「当たり前」に囚われて諦めてしまっていませんか?

今月の研修:社会人の持つべき習慣(基礎1)

皆さんは、周りの環境や世間の常識などの「当たり前」に囚われてしまい、どうせ無理だと何かを諦めてしまった経験がありませんか?

例えば、2019年に新型コロナウイルスが大流行し始めました。コロナによって挑戦したいと思っていたことができなくなってしまった、そんな想いを抱える人が多くいるのではないかと思います。

私自身も、ハワイ遠征をはじめダンスサークルのほとんど全ての演舞の機会がなくなってしまいました。友人は、1年間行くはずだった留学に行けなくなってしまいました。

このように、環境は想像もしていなかった方へ急に変化することがあります。

変化を理由に諦める人、変化に臨機応変に対応して諦めない人、皆さんはどちらになりたいですか?

この記事は、後者に当てはまる学生に向けて書きたいと思います。

パラダイムシフトとは

このような状況の時に役立つのが、パラダイムシフトの発想です。

パラダイムシフトとは

特定の時代において人々を支配している規範や常識、当たり前とされている認識が大きく変動すること。

前提となる共通認識が変われば、当然求められるサービスや商品も大きく変化します。そのため、変化を敏感にキャッチして柔軟に対応していくことが重要です。

現代は、急速な技術革新や新型コロナウイルスの流行により、今まで当たり前だった価値観や概念が大きく変化している時代です。そのため、パラダイムシフトという言葉は社会的に注目を浴びています。リモートワークがまさに身近なパラダイムシフトの例です。

また、世の中の常識を大きく変えたパラダイムシフトの例としては、スターバックスが挙げられます。

一般にカフェはコーヒーなどのドリンクを売ることを目的としています。しかし、スターバックスはコーヒーを売ることそのものを目的とするのではなく、最高のコーヒーとコミュニティがあるサードプレイスにすることを目的としています。そのため、店内が混んでしまい回転率が悪くなっても、会話を楽しむ人や勉強に勤しむ人に退店を促すことはしません。このようなパラダイムシフトによって企業のファンが増え、結果的に売り上げにも繋がっているのです。

もともと売り上げを1番の目的として置いているわけではないにも関わらず、結果として売り上げに貢献している事実は非常に面白いなと思いますし、私自身1人で集中して作業をしたい時や友達とゆっくり話したい時に真っ先に思い浮かぶのはスターバックスです。

このように、パラダイムシフトはビジネスシーンにおいて大きな力を発揮しています。一方で、学生が起こすパラダイムシフトの例はなかなか耳にしません。これはビジネスにおいてしか活用できないのでしょうか。

私は、学生たちはただパラダイムシフトというものを知らないだけなのではないかと考えています。

自分で選択し自由に行動できる学生こそ、誰もがパラダイムシフトを起こす側になれるのではないでしょうか。

ここからは、学生が起こすパラダイムシフトの例について紹介していきます。

妥協しない選択

私が大学3年次、新型コロナウイルスの影響でダンスサークルの公演は全てオンラインとなりました。オンラインでの生配信にあたって、様々なダンスサークルが、今まで使用していた曲のほぼ全てが著作権問題により使用禁止という状況に陥ってしまいました。

全く予期していなかった問題に多くのサークルが混乱し、以下3つの対応に分かれました。

①使用曲を変更

この場合、新しく著作権フリーの音源を探し、全ての振り付けを変えることになります。しかし、本番まで僅か1ヶ月と練習時間が十分に足りないこと、本来の曲に比べると迫力に欠けてしまうことなど、妥協しなければならない点が多いというデメリットがあります。

②曲を変えず無音配信

この場合、いつも通りの曲で踊れるため振り付けを変える必要はありません。しかし、オンライン配信を視聴するお客さんにとっては、無音での配信のため楽しむことが難しいという大きなデメリットがあります。

③出場辞退

この場合は、お客さんにパフォーマンスをお届けできなくなってしまいます。

このように、どの対応方法もそれぞれ大きなデメリットがありました。

これらは全て何かを犠牲にして諦めている妥協策です。私たちのサークルでは、自分たちのパフォーマンスを妥協することなくお客さんにお届けできるいい方法はないだろうかと模索しました。

