連載ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

人生で最も本気で取り組んだ避難訓練

今月の研修:災害時・緊急時の対応

いま、あなたはオフィスで働いています。
他のメンバー十数名も同時に働いています。
顧客も打ち合わせのためにオフィスを訪問しています。
そんな中、激しく揺れる地震が来ました……!
あなたはどうしますか?
あなたに何ができますか?

私が現場責任者!

今回の研修では「災害時・緊急時の対応」について学びました。いえ、正確には「災害時・緊急時の対応」ができるよう全力で取り組みました。

小学校、中学校で行われる避難訓練は多くの場合、予め日時と時限が予告されます。「明日の2時間目は避難訓練が入るから授業はあまり進めません」といった具合に。私語をしたり、笑いあったりする人もいて、緊張感がなく命の危険を全く感じさせないこの避難訓練にどんな意味があるんだと当時の私は不満に思っていた記憶があります。

しかしA&PROの本研修は、緊張感に満ちているという点で小中学校の避難訓練とは全く異なります。緊急時にはマニュアルを読んで対応している暇などないという前提で、メンバーの全員が地震発生から安全地点に至るまでの流れを本気で再現します。なぜ本気で取り組むことができるか、それはメンバーの命を預かっているという責任が主体性を生むからです。学校の避難訓練との決定的な違いはここで、生徒として受ける避難訓練は受動的なものだったと思います。

研修内で学んだ、地震発生後に行うべき「地震対策5行動」は次のとおりです。

  1. 安全確保・出口確保:机の下に潜るよう指示し、可能であれば逃げ道を確保。現場責任者をこの段階で決定する。
  2. 安全確認:その場にいる人自身または周囲から、その安全を確認する。「無事です」は「人を助けられます」の合図にもなる。
  3. 情報収集・避難準備:避難経路や火災発生、建物倒壊の有無を確認し、その場の人をいつでも避難させられる状態にしておく。
  4. 一次避難:移動後には点呼。行方不明者がいる場合には捜索班を置く。
  5. 二次避難:必要に応じてマニュアルを見ながら対応。

このうちで最も重要であると私が考えるのは「現場責任者の決定」です。もし現場責任者が曖昧だった場合、現場の人は誰の指示に従えばよいかわからず戸惑い、机の下に潜るという大切な初動をとらないかもしれません。また、火災・停電などの二次災害にパニックを起こす人が出てくるかもしれません。しかし、現場責任者が机の下に潜るよう指示を出し、安全確認等の5行動を積極的に行えば、その場にいる人たちは安心できることでしょう。

先ほどのオフィスで働いているという前提のあなたの話に戻りましょう。
私が望むのは、この記事を読んでくれているあなたが、強い地震が起きたときの現場責任者になると想定することです。
オフィスに常に上司がいるとは限りません。あなたが現場のトップになることは大いにあり得るでしょう。
そして現場責任者に名乗り出た後、もう1つ大切なことは、自分1人で全てをやろうと思わず、仲間の助けを借りることです。避難経路の確認、出口の確保、救護セットの持ち出しなど、全て1人でやろうとすると現場から目が離れてしまいます。現場の誰かに声をかけ、助けを求めるのが良いでしょう。
現場責任者を担いますと宣言したあなたの勇敢な姿を見た現場の人間が、誰も手伝おうと思わないなどということはあり得ないはずです。仲間の助けを借りれば、あなた自身も落ち着いて5行動をとることができるでしょう。

これから研修を受ける方々へ

いつ地震が起きてもその場を執りまとめ、皆の安全を最大限守ることができるという状態にしておくためには、訓練と定期的な見直しが必要です。本研修ではその第一歩である訓練を本気で行うことができます。それは、周りのメンバーたちも同様に本気であり、また「誰か代表者にやってもらいましょう」などという手ぬるいものではなく、全員がリーダーを担ってメンバーを率いる練習をするからです。私と同様に、これまで受けてきた避難訓練にどこか満足のいかない人にはぜひ受けてほしいと思います。

研修で学んだこと

  • 地震対策5行動
  • 災害・事故等の緊急性に基づく分析
  • 災害・事故等の遭遇率と重要性

この記事の著者/編集者

藤原穫 東京大学 薬学部  

秋田県出身。高校時代は強豪校でバドミントンをしていました。大学に入ってからは民族舞踊に励み、4年生になった現在は薬物動態の研究をしています。趣味は旅行。死ぬまでにすべての温泉地を回りたいと思っています。これまで複数の組織で培ってきたリーダーシップに磨きをかけるべく、A&PROでの研修に励んでいます。

この連載について

ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

連載の詳細

頭で理解するだけでは不十分。参加者自ら実践し、習慣化するまで責任を持つ30の研修プログラム。各クライアントの課題・ニーズに合わせて個別に設計。

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