マネジメントは報告・連絡・相談の仕組みを作ること

今月の研修:報告・連絡・相談

はじめに

「報連相は必ずすること。」「報連相が出来ていない。」

学生時代から部活動の顧問や部長、プロジェクトのリーダーなど、多くの人が『報連相』という言葉を一度は聞いたことがあると思います。

しかし、「報告、連絡、相談。それぞれの違いを教えてください。」

こう尋ねられた時、自信を持って説明できる人はそう多くはいないかもしれません。

特に大学生の方々の多くは、改めて意味を考える機会はなかったと思います。

そこで今回は「報連相」の意味を改めて見直し、リーダーとして使いこなす方法について考えていきましょう。

報告・連絡・相談とは

まず、報告・連絡・相談が使われる場面について説明します。

ここでは、あなたはとある商品の販売を行う企業の責任者であるとします。

あなたの元に、部下が販売日に関する話を持ってきました。

  • 報告
  • 「商品を○月×日に販売します。」
  • 連絡
  • 「明日、商品の販売日時について会議をします。」
  • 相談
  • 「商品の販売日について、一ヶ月予定より遅らせるべきか、予定通りに進めるべきか、どちらにすするべきでしょうか。」

報告・連絡・相談の違いに気がつきましたか?

報告

「商品を○月×日に販売することに決定しました。」

このように部下から報告を受けた場合、上司であるあなたは、次にどのような行動をとりますか。

おそらく、「わかりました、その販売日時で進めましょう。」

このように、決定を承諾する返答を行うと思います。

この時に行われているのが、「決断」です。

「商品を販売する」という行動を起こすことに対し決断をし、上司であるあなたの返答を受けて部下は行動を始めます。

  • 報告=行動することに対して決断をする段階

「報告」には「決断」が伴うため、「報告」を行う際には果たして本当に「決断」ができる状態にあるかどうかを確認する必要があります。

多くの企業では一度行った「決断」を取り消し、修正することは簡単ではないはずです。

もし「決断」するための材料がない状態で「報告」をしてしまった場合、誤った「決断」をしてしまい、その後損害をもたらす可能性が発生します。

「報告」を行う際には、改めて「決断」できる段階にあるのか、相手は「決断」ができる状態であるのかを考える必要があります。

相談

「商品の販売日について、一ヶ月予定より遅らせるべきか、予定通りに進めるべきか、どちらにすれば良いでしょうか。」

このように部下から相談された場合はどうでしょうか。

この時、上司であるあなたのとるべき行動は

「一ヶ月予定より遅らせるべき」または「予定通りに進めるべき」、どちらで進める方が適切であるか、判断をすることであると思います。

  • 相談=次にとるべき行動に対して、判断をする段階

「相談」は「判断」の段階ですので、「決断」を行う報告よりも一段階前の段階になります。「相談」をした後に方向性を変えることは可能ですし、何度か「相談」を重ねることもできます。

適切な「判断」を行うためにはその材料となる情報が揃っていることが必要です。「相談」を行う際には、正しい判断をするための材料を揃えていく準備が必要不可欠になります。

連絡

「明日、商品の販売日時について会議をします。」

この場合はどうでしょうか。

連絡を受けたあなたは上司として何か判断、または決断を求められているでしょうか。

部下のこの発言について、あなたは特に考えることなく、事実として受け入れるでしょう。

  • 「連絡」=判断でも決断でもない

以上が報告・連絡・相談の意味と違いです。

報連相と一括りにされることが多いですが、必要な準備と場面は異なります。

リーダーとしてチームに報連相を浸透させる際は、リーダー自身が報連相の意味を正しく理解している必要があります。

現在活動

私は今、キャリア支援を行うNPO法人で人事領域のリーダーとして活動をしています。人事領域は「新規メンバーの育成」「既存メンバーのモチベート」を軸として活動しており、他の事業領域や団体をまとめる代表と密な連携を取ることが求められます。

人事領域が受け持つ業務の一つに”エントランス研修”があります。

エントランス研修とは、新規にジョインしたメンバーが一人前のメンバーとして活動できる状態を作り出すことを目的としています。

エントランス研修には、人事領域のみの意向だけではなく、全体の方向を決定する代表や他の部署の意向を盛り込む必要がありました。

しかし、思うように意思決定が進まず、予定通りにエントランス研修の作成を行うことができませんでした。

いざ「作成する段階」になっても十分な情報が集まらず、一度決定した後に他の部署から追加事項が入ることが多く、スムーズに形にすることができませんでした。

その結果、本来は1ヶ月で作成が終了するはずのところ、目に見える課題を解決するだけになり、根本的な問題解決に至りませんでした。

この原因の一つが、他部署との連携がうまくいかなかったことです。

報告・連絡・相談のどの段階に当たるのかを区別せずにコミュニケーションをとったことで、適切な判断と決断を行うことができず、確実な共通認識を持って取り組めませんでした。

この研修を受けたことで、他部署と連携を行う際に「報告・連絡・相談」のどの段階に当たるのかを明確にするべきであったと気付かされました。

今後、「報告・連絡・相談」の違いを明確化し、適切な判断と決断を行うことでプロジェクトを円滑に進めていきたいです。

組織のリーダーとして目指していきたい「報連相」の形

組織における「報告・連絡・相談」は2つのパターンに分けることができます。

  1. ロボット的に何でも報連相が行われる
  2. 状況を考えて報連相がされる

リーダーとして、どちらの状況の方が組織を動かしやすいでしょうか。大きな組織になるほど、②の状態が理想的であると考えられます。機会的に全てを報告・連絡・相談されていては、リーダーは必要な思考に時間を割くことができず、やがて組織は潰れてしまいます。

リーダーが目指すべき「報連相」の状態は②の報連相であり、その仕組みを整えることがリーダーとしての役割です。

私はこの研修を通して「マネジメントは報告・連絡・相談の仕組みを作ること」であると学びました。状況を考えて適切な報連相がされる組織では、リーダーが現場を把握し、組織として目指すべき方向性を示すことができます。不必要な工数を踏むことなく組織内でも連携がスムーズに行われ、スピード感と質を保ったアウトプットが可能になります。

リーダーとしてうまくメンバーと連携を取れず、組織を動かすことができていないと感じたら、今一度「報連相」が適切にされているか、振り返ってみてください。

  • マネジメント=報告・連絡・相談の場

研修で学んだこと

  • 「報告」とは行動することに関して決断をする段階である。
  • 「連絡」とは、決断でも判断でもなく、単に事実として受け止める段階である。
  • 「相談」とは、行動することに関して判断をする段階である。
  • 「報連相」は目的と相手を理解した上で実施するべきである。
  • リーダーは常にメンバーから報連相が行われる仕組みを作る。

この記事の著者/編集者

川村杏 早稲田大学 商学部4年/エンカレッジ早稲田支部 

早稲田大学商学部の4年生。
"新たな価値観を知りたい"という思いのもと、幼少期から多くの挑戦を重ねてきた。
大学時代は様々な方法で将来の進路に悩む中高生のサポートに力を入れてきた。大学4年時は自らができる価値提供先を増やしたいと考え、キャリア支援団体にて就活生の自立支援をおこなっている。団体においては人事部署のリーダーを務め、組織力の向上を目指している。

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