そこで私たちは、ダンスサークルでありながら著作権で引っかかった曲を自分たちで演奏してオリジナル音源を作成することで、解決へと導きました。

著作権で引っかかった曲を使えないからと諦めるのではなく、演奏に挑戦して自分たちの手で使えるようにすればいいと発想を転換させたのです。

これぞまさにパラダイムシフトではないでしょうか。

このパラダイムシフトによって、自分たちが時間をかけて作ってきたオリジナルパフォーマンスを妥協せずやりとげることができただけでなく、他にも2つのメリットがありました。

1つ目は、メンバーたちが様々な方法でサークルに貢献できたことです。ダンスの実力に自信がないメンバーでも、演奏や歌、音源編集など普段はなかなか発揮する場がなかった強みを発揮する機会となりました。曲も含め1から全員で作り上げたパフォーマンスによって、サークルの結束力やメンバーのモチベーションがより高まったと感じます。

2つ目は、1年以上経った今も情勢が変わらない中で、当時作成した音源が使い続けられていることです。もしその場限りで使用曲を変える対応をしていたら、オンライン配信のたびにパフォーマンスを妥協しなければならなかったと思います。後世に残るものを作ることができました。

自分次第で可能性は広がる

このように、どうしようもないように見える状況でも「当たり前」という色眼鏡を外して考えてみると、今までになかったパラダイムシフトが生まれます。

そして、一度起こしたパラダイムシフトは、自分たちが所属する組織においてこの先も残る財産となるのです。

これらはスターバックスの例、私が所属していたサークルの例、どちらにも共通することです。

実は今回のサークルの例は、以前自己紹介記事で紹介したリモートパフォーマンス動画施策がきっかけで生まれたパラダイムシフトです。この時「今しかできないパフォーマンス動画」としてメンバーたちの特技である歌や演奏を取り入れていたため、今回もその経験をスムーズに活かすことができました。

思考の流れ

新型コロナウイルスの影響が拡大、パフォーマンスができない事態に陥る

状況のせいで諦めたくない

自分たちでできることはないだろうか?

歌や演奏を特にとしているメンバーがいて、すでに自分たちで挑戦した経験がある

今回も既成曲にこだわらず、自分たちで演奏すれば解決できる!

このように、パラダイムシフトは学生でも起こすことができます。

自分次第で可能性を無限に広げることができる学生時代、皆さんもパラダイムシフトを起こして「諦めの悪い人」になりませんか。

これから研修を受ける方へ

つい周りの環境や状況のせいにして、何かを諦めてしまった経験はないでしょうか。その時は仕方がないことだと思っていても、パラダイムシフトを起こすことで解決できるだけでなくむしろ更なる成長のチャンスに繋がるかもしれません。研修で、世の中の一般的な事例と自分自身の事例を考えたことで、自由に挑戦ができる学生だからこそパラダイムシフトを起こしやすいのだということに気づきました。変化に左右されるのではなく変化を使って成長したい、そう思う方に是非おすすめしたい研修です。

研修で学んだ内容

  • パラダイムシフトによってより大きな変革が生まれる
  • 依存するメンバーでは強いチームは創れない
  • インサイド・アウトの組織変革
  • 真の成功を収める人は影響の輪を広げる
  • 第一の創造と第二の創造
  • 第二領域の重要性

この記事の著者/編集者

星野歩華 早稲田大学 文化構想学部  

早稲田大学文化構想学部複合文化論系所属。
大学1年次から3年次まで、下駄を履いて踊るという唯一無二のパフォーマンスをするダンスサークルの活動に熱中。広報部長を務め、コロナ禍だからこそできる新たなパフォーマンスを企画・発信した。
現在はキャリア支援団体にて1学年下の就活生の支援をしつつ、一緒に活動するメンターたちが一人前になれるようサポートを行っていくエントランス・育成に携わるセクションのリーダーを務めている。

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