思いやりのある人になるには?〜目配りから始まる気配り・心配り〜

クレド3:目配り・気配り・心配り 常に相手の立場に立つ

企業理念を判断基準とし、目配り・気配り・心配りの質を高めていきます。些細なことにこそ敏感に気づき、周りに共有することで、スピード対応に繋げます。相手の立場に立ち、一歩先行くサービスを提供していきます。

思いやりに必要な要素

「思いやり」

これは、日本人が美徳とする考え・行動です。

小さい頃から「思いやりを持ちなさい」と言われて育ってきた人も多いのではないでしょうか。

思いやりとは、相手の身になって考えたり、推察して気遣いをしたりすることを意味する言葉です。

では思いやりを持った行動をするために必要な要素とは何でしょうか。

目配り・気配り・心配りという3要素で成り立っています。

目配り
周りの状況を深く観察し、行動すること。

気配り
相手が次にどのような行動をするのかを察知し、行動すること。相手の顕在ニーズにアプローチすること。

心配り
相手の立場になって考えて行動すること。相手も自分自身でまだ気づいていない、潜在ニーズにアプローチすること。

そして、目配り・気配り・心配りとは以下のようなプロセスで成り立っています。

思いやりは、目配り→気配り→心配りという順で成り立っています。

自身の経験談

ここで、私自身が目配り・気配り・心配りができた例・できなかった例について紹介します。

成功例

私は大学1年生の時、予備校のチューターとしてアルバイトをしていました。

チューターは各々担当生徒を持っており、毎週生徒たちと集まって受験勉強の進捗を共有・フィードバックするミーティングを設計していました。

ある日普段通りミーティングを進めていると、ムードメーカーの生徒の表情や話し方がいつもより少し暗いように感じました。異変を感じた私はミーティング後に「何かあったの?」と声をかけてみました。

すると彼女は、努力してもなかなか模試の結果が伸びず不安になっていることや、どの大学に行きたいか分からなくなってきていることを打ち明けてくれました。そこで彼女とはグループでのミーティングに加え、別途個別で相談に乗り一緒に不安を解決することができました。

ここまでは生徒への「目配り」、不安を察知して先回りで話しかける「気配り」です。

ここで私は、同じような想いを抱えていたり、今後同じような状況に陥る可能性がある生徒が他にもいるのではないかと考えました。自分が受験生だったらどのようなことが知りたいか、どうしたら勉強に前向きに取り組めるだろうかと、相手の立場に立って考えてみました。そこで、通常業務には入らない+αの企画を行いました。

例えば、「模試の効率的な振り返り方」「センター試験対策の極意」についての掲示物を作成してお手洗いに貼ることで、隙間時間に今知りたいことが知れる工夫を行いました。

他にも、現役早大生の視点から早稲田大学を紹介するイベントを開催することで、勉強へのモチベーションを高めるきっかけ作りも行なっていました。

これらは、受験生は今どのような状況で、何が必要だろうかと相手の立場に立って考えて行動する「心配り」に当たります。

このような心配りの結果、「今不安だったことが解消された」「リアルな情報を知ることができてより一層早稲田大学に行きたくなった」という声をもらったり、個別で相談に来てくれる生徒が増えたりと、様々な効果が見られました。

受験勉強や大学での勉強についてはもちろん、「ワセメシ」と呼ばれる早稲田近辺の美味しいご飯の話やサークルの話など、現役早大生だからこそ語れるわくわくする内容にすることを心がけました。大学1年生の時なのでまだまだスライドのクオリティーが低いですね…笑

失敗例

一方で私は、教室の環境への目配り・気配り・心配りができずに失敗した経験があります。

例えば、保護者の方がいらっしゃる時にはスリッパを玄関に置いておく必要があります。しかし、出入りが激しい時などはスリッパが出ていないことに気づかず、保護者の方がいらした瞬間や教室長にご指摘を受けてハッとすることがありました。

これは、生徒に対する目配り・気配り・心配りに留まってしまい、予備校全体までしっかりと視野を広く見ることができていなかったため起こってしまったことです。

生徒自身だけではなく状況の変化にもまずは目配りをし、その上で気配り・心配りのある行動をすべきだったと後悔しています。まだまだ保護者の方に対する思いやりが足りていませんでした。

思いやりの出発地点は「目配り」

このように、相手に思いやりの心を持てる人になるためには、目配り・気配り・心配りが欠かせません。そして思いやりは、目配り→気配り→心配りという順序で達成されていきます。私の失敗例もまさに「目配り」が足りていなかったことが原因です。

ただ思いやりを持とうと漠然と考えるだけではなく、まずは目配りをすること、そして気配り・心配りをすること、この順序を大切に日々の生活に落とし込んでみてください。

この記事の著者/編集者

星野歩華 早稲田大学 文化構想学部  

早稲田大学文化構想学部複合文化論系所属。
大学1年次から3年次まで、下駄を履いて踊るという唯一無二のパフォーマンスをするダンスサークルの活動に熱中。広報部長を務め、コロナ禍だからこそできる新たなパフォーマンスを企画・発信した。
現在はキャリア支援団体にて1学年下の就活生の支援をしつつ、一緒に活動するメンターたちが一人前になれるようサポートを行っていくエントランス・育成に携わるセクションのリーダーを務めている。

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