プロジェクト化で成功へ~学生のうちから活用しよう~
2021.11.02
今月の研修:プロジェクトマネジメント
「プロジェクトは身近なものではない」と思う方も、特に学生の方だといるでしょうか。でも実は、みなさんもプロジェクトとして取り組むべきことを持っているはずなのです。
プロジェクトとは、新しいものを生み出すもので、期限があるものとA&PRO では定義しています。つまり、期限を決めて、今の自分にはないものを生み出すことを目標にした取り組みは、プロジェクトになるということです。
学校の成績を上げることや、ダイエット、部活やサークルの勧誘、などの身近なこともプロジェクトとして取り組むことができます。
この記事では、プロジェクト化するとはどういうことか、ダイエットを例にあげて紹介しています。
みなさんがプロジェクト化して取り組みたいと思える何かを見つけ、この記事がその成功への足掛かりになることを願っています。
目的・目標と期限を決める
目的・目標
冒頭でも述べましたが、プロジェクトとは、新しいものを生み出すもので、期限があるものとここでは定義します。新しいもの=今はない価値、と言い換えるとわかりやすいでしょうか。まずは、よりよい自分になるには、どんな価値を持ちたいかを考えます。
見た目、知性、体力、コミュニケーション能力、人脈、、、などなど、思いつきましたか?
これをプロジェクトの目的とします。なぜ、その価値が欲しいのかということとセットで押さえておきましょう。
例えば、「挑戦したいファッションのために痩せたい」といったように考えると、これもプロジェクトの目的となります。
次に目標を定めます。目標は、目的の達成を測る指標です。目的を、具体化、定量化したものが、目標となります。
ダイエットの例だと、体重がわかりやすい指標でしょう。「体重を5㎏減らす」というように目標が立てられますね。また、着たい服を予め用意しているのであれば、「この服を着られるようになる」ということも目標になります。
期限
プロジェクトとは、新しいものを生み出すもので、期限があるものでした。
新しいものを生み出すということについて、目的・目標で定めました。次は期限を設けましょう。
そして、なぜ、その価値が欲しいのかを踏まえて、期限を決めます。
例えば、「挑戦したいファッションを着たいのは3ヶ月後だから、3ヶ月で目標体重の-5キロを達成する」というように決めましょう。
プロジェクトの不確実性を知る
「目的と期限が定まったから、早速それに向かってまっしぐら!」と取り組んでも、なかなかうまくはいきません。計画を立てても計画通りにいかない、そもそも計画が立てられない、ということがしばしば起こります。
プロジェクトのはじめ、とっかかりの時点では、不確実なことが多いからです。必要な時間やお金、体力などのコスト・負担について、目標達成への効果についてなど、分からないことが多く、プロジェクトを進めるうえで、困ってしまうことがあるでしょう。
期限内に目標を達成するには、プロジェクトの不確実性を知り、その対策を考えなくてはいけません。
そこで、計画を立てる上では、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
- 事前準備
- 仮説検証
- 余裕を持たせる
それぞれ説明していきます。
事前準備
不確実なものをはじめから減らす取り組みです。
情報を集めること、過去の経験や他の人の経験から学ぶことなどが挙げられます。計画を立てる前の事前準備で、不確定要素を減らせると、プロジェクトが進みやすくなります。
ダイエットであれば、どの程度の運動でどれくらいのカロリー消費が期待できるか、などは調べて予想が立てられるかもしれません。また、自分がどれくらい運動に時間を割けるか、といったことについては、過去の経験からの推測や、友人の経験談などが役に立つこともあるでしょう。
仮説・検証
不確実なものを徐々に減らす取り組みです。
不確実だからやらない、とプロジェクトを進めないのはいけません。仮説を立て、実行し、仮説が正しいか検証する、そしてまた仮説を立て、実行、検証、と繰り返すことで、不確定要素をだんだん減らすことができます。
ダイエットをするとき、「どの運動が効果的なのかわからない」、「効果的じゃないならやりたくない」、などと考えて、何もしないのはいけませんよね。先述の事前準備の段階で集めた情報をもとに、「水泳を1時間やる日を週2日持てば、消費カロリーとして十分な効果がある」などと仮説を立て、まずは実行してみましょう。
そして実行しっぱなしでなく、1週間後、2週間後など、検証する機会を忘れずに設けなくてはいけません。仮説が正しかったか否かだけでなく新たな気づきを得ることもあります。例えば、「筋肉痛が生じてしまい、次の日の活動に影響がでてしまった」とか、逆に「運動後はぐっすり眠ることができて寝起きが良くなった」など、やってみないとわからないこともあるでしょう。
