判断に迷ったとき、立ち返るべきところ
2020.03.14
自分たちの行動指針に基づき、無形サービスの質を高める
■今月の研修 サービス理論(基礎1)
今回の研修では、目に見えない商品を扱う無形サービスについて、その特徴・品質を決定づける要素を学んだ上で、いかにして無形サービスの品質を向上させることができるかについて話し合いました。そんな中、特に私自身まだまだ向上の余地があると感じたことが、判断に迷った際、自分たちの行動指針をベースに思考・行動をするということです。
無形サービスの1つの特徴として、サービスの生産と消費が同時に行われる、という点が挙げられます。例えば学習塾では、生徒に数学の公式を紹介すること(生産)と、生徒が公式を学ぶこと(消費)は同時に行われます。そしてこうした無形サービスには、提供者が消費者の様子を見ながら適宜サービス内容を選択・改善できる、というメリットがある一方、1度提供してしまったサービスを取り換えることはできない、というデメリットもあります。
そして、無形サービスの提供者の腕が試されるのが、マニュアルだけでは対応できない初めてのケースに直面した場面だと考えます。実際私は、直営塾ヘウレーカの教室運営責任者を務めている時間帯に、自習予定のない生徒が間違えて来塾してしまう、というケースに遭遇しました。生徒が自習をすることを認めるのか否か、塾と生徒の間で交わしたルールや、普段の生徒の振る舞いなど、考えるべき要素はたくさんあります。その中で、結果として私は最終的な判断を下すことなく、上司の判断を仰ぎました。
その後上司からは、今回のケースは教室運営責任者である私自身が判断を下してよいケースだった、とのフィードバックを頂きました。実際直営塾ヘウレーカで取り入れている「STAGE」と呼ばれるスタッフの行動指針には、“責任・権限・義務を活用したヘウレーカスタイルの実践”という項目があります。与えられている権限を最大限活用して対応する、という視点が私には足りませんでした。
繰り返しになりますが、無形サービスは、生産と消費が同時であるがゆえ、一度提供したサービスは取り換えることができません。しかし一方で、私たちサービス提供者・顧客の双方が初めて遭遇するケースにおいて、臨機応変かつ顧客にとって満足のいく対応ができれば、顧客からの更なる信頼獲得、ひいては、企業ブランドの向上に繋がります。そして、こうした対応に不可欠なのが、 自分たちの行動指針をベースに思考・行動をするということなのではないでしょうか。どれだけ想定を重ねたとしても、全て想定通りというわけにはいきません。
判断に迷ったときほど、自分たちの行動指針に立ち返る。社会人として実践すべき大切な心構えを、身をもって学ぶことができた経験でした。
これから研修を受ける人へ
今回の記事でのキーワードである「行動指針」という言葉には、普段の学生生活のなかではあまり触れることはないと思います。大学生のうちに、こうしたことを大切にしている組織で経験を積みたい方はぜひ1度、1DAY就業体験へお越しください!!https://apro-c.co.jp/data/
研修で学んだこと
- 無形サービスの4つの特徴(無形性・非分離性・変動性・即時性)
- 有形サービスと無形サービスは、完全には分離されない
- サービス品質を決める7つの要因
本田花