憶えたい、憶えさせたいなら、感情を揺さぶれ!
2023.04.13
今月の研修:記憶のメカニズム
今回の研修では改めて記憶のメカニズムについて学びました。
リーダーが自分だけでなくメンバーのために記憶のメカニズムを知っておくべき理由は以前、こちらの記事でご紹介しました。
本記事では、記憶を短期記憶から長期記憶へ残すための具体的方法についてご紹介します。
情動と結びつけよ
外部から大脳皮質に入った情報は、海馬に送られ、海馬で必要と判断されたものが短期記憶として残されます。特に重要とされる情報は側頭葉や前頭葉など大脳皮質へ送られ、長期記憶として保管されます。ここで重要な機能を果たすのが扁桃体です。
扁桃体は、情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵を促進します。
すなわち、次の2点が記憶を促進する具体的な方法になります。
- 主体性
- ストレス発散・楽しむ
それぞれ詳細にみていきましょう。
主体性
主体的に取り組んだことの方が嫌々取り組んだことよりよく憶えているものです。例えば次のようなこと。
面倒臭いと感じながら取り組んだ合唱祭よりも「金賞を取ろう!」とクラス一致団結した時の合唱祭の方が、何を歌ったか、自分たちの結果はどうだったかをよく憶えている。
友達に連れられて観に行った映画よりも予告編公開からずっと楽しみにしながら待って観に行った映画の方が、その結末をよく憶えている。
主体性が記憶の促進に重要なのであれば、人に記憶させるためにはその人の主体性を引き出すべきでしょう。憶えてほしい内容がその人が主体的に向き合えることとどのように絡むかに気付かせることが肝心です。例えば、次のようなアプローチが考えられます。
出世を目指すAさんは規模の大きいプロジェクトに関わることにしか目が無く、各種ツールの活用等の基本を軽んじている。Aさんの上司Bさんは、「ツールを使いこなせずして昇進などあり得ない」と、その重要性を主張し、記憶を促した。
ストレス発散・楽しむ
モヤモヤすることがあって憶える作業に気乗りしない、憶えなければならないことが膨大である、など、記憶に対して前向きになれないことがあるはずです。そのような時にはどうにか前向きになれるよう工夫する必要があります。例えば次のように。
カラオケで思いっきり歌ってスッキリしてから憶える。
日本史の一問一答を1人で行うのではなく、友人とクイズ形式で行う。
後者は私が高校生の時に実践していたものです。このような些細な工夫で、決して楽ではない記憶という作業が楽しめるのではないでしょうか。
第3の方法:繰り返す
記憶を促進させる具体的な方法として、他に「繰り返す」という方法があります。繰り返しは忘却曲線に沿って低下する記憶率を引き上げる効果があります。
英単語帳で単語を憶える時、1つ1つの単語をじっくり眺めて時間をかけて1周をこなすよりも、短時間で1周してしまい、それを何度も繰り返すことがよく推奨されるのはこのためでしょう。
しかし、学生の間は何度も復習する余裕がありますが、社会人が何度も復習しなければ仕事を憶えられないとなっては問題でしょう。
なるべく「主体性/ストレス発散・楽しむ」の方法を使うなどして、1度で記憶することが求められます。
私の活動に関して
現在、私はA&PROにおいて、研修への新規参加者にA&PROの魅力を知ってもらったり、人生についてよく考えてもらったりするための活動を研修前後・研修中に行っており、またその仕組み作りを社長と共に行っています。
今後は私から後輩へと仕事内容を伝授することが増えるでしょう。その際には「なぜこの仕事を行っているか」という目的と後輩のA&PROでの存在理由を結びつけて、仕事を教えたいと思います。「繰り返す」はなるべく使わないようにしたいですね。
これから研修を受ける方々へ
体系的に「記憶」について学んだ経験は実は少ないのではないでしょうか。本研修で扱われる「記憶」は決して専門的または複雑なものではなく、日常に落とし込むことができる具体的なレベルで扱われます。
「記憶」について知りたい方、それを活用したい方は是非ご参加ください!
研修で学んだこと
- 感覚記憶・短期記憶・長期記憶
- 情報が長期記憶に残る仕組み
- 意味記憶・エピソード記憶・手続き記憶
- エビングハウスの忘却曲線
- 睡眠と記憶
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