互いに尊敬し合えるチームを作る

クレド2 :互いに尊敬しあえるチームであれ

尊敬し合えるチームでなければ、最高のサービスは提供できない。プロ同士、互いに馴れ合いを排除する勇気を持って「尊敬される努力」と「尊敬する努力」をし続け、長所を生かし合えるチームを作ります。

チームメンバーを”尊敬する”

「お互いに尊敬し合えるチームは、理想的なチームである」

これはおそらく、誰しもが納得するチームの理想状態であると思います。

しかし、”尊敬し合えている”とは、どのような状態を指すのでしょうか。

私は、ここで、”尊敬”を以下のように定義したいと思います。

  • 尊敬:相手の存在と発揮している価値を認識し、その価値をどう生かすか考えられている状態

私は、全てが揃い、完璧な状態を常に維持している人のみが尊敬されるべきだとは考えていません。

チームのメンバーはおそらく誰しもが「長所」と「短所」を持っており、その「長所」となる部分を活かしてチームに貢献しようと行動していると思います。

また、「短所」と思っていてもそれが実は間接的にチーム力を向上させているかもしれません。

そのメンバー一人一人が発揮している「価値」を正しく認識し、その価値をより高めていく方法を共に考える。その行動こそが、「相手を尊敬している」ということであると、私は考えています。

つまり、「尊敬し合う関係」とは、「お互いを好きである」「仲が良い」とは意味が異なる訳です。

では、なぜ「お互いを好きである」「仲が良い」ではなく、「尊敬し合う関係」がチームにおいて重要なのでしょうか。

「単純に仲が良い」チームと「互いに尊敬し合えるチーム」の違いを説明していきます。

互いに尊敬し合えるチームであれ

単純に仲が良いチーム

例えば、「県大会優勝」を目指している野球チームがあるとします。

このチームに入会をする新メンバーは「優勝」というゴールに向かって志を高く持ち、熱心な練習に励んでいます。

しかし、入部して三ヶ月。

そろそろチームにも慣れてきて、チームメンバー同士でのコミュニケーションも活発になってくる頃でしょう。

しかし、徐々にチームの練習方法やメンバーの様子がわかってくると、入会当初に持っていた高い意識は薄れていくメンバーが増えてきます。

そのような状況において、単純に仲が良く”馴れ合い”が多いチームだと高い意識を持つメンバーは減少し続け、「積極的に練習に取り組まなくても何とかなる」という雰囲気がチーム全体に漂います。

理由は、意識が低く、最低限の練習をこなしている方が「楽」だからです。

「楽」を選んだメンバーが増加した結果、このチームは確かに「楽しい」「居心地が良い」チームではあるかもしれません。

しかし、「結果」を出せるチームではないことは明らかでしょう。

互いに尊敬し合えるチーム

上記と同様に「県大会出場」を目指している野球チームを想定します。

入部して三ヶ月。

チームメンバー同士の”長所”と”短所”が見えてくる頃だと思います。

その”長所””短所”はもちろんスキル面も含みますが、組織における立ち回りやメンバーとの関わりにおけるものも表れてくると思います。

互いに尊敬し合うことのできているチームでは、互いの”長所””短所”を認識し、その力を組織にて活かそうと考えます。

「彼は家庭の事情であまり練習に参加することができないが、毎回メンバーに報告と練習内容の確認を行なっている点は尊敬できる。」

「彼は走るのは速くないけれど、集合時間や提出期限などの約束をしっかり守っている。」

以上のようにチームメイトの”チームに貢献している”長所を認識することで、「自分も組織において価値を発揮したい」「自分だからできる役割を果たしたい」と考えるようになります。

この「長所の認識」こそがクレドの「尊敬する努力」にあたると思います。

尊敬し合うメンバーが増え、そのような雰囲気がチーム全体に漂うと、必然的にチームとしての総力が増し、練習にも真摯に向き合うことから結果を生むようになるでしょう。

過去の苦い経験

私は高校3年時、3学年合わせて約70人が所属する有志軽音団体の代表として経理業務を請け負っていました。

当時の組織は、今振り返ると”馴れ合い”を排除できず、尊敬し合うことのできていないチームだったと思います。

有志である軽音楽の団体がライブ活動を行うには、外部のライブハウスを借りる必要がありました。ライブハウスを借りるためには毎回約20万円の費用が必要でした。そのため、所属メンバー一人一人から確実に出演料を集めなければ、ライブを開催することができませんでした。

