記憶に残る指導方法

今月の研修:記憶のメカニズム

今回の研修では、記憶について学びました。

この記事では、長期記憶にする方法について自分の体験談をもとに述べています。 その際に、扁桃体という脳にあり感情の処理をする器官に注目しました。さらに、その方法を今後どのように活用していくかについても考えてみました。

この記事が皆さんの記憶法の助けになれば幸いです。

記憶の種類

記憶には、感覚記憶・短期記憶・長期記憶の3種類があります。

感覚記憶とは、最も保持期間が瞬間的で短い記憶です。注意を向けられた情報だけが保持されます。
短期記憶とは、保持時間が短く、保持できる情報容量の大きさも限度があります。使わないと消えてしまうが、繰り返し使うと長期記憶として残ります。
長期記憶とは、短期記憶とは異なり容量の大きさに制限がありません。

感覚記憶短期記憶長期記憶の順で記憶が深まります。

長期記憶を助けるのが扁桃体です。扁桃体は、情動的な出来事に関連づく記憶の形成と貯蔵を促進します。

私の長期記憶

実際に、私の長期記憶に繋がったエピソードを以下に2つ挙げます。

中学生時代、個別指導塾の授業での出来事
私は、英語の先生に口頭で様々な質問をされたが全然答えられませんでした。すると、普段とても優しい先生に、「こんな問題も解けないのか」と怒られてしまいました。私は、その出来事が衝撃的だったのと、「優しい先生をこんなにも怒らせてしまった…」というショックが相まって、その時の質問内容をいまだに覚えています。さらに、自分の今の学習状況の悪さを痛感し、その焦りから勉強のやる気にも繋がりました。

大学の友達とテスト勉強した時の出来事
薬理学という科目で、覚えなければならない薬の名前がとても多かったため、友達と一緒に語呂を作りながら勉強をしました。その語呂作りがとても楽しかったため、すんなりと薬名が頭に入ってきて、今でも覚えています。

①はマイナス、②はプラスと一見正反対な出来事ですが、感情を揺さぶっていることがわかります。

この私の経験からも、感情を揺さぶる扁桃体が刺激され記憶に残りやすくなり長期記憶になると考えられます。

感情を揺さぶる指導方法

感情を揺さぶる真剣に取り組ませることが必要です。なぜなら、真剣でないと、成功しても、失敗しても特に何とも感じません。しかし、真剣に取り組むと、成功したら楽しい・満足・達成感など、失敗してしまったら悲しい・悔しい・劣等感など様々な感情を抱くからです。

では、どうしたら相手に真剣に取り組んでもらうことができるのでしょう?
以下に2つの方法を示します。

話す機会を与えること
学校の授業を思い出してみてください。先生が生徒を当てない授業では、分からない問題があったとしても「後で考えればいいや」と思ってしまい、少し気持ちが緩んでしまうことが多かったと思います。それに対し、生徒を当てる授業では、「答えられなかったら恥ずかしい。だから、絶対に正解しよう」と思い緊張感を持って真剣に取り組んだ人が多いと思います。このことから、相手を当てて話す機会を与えることで、真剣に取り組ませることができるでしょう。

真剣な空気感を作ること
真剣でない人が多いクラスやチームで、その雰囲気に流されて自分もふざけてしまったという経験はありませんか?しかし、真剣に物事に取り組んでいるクラスやチームにいると、「みんな真剣に取り組んでいるから自分も真剣にやらないと」と感じたことがある人が多いのではないでしょう。このことから、真剣な空気感を作ることで、周囲の人を真剣に取り組ませることができるといえます。

上記の2つの方法を活かした指導を行うことで、相手に真剣に取り組ませ、覚えてほしい事を長期的に記憶させることができると考えます。

これから研修を受ける方々へ

リーダーの立場になり、指導する場面で効率良く物事を記憶してほしい際にも、役立つと思います。

また、この記事では書ききれなかったのですが、長期記憶にするには繰り返し、主体性、ストレス発散なども効果的です。その記憶のメカニズムについては他のメンバーが詳しく記事にしているので、ぜひ読んでみてください。

研修で学んだこと

  • 感覚記憶・短期記憶・長期記憶
  • 扁桃体が刺激されると長期記憶になる
  • 忘却曲線
  • 記憶には睡眠が大切

この記事の著者/編集者

岩田 舞乃   

歯科医師を目指して頑張っています。プロジェクトを通して、将来の歯科医療に貢献したいと考えています。

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