準備を徹底し、信頼を得られる人財へ

クレド5:時間の有限性を理解する

限りある時間を有意義に活用するために、準備を徹底していきます。自分の時間を大切にしなければ、他者の時間も大切にすることはできません。他者(顧客・提携先・メンバー)の立場に立ち、一歩先を行くサービスを提供します。

はじめに

時間の有限性を理解する

皆さんは日頃、どれだけ時間の有限性を意識して行動していますか。

「時間がない」

「時間がなくて手が回らなかった」

このような言葉が、口癖のように出てくる人も少なくはないのでしょうか。

私も、「時間がない」が口癖になってしまっている人のうちの一人です。

このような言葉をつい口に出してしまう人は「時間の有限性」を理解していると思います。

しかし、「時間の有限性」を意識した行動は果たしてできているのでしょうか。

「時間がない」を防ぐために出来ることはないのか。

「限りある時間」をどのように使えばやるべきことを達成できるのか。

この記事は、そんな「時間の有限性」を意識した行動について考えていきます。

時間の有限性

皆さんは今まで、「時間の有限性」をどのような時に強く実感しましたか。

「限りある時間」を大切にできず、後悔した経験はありませんか。

私は「時間の有限性」を日々痛感していますが、特に以下の経験において強く実感しました。

受験勉強

私は中学・高校・大学と今までに3度受験を経験してきました。

小学校時代・中学校時代・高校時代、どの時期においても「受験本番まで残り少しなのに、今日は何も進めることができなかった」と後悔した日があります。

1日勉強に使ったはずなのに、なぜか手応えや達成感がない。

受験本番まで刻一刻と少なくなる残り日数を目の前に焦りを感じていました。

一方で、「今日の勉強は充実していた」「やるべきことを進めることができた」

と達成感を感じる日もありました。実際に同じ勉強時間を使っていても、取り組んだ学習量は多く、身に付いた実感もありました。

達成感を感じることができた日と感じることができなかった日。

この差は事前に1日の学習計画と目標を立てられていたかに違いがありました。

事前に取り組む教材と所要時間、どこまで終わらせるかといった目標を立てることができた日は、その目標が達成できた場合、大きな達成感と充実感を得ることができました。

一方、事前に計画と目標立てができていなかった日は「何に取り組もうか」と悩む時間が多かったり、優先度の低い教材に先に取り組んでしまうことも多くありました。

その結果、1日の終わりには「やりきれなかった」と物足りなさや後悔、焦りを感じることになったのです。

旅行

皆さんは旅行に行く時、事前に計画を立ててからいきますか?

それとも、行った先で巡る場所を決定しますか?

どちらの旅行スタイルにも良さはあると思います。しかし、限られた旅行日数の中で多くの場所を巡り、その場でしかできない体験をするためには、事前に行き先をある程度決めておき、巡るスケジュールを立てておくことが必要でしょう。

私自身、今年の夏は2回旅行に行きましたが、一つは事前に計画を立て、もう一つは行き当たりばったりの旅行をしました。

どちらも非常に楽しい旅になりましたが、多くの場所を巡り、旅の満足感が高かった方は事前に計画を立てて向かった旅でした。(行き当たりばったりの旅も、「また行きたい」と思え、素敵な旅でしたが・・・!)

そのため、私は旅行に行く際、「回りたい場所」や「多くの経験」を求めたいと考えるときは、事前に行き先をピックアップし、計画立てを行なっています

準備の重要性

受験勉強と旅行。充実感を得られた方の過ごし方には、ある共通点があります。

それが、「準備」です。

受験勉強では、1日の学習計画を事前に立てるといった準備を行った日の方が、充実感を得ることができました。

旅行では、出発前に行き先や巡るスケジュールを決めておくといった準備を行った旅の方が、充実感を得ることができました。

事前に準備を行ったかによって、その先の過ごし方は大きく変わります。

ここまで、この記事では自分自身の限りある時間を大切にするには準備が重要であるといった話をしてきました。

ここからは、「自分の時間」だけでなく、「他の人の時間」を大切にする方法について考えていきます。

客観的にみて、「準備ができている人」「準備ができていない人」どちらの人と、自分の「限りある時間」を共に過ごしたいと考えますか。

特に、仕事を共にする場面において、「共に仕事をしたい」と考える相手は、「準備ができている人」「準備ができていない人」どちらの人物でしょうか。

おそらく、「準備ができている人」と仕事をしたいと考えると思います。それは、「準備ができている人」はその人自身の時間だけでなく、「他の人の時間」を大切にすることができるからです。

