れず基本に忠実でいることが重要なのです。

利休道歌を語源とするこの精神は、芸能や武道に限らずどんな分野にも共通しています。もちろん、守破離はビジネスの場にも活用できるのです。

守破離の重要性とビジネスへの応用

守破離は仕事で成功するために必要なマインドの一つです。最初から何でもできる人はいません。ただ人によって3つのステップそれぞれにかかる時間の長短が違うだけです。

何かを学んだり新しいことに挑戦したりする際には、まずは上司や先輩の真似をしてやり方や思想、技術をそっくり身につけます。一般的に最も時間がかかるのが、この「守」の段階です。ビジネスの先輩方が試行錯誤して、失敗や成功を繰り返しながら積み重ねてきた技術や経験の結晶ですから、確かに一朝一夕で身につけるには無理があります。また、千利休の和歌にある「基本」が詰まっているのも「守」の段階です。ここをおろそかにしては、強引に次の段階に進んだとしても上手くいきません。言い方を変えれば、この最初のステップをきちんとこなせる人こそ、ビジネスの場で活躍できる人なのです。
守破離に則って、まずは先達者を完璧に真似できるようにしましょう。

これができたら、次は基本を応用・発展させる「破」の段階です。基本の型を分析して、より生産性を上げるにはどうしたら良いか、コストを抑えるには何ができるかなどの課題を見つけます。そして解決策を探って一つひとつアプローチすることで、従来の型を良い意味で破るのです。この段階になって初めて新人を卒業し、一人前になれるのではないでしょうか。型破りをするためには想像力が必要になります。基本の型や自分の知識や経験を組み合わせて応用する力です。想像力を働かせる方法は一つ。常に「なぜ」や「もし」を考えることです。これが型にはまらない新たな視点を生みます。

そして最後は守破離の「離」をもって修めます。ここで求められるのは独創性です。とはいえ、ゼロから何か新しいものを創らなければいけないというわけではありません。既存の知識や一見関連性のない物事を結びつけるだけでも、今までにないものを生み出すことができます。また、何度も型破りを繰り返して一つのことを進化させれば、元の型とは大きくかけ離れた新たな価値を創造できるかもしれません。方法はいろいろありますが、自分に合ったやり方を模索して、型にとらわれないオリジナルのスタイルを確立してください。

ビジネスでの応用例

守破離の流れや重要ポイントが分かったところで、より理解を深めるために一つ具体的な例を挙げます。この具体例があれば、今日からすぐにでも仕事に応用できるでしょう。

さて、仕事の基本となる5Sという考え方をご存じでしょうか。ここではこの5Sを基本の型として見ていきます。
これは「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾」を表しますが、その意味は単なる掃除に留まりません。めあての物やフォルダを探す手間や時間を削減したり、組織内で共通ルールを設けることで誰が行っても安定したクオリティを維持したりと、生産性やサービス品質の向上に繋がるのです。
では、この基本を押さえたうえで「整頓」について考えてみましょう。

「守」…指示された仕事を期限内に行う。
「破」…リソースを考えながら仕事の配分をし、仕事の偏りやクオリティのムラをなくす。
「離」…リソースや実力がある人に仕事を割り振れるよう、マッチングサービスを展開する。

これはあくまで一例なので、同じ「整頓」であっても異なる守破離の道を見出す方もいるでしょう。ですが大切なのは上述した通り基本を忘れないこと。この例で言えば生産性やサービス品質向上という目的が達成できているかどうかということと、最初のステップの整頓が続けられているかということです。

このように、進化・深化しながらも基本に忠実でいることが守破離を実行するうえで重要になります。こまめに基本を確認しながら仕事内容や今の段階を把握し、自分や組織に必要なことは何なのかを考えて守破離を活用していってください。

この記事の著者/編集者

久保井美愛 リーダーズカレッジリーダー  

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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