意見を述べない人は自分本位になっている?

今月の研修:アサーティブコミュニケーション

「あれ、もしかして俺批判されてる?嫌だな......」

「ホントは弁明しないといけないけどやめておこうかな......」

人に批判された際に、このような感覚に陥ったことはないでしょうか。周りに遠慮して自分の意見を言い出せない人は受身型の人です。

受身型の人は優しい人に見えがちですが、必ずしもそうとは言えません。

自分の意見を言い出せないのは、自分本位になっており、相手のことを考えられていないだけかもしれません。

この記事では、なぜそのように言えるのか、どう改善すれば良いのかを考えていきます。

伝え方にはクセがある

私たちがコミュニケーションをとる際に行う返答には、大きく分けて4種類のクセがあります。

アサーティブとは、相手のありのまま(権利)を侵害せずに、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやすく伝えることです。相手も自分も大切にしているコミュニケーションであると言えるでしょう。

攻撃型(aggressive)は自分の利益だけを考えた、一方的で強引なコミュニケーションです。相手に対して誠実な対応をとれていません。

受身型(passive)は自分の意見を十分に伝えられず、自分が損をしてしまうコミュニケーションです。自分に対して誠実な対応をとれていません。

作為型のコミュニケーションをとってしまう人は危険な状態にあると言えるでしょう。自分の意見を十分に伝えることが出来ずイライラがたまり、後に第三者を巻き込んで仕返しをしたり、自分の行動の幅を狭めてしまったりする可能性があります。

受身型は相手にも失礼!

受身型は自分の意見を言わず、相手の意見を優先しているため、相手に優しい対応と考えている人もいると思います。しかし、受身型は、自分本位になっており相手のことを考えられていません。

受身型の人が自分の意見を言わない理由を考えてみましょう。それは、自分が他人に嫌われたくない、今の雰囲気を自分が壊したくないなどです。

本当に相手のことを考えているのであれば、自分が嫌われてでもより実りあるコミュニケーションを取りたい、雰囲気を壊してしまっても間違いは訂正する必要がある、などと考えることが出来るのではないでしょうか。

知らず知らずのうちに相手を軽んじ、自分本位に行動してしまっているのが受身型なのです。私もこの研修を受けるまでそのことに気づけていませんでした。相手のことを大切に思うならば、自分をアサーティブに変えていく必要があります。

相手と自分は対等

受身型からアサーティブへと改善していく方法を考えていこうと思います。受身型がよく見られる場として運動部の先輩後輩の関係が挙げらます。

私自身、高校時代ハンドボール部に所属していたのですが、先輩の言うことは絶対であり、後輩は意見することを許されないという雰囲気がありました。

このような環境で先輩に意見するのは難しいと思います。しかし、このような環境でも相手と自分の利益を求めるならば、アサーティブなコミュニケーションをすることが求められます。そのためには、先輩と自分が対等な立場だと考える必要があります。

相手と自分が対等な立場だと考えられないのは、自分が相手より劣っていると感じているからではないでしょうか。年功序列の中で後輩は先輩に劣っています。しかし、相手が先輩であっても周りに恥じない量の練習をした、自分は誰よりも努力したと思えることが一つでもあれば対等な立場だと考えることが出来るのではないでしょうか。

例えば、私の所属していた部活では部の目標や練習メニューについて部員全員で集まり、話す会合がありました。この会合は先輩主導で進みますが、後輩も意見することが認められていました。しかし、実際に意見が出るのは先輩からがほとんどで後輩から意見が出ることはほとんどありませんでした。私も意見しない後輩の一人でした。

私の場合、シュート力には自信があり、シュート練習を自主的に行うこともありました。しかしまだまだ練習する余地は残っており、自分より練習に励んでいると思える部員が他にいました。自分は誰よりも練習に励んでいるという自信を持つことが出来ていなかったのです。自分を肯定することが出来るだけの努力をすることで、先輩に対する劣等感を拭い去り、対等な立場だと考え意見することが出来るようになるでしょう。

先輩も後輩も目標に向かって練習の質を高めていきたいという気持ちは同じです。だからこそ、お互いの成長を目指し、アサーティブに意見していくべきです。

今までの私は受身型な側面が強かったです。特に、目上の方と話す際にはその傾向が強かったです。今後は相手の利益を考え、相手と自分が対等な立場であると意識し、自分の意見をしっかり述べ、コミュニケーションをとるようにしようと思います。

これから研修を受ける方々へ

過去に他人と何かを決める際に、フェアでないと感じつつも承諾してしまったり、自分ばかり得したが良しとしてしまったりした結果、モヤモヤとした感覚が残った経験はないでしょうか。相手と自分を大切にしたいと思っているから、そのような感覚に陥ったのだと思います。この研修では、win-winな人間関係を目指すアサーティブコミュニケーションについて理解を深めます。相手と自分を大切にできるコミュニケーションを習得したい人におすすめの研修です。

研修で学んだこと

  • アサーティブとは、相手のありのまま(権利)を侵害せずに、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見をわかりやすく伝えること
  • アサーティブ、受身型、攻撃型、作為型
  • DESC法による伝え方

この記事の著者/編集者

長谷川拓志   

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

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