私は「準備不足」によってお互いの時間を大切にできなかったと反省した経験があります。

準備でお互いの時間を大切にする

過去の経験

私は現在、キャリア支援を行うNPO法人にて人事部署の責任者を務めています。

責任者として、部署のメンバーと1on1を実施した際、「準備不足」によってお互いの時間を無駄にしてしまった経験があります。

責任者に任命されてからすぐの頃、部署のメンバーととあるプロジェクトの方向性を決めるため、1on1をする機会がありました。

事前に1時間を確保するため日程調整を行い、その1on1は時間通りに始まり、時間通りに終了しました。

しかし、1on1が終わった後、私の頭の中では「何も進んでいない、決まっていない」「すぐにでもまた話す時間を取らなければ」という考えでいっぱいでした。

実際に、1時間の1on1で得られた内容は、「お互いの状況」と「これから始まるプロジェクトに対する発散ベースの感想」のみでした。

しかし、1on1が終了した後「決めるべきであった」と頭に浮かんだ内容は「プロジェクトの目的目標」「実行に向けた計画立て」でした。

そして、本来決めるはずの上記二点を決めるため、1時間の1on1を実施した直後、再度1on1を実施するための日程調整を行いました。

痛感した準備不足

なぜ、終了直後に「何も進んでいない、決まっていない」と感じる1時間になってしまったのか。

それは準備不足が原因でした。

1on1に向けて十分な準備を行わずに始めてしまったため、議題の優先順位を付けられず、優先度が低いが話しやすい内容に話が向かってしまったと考えています。また、「1on1の目的が達成されたか」を確認できず「時間」で終了を判断してしまうことに繋がりました。

結果、お互いの限られた時間の中で1時間の1on1を実施したにも関わらず、その時間は実りのなく、勿体なかったと感じる時間の過ごし方となってしまいました。

1on1の1時間をより価値の高い時間にするためには、以下のような準備が必要であったと考えています。

  • 事前に1on1で話し合いたい議題を言語化し、相手に共有する
    • 相手にも共有することで、自分だけでなく相手も1on1に向けた準備を実施することができる。
  • 話し合いのゴールを設定する
    • 「この決断ができる状態になる」など、1on1を通して達成したい理想状態を設定する
    • →1on1の目的が達成されたかを確認することができる
    • 必要であれば自分の中で仮説を立て、言語化しておく。
  • 話し合う順番や所要時間、優先順位付けをする

現在は、上記のことを意識して1on1を実施しています。

そうすることで、お互いが1on1に目的意識を持った状態で参加することができ、議論自体も密度の濃い話し合いになります。また、必要な「判断」や「決断」が曖昧にならず、しっかりと行われた状態で1on1を終了することができるようになりました。

準備をする人が信頼を得る

どんなに優秀でも、準備ができていない人は信頼を得ることができません。

例えば、このようなメンバーを部下に持っているとします。

企画の立案をお願いすると、いつも新規性のあるアイデアや質の高い企画書を持ってくる。

しかし、仕事に関するmtgに遅刻し、十分な資料も用意されていない状態で出席したことが何度がある。

このような部下には信頼して仕事を任せることが難しいと思います。

確かに質の高い成果物を仕上げることができるかもしれませんが、期日までに完成することができなければ、その成果物はいくら質が高くても採用することはできません

「準備」は、自分の時間はもちろん、相手やメンバーの時間を大切にし、有効活用するために欠かせません。そして、「準備」を徹底する人に向き合う周囲の人もまた、「準備」を行い、互いの時間を価値あるものにしていくでしょう。

「準備」を徹底する人は、自分の時間を大切にします。同時に、相手の時間も大切にしています。そして、相手の時間を大切だと考える人は時間を守ります。

信頼を得られる人はどのような人物か。それは「徹底した準備」ができる人です。

共に、「徹底した準備」を心がけ、信頼・尊敬によって「共に仕事をしたい」と思われる人財を目指しましょう。

この記事の著者/編集者

川村杏   

早稲田大学商学部の4年生。
"新たな価値観を知りたい"という思いのもと、幼少期から多くの挑戦を重ねてきた。
大学時代は様々な方法で将来の進路に悩む中高生のサポートに力を入れてきた。大学4年時は自らができる価値提供先を増やしたいと考え、キャリア支援団体にて就活生の自立支援をおこなっている。団体においては人事部署のリーダーを務め、組織力の向上を目指している。

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