顧客に寄り添うサービス

今月の研修サービス理論(基礎2)

私は、全ての人に対して同じように接することが何よりも大事だと思っていました。しかし、今回の研修を通して、One To One(1対1)で個々にサービスを提供するというマーケティング方法もあるということを学びました。

この記事では、One To Oneマーケティングを行う上で必要な、「顧客と学習関係を築く」ということについて、具体例も交えながら説明して、学びを共有したいと思います。

One To Oneマーケティングとは

私が今回の研修で学んだOne To Oneマーケティングとは、全員に対して同じようにサービスを提供するマーケティング(Massマーケティング)とは違い、顧客とOne To One(1対1)で接して、それぞれが持つニーズ(要求)に沿って、違ったサービスを提供するマーケティングのことです。

一人一人のニーズを叶えることで、顧客内シェア(顧客の満足度)が上がり、自分のサービスを顧客に繰り返し利用してもらうことができます。

企業と顧客の関係

One to Oneマーケティングを行うためには、顧客と企業が学習関係を築く必要があります。

学習関係とは、「顧客が自らのニーズを企業に知らせ、企業も積極的に顧客のニーズを聞き出すことによって、顧客満足の向上に努める関係」のことです。

学習関係を築くことで、顧客のニーズに対して的確に応えることができ、顧客の満足度が更に上がります。ですから、One To Oneマーケティングを行う際には、企業と顧客が学習関係を築くことが効果的であると言われています。

学習関係を築いている例

世の中には、顧客と学習関係を築き、一人一人のニーズに沿ったサービスを提供しているところがたくさんあります。今回は身近なものとして、YouTubeの機能の一つである<あなたへのオススメ機能>を例に挙げたいと思います。

昔の私は、自分の好きなK-popアイドルの動画の投稿動画を観るためだけにYouTubeを利用していました。しかし、だんだんとYouTubeを利用する頻度が増え、今では自分のリフレッシュのために、休息時間には決まって動画を観るようになりました。

これは、私(顧客)とYouTube (企業)が、学習関係を築き、あなたへのオススメ機能によって自分のニーズを叶えてもらったからだと思います。では、どのように学習関係を築いたのかを説明したいと思います。

私たちは、YouTubeで好きなものを検索したり動画を観たりしているうちに、検索履歴や視聴履歴などの情報を知らず知らずのうちにYouTubeへ提供しています。(顧客が自らのニーズを企業に知らせる

その情報から「K-popアイドルの動画が観たい」という私のニーズをYouTubeが学習し、自分が好きなグループに似たアイドルのMusic Videoやダンス動画を提供してくれました。また、あなたへのオススメ機能には、興味なし、というボタンがあり、ニーズに沿ったものをオススメできているかどうかを確かめてくれています。(企業も積極的に顧客のニーズを聞き出す)

こうして、オススメされた動画の中から気になった動画を観たり、好みのグループのYouTubeチャンネルを登録するということを繰り返していくうちに、あなたへのオススメ動画が更に自分の好きなものでいっぱいになりました。そして観たいコンテンツが増え、私はYouTubeを高い頻度で利用するようになったのです。(顧客満足の向上に努める関係を築けた)。

歯科医院でのマーケティング

私は歯科医師を目指している歯科学生で、将来は歯科医院を開業したいと思っています。そこで、歯科医院で使えるマーケティングにはどのようなものがあるか考えてみました。

世の中には医療機関がたくさんあるため、気に入らないことがあるとすぐに転医されてしまう可能性があります。ですから、医院(企業)は、できる限り患者さん(顧客)の満足度を上げて、毎回自分の医院に通ってもらえるように、One To Oneマーケティングを行う必要があります。

私が歯科医院を開業したら、患者さんと学習関係を築きたいです。そこで、患者さんのニーズを積極的に聞き出す取り組みの一つとして、問診表に以下のような項目を追加して、歯科に対する意識のレベルを確認したいと思います。

  • 希望の治療はあるか
  • 今まで歯科医院に通っていた頻度
  • 歯科に対してどう思っているのか(怖いイメージがある場合はその理由は何か)

そして、患者さんそれぞれのニーズに沿って治療法を考えます。

例えば、意識が高い患者さんには、最新の治療方法を紹介したり、メールなどを通して予約の空き状況を知らせたりしたいと思います。

また、意識が低い患者さんには、細かいニーズがないと思うので、まずは歯科に対しての関心を高めてもらうために、治療前後の歯の様子を映像で見せるなどして、歯が綺麗になることの喜びを感じてもらいたいと考えています。

更に、治療の前後には必ず患者さんとOne To One(1対1)で話す機会を設けたいです。そして、治療内容や今後どうしていきたいかを話し合い、決して患者さんの意思に反するような治療を行うことがないようにしたいです。

これから研修を受ける方々へ

顧客に対して違った接し方をするということは本当にいい事なのかと疑問に思っていましたが、研修を受けて、1人1人のニーズに沿って対応することが顧客にとって有益であることが分かりました。

One To Oneマーケティングは、飲食店、アパレル会社など、様々な企業が実践しています。みなさんも身近に溢れるOne To Oneマーケティングを探してみてください。

そして、企業側の方も顧客側の方も、お互いが学習関係を築けるように努力してみてください。きっと長期で安定的な付き合いができると思います。

研修で学んだこと

  • マーケティングは大きく分けて、MassマーケティングとOne To One マーケティングがある。
  • Massマーケティングは顧客の数の増加、One to One マーケティングは顧客の満足度の増加を目的としている。
  • One to One マーケティングを行うためには、顧客1人1人と向き合い、ニーズを知ることが大切。

この記事の著者/編集者

吉野ひとみ   

歯科医師になることを目指して頑張っています。
硬式庭球部に所属しています。

するとコメントすることができます。

新着コメント

  • 田村稔行

    早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科 2021年06月26日

    One To Oneマーケティングとは?、というところから読み始めましたが、様々な競合がいるからこそ各顧客の満足度を高めること必要性というポイント理解できました。
    私の通う美容院でも、初回に訪れた際に、髪に関する悩みがあるかや、どのような接客をして欲しいか(静かにリラックスしたいかスタッフと話したいか)を聞かれたことを思い出しました。
    私の普段の活動は記事執筆というマス向けのものですが、アンケートで読みたい記事内容を聞くなどして、よりOne To Oneマーケティングに近い形を目指していきます。

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