地道な仕事が、質の高いサービス・顧客の感動を作り上げる

クレド3.目配り・気配り・心配り、常に相手の立場に立つ

尊敬し合えるチームでは企業理念を判断基準とし、目配り・気配り・心配りの質を高めていきます。些細なことにこそ敏感に気づき、周りに共有することで、スピード対応に繋げます。相手(顧客・提携先・メンバー)の立場に立ち、一歩先を行くサービスを提供していきます。

地道でも顧客に届く気配り・心配り

「どうしたらお客様が感動するような体験を提供できるか。」

自分がサービスを提供する立場であれば常に念頭に置きたい問いの一つです。
この問いに対し、とにかく派手で奇をてらったような演出を思い浮かべる方もいるかもしれません。確かに、サーカスでの炎を使った大迫力の芸などは感動的なものです。しかしそのような演出は一朝一夕にして作り上げられるものではなく、地道な努力により成立していることは想像に難くありません。

私は以下に述べる自身の経験から、顧客の感動につながるのは単なる派手さではなく、サービスの受け手を思い、気配り・心配りを行って準備したものかどうかだと考えます。

劇中の日本語字幕

以前、友人が所属する都内私立大学の英語サークルが行うミュージカル劇を観に行きました。会場は80名ほどが入ることのできるスタジオで、3時間の劇が前半後半に分かれて行われました。

公演には劇の部分とミュージカル(歌に合わせて劇が進行する)の部分があり、10名ほどで演じていましたが、会場で配布されたパンフレットに各登場人物のプロフィールや、約20ある曲についての説明がなされており、初めてストーリーを知った私でも楽しむことができました。

しかしそれ以上に、劇中での字幕の演出に気配り・心配りを感じ取り、おかげで没頭して劇を鑑賞することができました。というのも、英語で進行する劇に対して、舞台上部のスクリーンに、プロジェクターによって日本語字幕が映し出されていたからです。

「英語の劇なんだから字幕がついているのは当たり前だ」と感じたでしょうか。

確かに、洋画に字幕が付いているのは当たり前と感じるかもしれません。事前に映像が完成している洋画ですら、長時間の映像に一つひとつ字幕をあてる作業は地道で大変なものです。私も最近、YouTube等にアップロードする動画を編集しているクリエイターが、字幕を付ける大変さを語っているのを聞いたことがあります。

しかし、リアルタイムに進行する劇に字幕をあてるには、何百枚というスライドを準備するだけでなく、公演中には英語を聞き取り、適切なタイミングでスライドを切り替えることを、上映時間の3時間にわたって行う必要があります。後日友人に尋ねたところ、やはり字幕の準備と切り替えで結構な人員と労力がかかった、とのことでした。

もちろん、出演者は膨大な量のセリフや歌詞を覚えなければならなかったでしょう。劇の内容だけでも、同じ大学生とは思えない迫力ある演技に圧倒されました。同時に、演技に合わせ観客が字幕を読み始めるタイミングを見計らい、適切なタイミングで字幕を切り替え続けることが、観客の作品への没入感を作り上げていると感じました。字幕なしには物語についていけない人も多かったはずです。

地道さから逃げない

最初にもお伝えしたように、観客に感動を与えるというフレーズを聞くと、一見派手な演出を想像する方もいるかもしれません。しかし、先程の字幕のように、地道な作業や裏方的な存在によって大いに支えられているサービスは、考えてみれば至るところに見つけることができるのではないでしょうか。

私も、感動的な体験を提供したければ、派手な演出にこだわらず、地道であろうと必要なことを考えて行うということを意識していきます。

この記事の著者/編集者

田村稔行 早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科  

高校時代から英語の部活、サークルでの活動を続けており、大学では理工学部生向け英語サークルの代表を務めました。
更に、大学1、2年生がキャリアついて考える機会を提供すべく、大学生向け就活支援の学生団体「エンカレッジ」で活動。記事執筆やSNSの運用を行っています。

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