仕事で人のせいにする心理とは?責任転嫁をしない・させない方法

クレド8.人のせいにせず、常に自分ができること・できたことを考え、最善を尽くす

組織はフラットであり、常に全メンバーが危機意識を持ち、自分にできること・できたことを考え、改善。自分に都合の悪いことが起きても、人のせいにせず、自分にも原因を求め、サービスの質を高めます。

人のせいにする人の心理とは

まず最初に自戒の意味も込めて、人のせいにすることについて考えていきます。

何か物事が上手くいかなかった時、周囲のせいにして責任を免れようとしたり、何かと言い訳をして仕方ないと諦めたりする人がいます。本当は自分が悪いと分かっていても、なぜ人のせいにしてしまうのでしょうか。

一番の理由は責任を押し付けることで自分を守りたいからです。「運が悪かった」、「新人がミスをした」など、周りに責任転嫁をすることで自分を正当化しています。そうすれば責められることはない、今の立場を守れると思っているのです。このような人に「人のせいにするな」と言っても意味がありません。なぜなら、彼らにとっては人のせいにすることが一種の自己防衛手段だからです。では、周りにこのような人がいる場合、どのように対処していけば良いのでしょうか。ここでは、人のせいにする心理を3つのタイプに分けて考えていきます。

①責められるのが怖い

叱責されることを恐れる人は、何か不都合なことが起きた時、誰かのせいにしがちです。自分に非があることを認めてしまえば、重い責任が自分にのしかかってくると思っています。だから、責められないよう周囲に原因を見出すのです。

したがって、このタイプの人には強く問いただしたり、厳しく非難したりしてはいけません。そうではなく「なぜ上手くいかなかったのか」、「どうしたら改善できるか」などを一緒に話し合っていくことが先決です。そして、会話の中でミスを認めることの大切さに気づかせましょう。人のせいにせず、しっかりと自分の中で受け止めることで反省ができます。きちんと反省することで同じようなミスを防げますし、業務改善や効率化も図れるかもしれません。そうすれば、必然的に責められることも減るでしょう。

失敗や間違いは誰にでもあります。ミス自体は悪ではありません。ただ、ミスをした後の行動が重要で、これを活かさないことこそが悪なのです。
このことが分かれば、おのずと人のせいにすることはなくなるでしょう。

②責任感が弱い

自分のミスを他人がカバーしてくれる環境にずっと身を置いていた人や、言われたことだけをやる受動的な人は責任感が弱い傾向にあります。「自分は責任を負うべき立場ではない」と思っているからこそ、他人に責任を押し付けてしまうのです。

このような人は、そもそも責任転嫁をしているという自覚がありません。まずは状況を一つ一つ整理して、責任の所在を明らかにしましょう。そして、仕事の意義や自身の役割について再認識させることが必要です。「誰かがやってくれるだろう」と思っていた人は、このように目的・目標を明確にすることで当事者意識を持つことができます。
また、「○○さんにこうやれと言われたので……」という受動的な人には、自身の役割の確認と共に、最終決定権を持つのは自分であることを自覚させる必要があります。言われたことをそのまま行うのも、別の提案をするのも、あるいは反対することもできるのです。他者は行動のすべてを支配できるわけではありません。自分の行動を最終的に決めるのは自分自身しかいないと気づかせましょう。

こうして自立心を養うことが、責任感ある人間へと成長する第一歩です。

③プライドが高い

高い能力を持つ人や重要な立場にある人の中には、自分が正しいと信じて疑わず、そのせいで周りに責任を追及してしまう人がいます。あるいは、自分が間違っていることに気がついても、他者からの評価を気にするあまり、責任逃れをしようとする人もいます。このような人は、保身に走って全く非のない人に濡れ衣を着せたり、周囲に圧力をかけて黒を白に変えたりすることがあるので、特に注意が必要です。また、社会的地位が高い人の場合は、このように悪質な責任転嫁も成功しやすいので、対処する時はそれなりに時間をかけて準備をしなければなりません。

最も望ましいのは、組織としての一体感を作ることです。社会人であれ、学生であれ、誰しもが何らかの組織に属しています。したがって、個々人の組織に対する帰属意識を高めて、一体感を作り出すことができれば、考えなしに責任転嫁をすることはなくなるでしょう。責任の多くは組織全体で共有するようになるうえ、個人のプライドだけでなく組織としてのプライドを育むことができるからです。
そのための取り組み例として、お互いのことをよく知る機会を設けたり、組織としての目標と個人の目標をそれぞれ設定したりすることが挙げられます。

しかし、それでも変わらなかった場合は強硬手段を取ることも考えなくてはならないでしょう。
メール等でのやり取りや、場合によってはボイスレコーダーによる録音など、形に残る客観的な事実を用意する必要があります。また、周囲の協力も得られた方が良いので、事前の根回しも入念に行います。

このように言い逃れができない状況を整え、改めて事の重大さや正当性を理解させることができれば、責任転嫁をすることはなくなるでしょう。

誰かの「せい」ではなく「おかげ」と言える人間に

誰かと協働するうえで「人のせいにしない」ことは非常に重要なことです。全員が当事者意識を持ち、自分の中に原因を探し求めれば、おのずと仕事やプロジェクトのパフォーマンスが上がります。ここまでは人のせいにさせない方法について述べてきたので、最後に人のせいにしないための考え方を見ていきましょう。

自分に原因を求めることは意外と難しいものです。確かに、自分の長所と短所を聞かれた場合、短所の方がすぐ見つかるという方も多いでしょう。しかし、それが本質とは限りません。本当の欠点とは自分ではなかなか分からないものなのです。自分では気にしていなかったのに、思わぬ欠点を指摘されて唖然とした経験はありませんか?

自分のことを客観視するのはとても難しいのです。そのため、自分の中であれこれ模索するよりも、外に目を向けた方が新たな気づきを得られることが多々あります。「人の振り見て我が振り直せ」といわれるように、他者の行動を通して自らを省みることが大切です。これは良いところも悪いところもすべてに当てはまります。

たとえば「○○さんの作業の仕方は非効率的だ……よく考えたら自分の作業にも似たような無駄がある」と他者を鏡のようにして欠点に気づくこともできれば、「あの時○○さんは何度も上司に確認や相談をしていたな……自分ももっと綿密にコミュニケーションを取ろう」と他者の良いところを取り入れることもできるのです。

自分にできることを考えたり、何かもっとできたことがあるのではと反省したりする時は、内側にばかり意識を向けず、周りをよく見てみると新しい発見が得られます。結果として仕事の質やサービスの価値を高めることに繋がります。

こうなると、もはや人のせいになんてできませんね。むしろ「おかげさまで」という言葉の方がしっくりきます。

マイナスな面ばかりを見る「せい」より、プラスの面を見る「おかげ」の精神でいた方が、心持ちも楽です。人間関係も上手くいくでしょう。
気持ちよく物事に取り組み、最大限の成果を出すために、いつでも「おかげさま」の心を忘れず持ち続けたいですね。

この記事の著者/編集者

久保井美愛   

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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