適切な自己主張が円滑な人間関係を築く

今月の研修:アサーティブコミュニケーション

皆さんは、「言いたいことが上手く伝わらない」「ささいなことが頭にきて許せない」といったような思いを抱いたことはありませんか。

これはとてもストレスフルなことですよね。そのようなことを我慢し続けたままでは他者との円滑な人間関係を維持することも難しいものです。

今回は、そのような問題を回避するための方法を研修で学んだので皆さんに紹介します。

あなたは何型?

内向的・外交的といった、人に様々な性格があるように、伝え方にもいくつかの型(クセ)があります。判断材料も説得力もないのに一方的で強引なコミュニケーションをしてくる攻撃型。遠慮して言い出せない受身型。遠回しや皮肉で伝えたり、後で仕返しをしようとする作為型

そして今回私が学んだのが、相手のありのまま(権利)を侵害せず、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやすく伝えるアサーティブ型です。

私たちが目指すべきものはこのアサーティブ型となります。しかし、人は自分の性格を変えることは簡単なことではありません。一方で、行動を改めることはできます。普段からこのコミュニケーション方法を意識してトレーニングすることで、円滑な意思の疎通ができるようになるでしょう。

DESC法を使って適切な自己主張をしよう

アサーティブコミュニケーションをトレーニングするためには、まず、「基本の型」であるDESC法を身に着けることが重要です。これは4つのことばの頭文字から構成されています。

Describe→事実を描写します。状況を客観的に簡潔な言葉で伝える必要があります。

Express→感情を表現します。「私は~」から始まるIメッセージを使うと良いでしょう。これは、あくまで自分の気持ちや感情を述べているに過ぎないので他者を責めることはないのです。

Specify→提案します。的を絞り、現実的かつ具体的な提案を責任もってしましょう。自分と他者との主張が異なることも想定し、第2・3案を準備することも大切です。

Consequences→結果を伝えましょう。「助かる」「嬉しい」など、その効果を端的に伝えると良いでしょう。

ただし、コミュニケーションはお互いが納得することが大事なのでDESC法を自分の意見を押し通すために使うのはNGです。お互いが誠実・率直・対等な関係と、自己責任(言った・言わなかった責任)を持つことを前提に、自分の意見を主張しつつも、他者の意見を聞いて歩み寄り、お互いが納得できる点を探すことが必要になります。

過去から学ぶアサーティブコミュニケーション

さて、アサーティブコミュニケーションとDESC法をもとに、過去に私が経験した、こうしておけば良かったと思うことを紹介します。

大学一年生の頃、部活の夏の大会でホテルに宿泊していました。その際、各部屋の最低学年が洗濯しに行くという決まりがあり、同じ部屋には同級生が他にもいましたが、誰も行こうとしないので毎晩私一人で洗濯をしに行っていました。

そして、毎晩毎晩洗濯しに行っているうちに、夏という過酷な環境と練習のキツさが相まって疲労は当然のように溜まっていました。その結果、精神的に余裕がなくなってしまい、なにも手伝ってくれなかった同じ部屋の同級生につい「なぜ手伝ってくれないんだ」と、感情を吐いてしまったのです。

この会話に先ほどの型を当てはめてみましょう。同級生がいるのに我慢して、一緒に洗濯しに行こうよと言い出せなかった受身型、そして疲労が蓄積して思わず感情をぶつけてしまった攻撃型、となります。このような伝え方ではこの問題は解決しませんし、同級生の感情も害してしまったことだと思います。現に気まずくなってしまいました。そこで、DESC法で言い換えてみるとどうでしょうか。

「洗濯のことなんだけど、少し時間いいかな。毎晩洗濯しに行っているのだけれど、一人でやるのは自分には少し大変でね(Describe)、手伝ってくれるとありがたいな(Express)。提案なんだけど、もし○○君が良ければ今度から、洗濯しに行く、洗濯ものを取りに行く、のように分担するというのはどうかな(Specify)。お互い疲れていて大変だけど、そうしてくれると本当に助かるし嬉しいな(Consequences)。」

このように、受け止め方を柔軟にすることで、一方的な他者との関わり方がアサーティブ型へと変換できます。さらに、たとえ意見が食い違うことがあっても、アサーティブな関係であれば代案を出したあと、さらなる議論を続けることも可能になるでしょう。

これから研修を受ける方々へ

過去には、私は感情を打ち明けるのが苦手な受身型だけでなく、余裕がないときは攻撃型になっていたことがありました。しかし、私と同じようにコミュニケーションが苦手だと思う方でも、アサーティブコミュニケーションとDESC法を駆使すれば苦手意識が改善されていくでしょう。そうすれば、いかなる時でも適切なコミュニケーションができるようになります。

そして、コミュニケーションが得意だと思う方も、この研修をうけて今自分がどのような伝え方をしているのかを見つめ直す良い機会でしょう。

是非研修に参加していただいて私たちと新たな価値を共有していただければと思います!

研修で学んだこと

  • アサーティブコミュニケーション:相手のありのままを侵害せずに誠実・率直・対等な立場で意見を分かりやすく伝えるコミュニケーション
  • 攻撃型:一方的で強引なコミュニケーション
  • 受身型:遠慮して言い出せないコミュニケーション
  • 作為型:皮肉を言ったり後で仕返しをしようとするコミュニケーション
  • 適切なDESC法は人間関係を円滑にする

この記事の著者/編集者

内田黎  日本歯科大学 生命歯学部 

歯科医師を目指しているバイク大好き大学生。
同時に歯科医師と学生を結ぶプロジェクトの一員として活動しております。

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新着コメント

  • 田村稔行

    早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科 2021年06月26日

    提案を相手にどのタイミングで、どのようにして伝えるか。
    私も内田さんと同じように言いたいことを言い出せない受動型であったり、一方で言ったときには相手に責めているように感じ取られてしまうことも多々ありました。
    感情的に余裕がなくなってしまう前にDESC法を用いて建設的に提案することで、相手との関係を崩すことなく主張すべきことを主張できることを学びました。自分自身がどのような伝え方をしていたか振り返って、DESC法を心がけていきたいと思います。

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