周囲に影響を与える「ありがとう」の伝え方
2022.08.13
クレド1.周囲の人、物事全てに感謝
私たちが社会で生きていけるのは、周りの人・物事のおかげです。相手から感謝される人は自分自身が周りに感謝している人。すべてに感謝し、豊かな人間関係を構築し、社会貢献していきます。
はじめに
みなさんは、日々、周囲の人に感謝を伝えながら過ごしていますか。
人に感謝を伝える時、意識をしていることはありますか。
今回のテーマである”周囲の人・物事すべてに感謝”というクレドについて考えたときに、私は改めて「感謝を伝える」ことにはどのような効果があるのか、自分が発している「ありがとう」は本当に目の前の相手に伝わっているのかを振り返りました。そして、より相手に気持ちが伝わる「感謝の方法」を意識し、周囲に伝えていきたいと感じました。
「感謝を伝える」ことへの意識
私は「ごめんね」の代わりに「ありがとう」を伝えることを、高校生の頃から強く意識しています。
私はそれまで、友人の助けを借りた際、「ごめんね」と伝えることが多くありました。わざわざ手をかけさせてしまって「申し訳ない」、自分に時間を使ってもらって「申し訳ない」と感じていたのだと思います。
しかしある時、どこで見かけたのかは定かではありませんが、
「ごめんね」は「ありがとう」に言い換えられる場面が多い。「ありがとう」と伝えた方が自分にとっても相手にとっても気持ちの良いコミュニケーションをとることができる。
というメッセージを見かけました。
このメッセージをきっかけに、私は自分自身が相手に何かを提供した時、相手から「ごめんね」と言われた場面を振り返りました。そして、「自分がしたことはむしろ相手にとって迷惑だったのではないか」と考えてしまったり、「逆に相手に気を使わせてしまったかな」と思うなど、自分が「良い」と思ってとった行動にマイナスな気持ちを持ってしまう場合があると気付きました。
それは自分が相手に「ごめんね」と伝えている際も同じです。自分自身は感謝の気持ちを持ちながら「ごめんね」と発しているのですが、受け手に感謝の気持ちはあまり伝わっていないでしょう。
そこで、「ごめんね」ではなく「ありがとう」を伝えることを意識しました。
誰かに何かを手伝ってもらった時、価値を提供してもらった時は「ありがとう」と伝える。伝える一言を変えるだけで、言葉を受け取った相手の表情は大きく異なることに気がつきました。
私は高校時代、さまざまな団体で活動を行っていましたが、どの団体においても、周囲の人の支え無しでは活動を続けることはできませんでした。
そして、周囲への感謝を日々伝え続けていったことで、「ごめんね」ではなく「ありがとう」が生まれやすい組織にすることができたと思います。
「ありがとう」が生まれる団体では、「より相手に価値を提供したい」と思い続けることができます。そして、相手に価値を提供し続けるメンバーが集まる組織は、互いに尊敬し合う強い組織になります。
しかし、「ありがとう」が形骸化してしまうとその効果は大幅に下がります。
それでは、どのような場面で、「ありがとう」は形骸化し、意味をなさないものとなってしまうのでしょうか。
「ありがとう」の価値を下げない
私は忙しい時、感謝を疎かにしてしまうことがありました。
自分が物事に追われている中相手に作業を頼んだとき、作業を実施してくれていることを当たり前だと感じてしまうと、雑なコミュニケーションの中で「ありがとう」を伝えてしまいます。
しかし、相手も自分と同じように忙しい中取り組んでいるはず。
相手が自分に対して何かをしてくれるとき、それを当たり前だと思わないこと。
この考え方を持つことが、非常に重要であると考えています。
そして、「当たり前ではなく感謝すべきことだ」と頭で考えるだけではなく、相手に伝えなければ、感謝の気持ちを相手に届けることはできません。
そこで、私は周囲に感謝を伝えるとき、以下のことを意識しています。
- 感謝の理由を伝える
- 「〜をしてくれてありがとう」「〇〇の〜が本当に助かった」
- 自分にとって相手の存在が重要であることを伝える
- 「〇〇のおかげで〜をすることができた」「〇〇の力が〜を動かした」
- 自分も相手の役に立ちたいという思いを伝える
- 「〇〇が困った時には言ってほしい。」「自分も〜であれば役に立てるかも」
忙しい中でも、一瞬立ち止まって伝えたい感謝の意味を考える。
単純に「ありがとう」と言葉を発するだけでなく、目の前の人に向けた「ありがとう」を発信することを常に意識しています。
感謝が周囲に与える影響
「ありがとう」という言葉には、どのような効果が存在するのでしょうか。