余裕を持たせる
不確実なもののための余裕を持つということです。
予想より多くのコストがかかることを見越した計画が必要になります。ギリギリの計画では、不確定要素をもったまま、プロジェクトを突き進めることとなり、失敗のリスクが上がります。
先ほどの例の続きで考えると、運動時間や運動をする日数を自分の限界ギリギリに計画してしまうと、仮説通りの効果が得られないこと、筋肉痛や病気で体力的にかなわないこと、仕事や学校での課題に追われて時間が捻出できないこと、など困ったことが起きた時に、対処できなくなりますよね。また、ギリギリの計画で回らなくなると、十分な実行・検証ができず、不確定要素を残したまま(選択した運動に効果があるのかわからないまま)でいる状態が続いてしまいます。
そうならないように、選択の余地(他の運動の候補)を残すこと、時間的余裕(予備の時間、日程)を持つことなどが必要になってくるのです。
できる限り具体的に計画する
不確実性を減らす3つのポイントを押さえた後は、いよいよ計画を立てる段階です。
見出しにある通り、できる限り具体的に計画するべきですが、そのための工夫を2つここでは説明します。
大きくやるべきことを考え、徐々に細かくする
やるべきことをまずは大きくいくつかにとらえ、それに必要な行動、さらにそれに必要な行動というように、徐々にやるべきことを細かく、樹形図のように考えていきます。やるべきことが具体化され鮮明になるでしょう。
ダイエットであれば、食事と運動の大きく2つのアプローチが考えられます。以下に食事の工夫を考えた具体例を示しました。
重要性・時系列を考える
樹形図のようにやるべきこと書きだすと、想像以上にやるべきことがあったのではないでしょうか?
たくさんのやるべきことを計画に落とし込む際には、重要性と時系列が大切になります。
まず書き出した行動の重要性を考えます。プロジェクトの目的・目標に大きく近づくものの順と言い換えることもできるでしょう。
注意してほしいのは、必ずしも重要性が高い順に計画に落とし込むのではないという点です。次に時系列を考えなくてはいけません。
これに取り掛かかるためには、先にしなければならないことがある、といったことがあるでしょう。この関係が時系列です。重要性が低くても、手順上、先にやらなくてはならないことがあるという状況は、たびたび生じます。
先ほどのダイエットにおける食事の工夫の例を考えると、献立>食事の回数 と重要性を考えたとしても、先に食事の回数を決めないと、1回の食事で必要となる、食費・カロリー・栄養がわからず、献立を考えることができませんよね。
重要性に気づかず思いつくままに計画を立てても、時系列に気づかず重要視する順に計画を立てても、成功につながる計画は立てられません。重要性と時系列をきちんと考えましょう。
これから研修を受ける方々へ
プロジェクトにしたいものは見つかりましたか?
目的・目標と期限を決めること、これがプロジェクトのスタートラインです。
スタートラインに立ったら、プロジェクトとして取り組むコツを学んでください。
私の記事では、プロジェクトの不確実性と、具体的に計画を立てることについて述べましたが、研修では、他にもニーズやサービスについて、など学びました。他のメンバーの記事からも学べることが多くあるので、ぜひご覧ください。
みなさんが目標達成に向かって一歩踏み出すことを応援しています!!
研修で学んだこと
- プロジェクトとは、期限を決めて新たに作りだすもの
- 目標、計画、実行、測定、分析・計画の改善という流れ
- プロジェクトの始まりは不確実性が高い
・事前準備で不確実性自体を下げる
・まず仮説を立てて行動し、徐々に不確実性を下げる
・バッファを作る - 課題ログを作るべき
- ニーズの聞き出し方
・質問を考える段階で、必要な情報が聞き出せる機会があるのなら活用する。
・聞きたい情報を聞き出すための準備を怠らない、念入りにすることが大切。顧客の共感を得るためにも必要。 - ニーズとサービス関係性(QFD)
いくつかのニーズを満たすためのサービスを考えた時に、サービス同士が効果を打ち消し合うような、矛盾する関係性を持つことがあるので要チェック。 - 年間計画の立て方(WBS)
・具体的に落とし込むことが大切。
・目標、目的意識をもって計画を立てる。
・優先順位、時系列を考え計画を立てる。
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新着コメント
2021年11月06日
非常に実践的ですね!プライベートなことでもプロジェクトとしてみると、より達成しやすくなるように感じました。目的だけ定めて不明確なことだらけのまま進める......というのは良くありませんね。きちんと情報収集・仮説検証を行いながら進めたいものです。