とある月のライブ開催日程の一週間前、運営側は集金が集まらず非常に苦労していました。

後輩には「払いたくない」「お金がない」と言われ、一向に資金が集まる気配がありませんでした。

このような状況に陥った理由は2点あると考えています。

一点目は、運営側の私たちが「尊敬される努力」を怠っていたことだと思います。

それまでのライブ活動において、後輩から「お金を払えない」と言われた場合、集金の必要性をしっかり説明せず、後輩との関係を崩したくないと言う思いから「後からでも大丈夫」と許してしまうことが多くありました。

また、資金の使い道の説明を連絡ツール上では開示していても、しっかり後輩に向き合って状況を説明する機会を持つことはできていませんでした。

二点目は、「尊敬する努力」を怠っていたことです。

集金に参加しない後輩に対して、「ライブ活動に協力してくれない存在」と見てしまい、半ば声かけを諦めてしまっていました。後輩にもよりますが、事前に「お金を集められないメンバーがいる」と報告してくれる後輩バンドのリーダーもいました。その姿勢を尊敬し、真摯に向き合っていれば背景に目を向け、共に最善の解決策を見出すことができていたかもしれません。

結局当時は、影響力のある他のメンバーの力を借りることによって開催日までに資金を集めることができました。しかし、一部の後輩とは「集金」を巡って距離ができ、一体感の薄れた組織のまま組織を引退することになってしまいました。

この経験を振り返って、私は相手に「尊敬される努力」そして、相手を「尊敬する努力」の重要性を痛感しています。

それでは、「尊敬される努力」とはどのようなものなのか、説明をしていきます。

尊敬される努力

「尊敬」とは、相手の存在と発揮している価値を認識し、その価値をどう生かすか考えられている状態であると定義して、ここまで説明を行ってきました。

では、「尊敬」されるためには、どのような努力が必要なのでしょうか。

私は、相手の長所だと感じる部分や組織の中で生かされている特徴を見つけ、それを自分の中に留めずに言葉にして伝えることが大切であると考えています。

そして、伝えられた人は、自身の長所を認識し、さらにその強みを活かしてチームに貢献していこうと思えるはずです。伝えてもらった人は、自分の長所に自信が持てるようになり、チームにより貢献できるようにさらに磨いていこうという気持ちが生まれるはずです。

さらに、自らも他の人に”尊敬している部分”を伝え、それが伝播していけば、チームとして”互いに尊敬し合えるチーム”を醸成することができると思います。

他の人の”尊敬できる部分”に目を当てている人は、それだけで組織に対して価値を提供しています。そして、必然的に自分の”尊敬できる部分”にも周囲から目線が行きます。自身の周囲から尊敬される部分を認識することで、より組織に還元していくことができるでしょう。そのサイクルが回った時、「尊敬される努力」に結果が結びついているということができるはずです。

まずは自分がチームメンバーに対して価値を発揮しようという姿勢でいることが重要です。

尊敬し合えるチームを目指して

私は現在、キャリア支援団体「エンカレッジ」に所属しており、人事領域を扱うセクションのリーダーを務めています。リーダーを務めるセクションのメンバーは10人を超え、一人一人の長所を組織に生かせる仕組みを作ることに非常に苦労しています。

まずは、自分自身が「尊敬される努力」と「尊敬する努力」をすること。これに取り組んでいきたいと思います。

具体的には、メンバーの尊敬できる部分を見つけ、それがどう組織に活かされているかを言葉にして伝えること。この行動を起こし続けることで、全員がメンバーの長所を認識し、高め合える雰囲気を醸成していきたいと考えています。

また、一人一人個別に伝えるだけでなく、セクション全体の場で共有し、メンバー全員でその長所を認識すること。「尊敬する努力」「尊敬される努力」をセクション内に伝播させ、後には支部全体に広げていきたいと考えています。そして、各々が卒業時の理想状態に向けて高め合える環境にしていきたいです。

エンカレッジを、より高い目標を達成し続ける強い支部にしていきたいです。

この記事の著者/編集者

川村杏 早稲田大学 商学部4年/エンカレッジ早稲田支部 

早稲田大学商学部の4年生。
"新たな価値観を知りたい"という思いのもと、幼少期から多くの挑戦を重ねてきた。
大学時代は様々な方法で将来の進路に悩む中高生のサポートに力を入れてきた。大学4年時は自らができる価値提供先を増やしたいと考え、キャリア支援団体にて就活生の自立支援をおこなっている。団体においては人事部署のリーダーを務め、組織力の向上を目指している。

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