「ありがとう」という言葉を口に出すと、脳内から幸せホルモンのセロトニン、集中力が上がり意欲的になる幸福物質のドーパミン、絆ホルモンという別名でも呼ばれるオキシトシン、免疫力が高まるエンドロフィンが分泌されると言われています。
そして、言われた側は「ありがとう」という感謝の気持ちによって自身の存在意義を感じられたり、認められていると認識することができ、相手や所属組織に対して安堵感を抱くことができます。さらに、他の人から感謝され、認められた行動を繰り返していきたいという気持ちが働き、組織に対してより高い価値を提供していくよう行動します。
感謝したこと、感謝されたことを他のメンバーと共有することができれば、メンバー同士の相互理解も深まり、コミュニケーションが円滑に行われるでしょう。
「感謝を伝えること」は、「ありがとう」と発した自分自身、相手、そして組織全体をより良い方向へと動かすきっかけとなります。
さいごに
私は現在、en-courage早稲田支部というキャリア支援団体において、人事部署の責任者を務めています。部署には十数人のメンバーが所属しており、それぞれが多くの業務を抱えています。日々の活動において、忙しさから「感謝を伝えること」を疎かにしてしまいそうになる場面は多く存在します。しかし、忙しい中協働しているからこそ「ごめんね」ではなく「ありがとう」を伝えること。そして価値のある「ありがとう」をメンバーに届けることによって、メンバーが存在意義を感じ、安堵感を抱く組織を作っていきます。
相手に感謝の気持ちを伝えること。単純に発するだけでなく、相手に気持ちが伝わる「ありがとう」を発信すること。
一回の「ありがとう」を今よりも少し強く意識するだけで、自分自身や相手、そして組織全体にプラスの影響を与えることができます。私は一つ一つの感謝を大切に、そして丁寧に相手に伝えることによって、「価値を提供したくなる組織」を実現していきたいです。
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新着コメント
2022年09月30日
ただ感謝の言葉を発するのではなく、目の前の相手に向けて感謝を伝える。
とても重要だと感じるとともに、自分自身は実践できているのだろうかと考えされられました。
周囲の手助けを当たり前と思わず、感謝を伝える組織を実現するために、まずは私自身がこの記事の内容を実践していきたいと思います。
2022年08月16日
私自身「ありがとう」と感謝を伝えることを大切にしています。しかし川村さんの記事を読んだ後、自身を振り返ると「ありがとう」の価値を下げてしまっていた経験あることに気づきました。そのため、ただ「ありがとう」と発するだけではなく、「ありがとうの伝え方」を意識してコミュニケーションを取っていこうと思います。
川村さんのおかげで「ありがとう」に対する気づきを得ることができました。ありがとうございます。
2022年08月14日
自分自身、「相手がしてくれたことに、当たり前だと思わないこと」をわかっていても、つい疎かになってしまうことがあります。川村さんが周囲のメンバーとのコミュニケーションで「感謝」を大切にしていることが、今のODを作っているんだと、この記事を読んで改めて感じました。
川村さんのおかげで"ありがとう"の重要さに改めて気づくことができました。ありがとうございます。
早稲田大学 2022年09月21日
ごめんね、ではなくありがとうって言ってよ
これはよく、私が友人から言われる言葉です。
ついつい、「悪い」や「すまない」ばかり口に
してしまいますが、だいたい「ありがとう」に
言い換えられるなと最近感じています。
ですから、最近は「ありがとう」や「助かった」
少しおどけて「愛してるぞ!」などということで
感謝を伝えつつ場を和ませるようにしています。
小さな工夫ですが、効果ははかり知れないと
感じています。
最近とみに思うことですが、AIが代替できないのは
こうした小さなコミュニケーションの機微なの
かもしれません。忙しい時期ではありますが
こういう人間らしいコミュニケーションの工夫を
忘れずに活動していきます。
早稲田大学 2022年08月26日
私も、感謝することを大切にしています。上の立場に立てば立つほど、感謝の価値は大きくなると思います。より一層、メンバーに素直な感謝を伝える場面を増やしていきたいと感じました。
リーダーができていることも、メンバーのおかげ。メンバーに対する感謝の気持ちを忘れずに、今後もリーダーを務めていきたいです。
早稲田大学 2022年08月26日
記事を拝読し、「ごめんね」と「ありがとう」は言い換えられるという言葉にはっとさせられました。単に伝えるだけでなく理由を込めた伝わる「ありがとう」、私も意識せねばと気づかせてくれて本当にありがとうございます。