「責任を取って辞任」「責任を全う」この違いとは?

■今月の研修■ 『責任・権限・義務』

権限・義務の整合性を保ってこそ、理想の上司

『責任・権限・義務』のそれぞれが一体何なのか、またそれらがどのように関連しているかを正しく理解したうえで“運用”できるようになることが、5年後10年後の自分にとって必要不可欠である。自分は今回の研修を通じてこう感じました。

 まず責任・権限・義務について簡潔に説明します。責任とは、あるミッションを計画通りにやり遂げることであり、そうした目的遂行のために必要なツールが権限、そして権限をもつのと同時に発生する守るべきルールが義務です。研修中の料理の例を引用させていただくと、誰かのために美味しい食事を作るという責任を持つ人には、料理のために包丁を使用する権限が与えられるが、同時に包丁を安全に使うという義務が発生する、といったイメージです。権限を付与されたのならば、必ずそれ相応の義務を果たさなければならないという、いわば当たり前のことを改めて考え直すことが出来ました。

 そして将来的に部下をもちチームを動かす立場になると、責任・権限・義務を適切に運用することが求められます。ここで大事なのが、部下がもつ権限・義務の整合性だと考えます。もし権限に比重がかかりすぎてしまうと、場合によっては組織全体に損失を与えかねません。例えば、仕事の進捗状況を逐一報告するという義務を部下が怠った場合、間違った方向のまま仕事が進行してしまい、リスク管理ができません。一方部下に権限以上の義務ばかり課してしまうと、仕事の自由度を奪うことになり部下のモチベーション低下につながる可能性があります。以上のことから、責任ある仕事を担う部下が持つ権限と義務の整合性を保つことが必要です。

 ではこうした力をつけるために日々できることは何なのか?それは、現在の自分にどんな権限が与えられていて、それに伴い発生している義務は何なのかを逐一意識して行動することだと考えます。例えば生徒の授業を行うという責任ある仕事には、その授業を設計する権限が与えられるのと同時に、その進捗状況や次回に向けての計画を上司に正確に報告するという義務があります。こうした意識・行動を徹底することで、目の前の仕事を全うしていきます。そして将来的に部下を抱えた際には、部下に適切な権限を与えるとともに、それ相応の義務を部下自身に考えさせ実行させられる上司になります。

まだこの研修を受けていない人へ

 この研修は、普段ニュース等でよく目にするシーンを題材にしながら、『責任・権限・義務』について改めて考え直すことが出来ます。例えば、不祥事を理由に”責任を取って”辞任する企業の経営陣の会見を見て、読者の皆さんは何を思うでしょうか?以前の自分は、型通りのお決まりの会見だとしか思っていませんでした。しかし今回の研修で責任は全うするものであると学んだことで、こうした会見で引責辞任する経営陣は本当に責任を全うしていると言えるのか、と考えるようになりました。社会人になる前の段階で学ぶことがとても重要な内容満載ですので、読者の中でも特に大学生の皆さんの参加をお待ちしております!

研修で学べた事(キーワード)

  • 責任は取るものではなく、持つもの・全うするもの・果たすものである
  • 権限と義務は対になる
  • 権限は付与されるものである
  • 想定外の事にも対応できる状態でいることが、責任を果たしている状態
  • 判断力と決断力の度合いによって、人は『人財・人材・人在・人罪』に分けられる

この記事の著者/編集者

萩原佑太 早稲田大学 基幹理工学部  

高校まで10年間野球に打ち込み、一浪の末、早稲田大学理工学部へ

大学では、個別指導塾や引っ越しアルバイトを経験後、大学2年次からA&PROに所属している

A&PROでは塾講師を務め、4年次からはキャリア支援の学生団体にて顧客開拓部署のリーダーも務める
現在はA&PROと学生団体とのコラボプロジェクトに取り組み、日々相乗効果を目指し奮闘中

趣味はカラオケで、全国採点1位を獲得したことも!

最新記事・ニュース

more

「メラビアンの法則」や「真実の瞬間」と向合い、各メンバー自身がブランド形成の重要要素であることを自覚していきます。 「目配り」「気配り」「心配り」の各段階を理解し、「マナー」「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の違いについて研究。 「マニュアル」「サービス」を理解・実践するのは当然。 「ホスピタリティ」「おもてなし」を顧客・メンバーに提供したいリーダーのための研修です。

島元 和輝 荒 諒理 川瀬 響 3Picks

行き過ぎた完璧主義は仕事を停滞させるだけでなく、自分自身を苦しませてしまいます。本記事ではプロジェクトマネジメントを題材に、自分の良さをかき消さず、最大限発揮する仕事への取り組み方を考えます。完璧主義で悩んだことのある皆さんに是非ご覧になって欲しい記事です。

左貫菜々子 藤井裕己 谷 風花 大庭彩 4Picks

プロジェクトマネジメントを機能させる土台となるのが『理念のマネジメント』 プロのリーダーは、「権威のマネジメント」を避け、「理念のマネジメント」を構築し、維持し続ける。 「好き・嫌い」や「多数決」ではなく、説得力ある提案を互いに尊重する文化を構築したいリーダーのための研修です。

荒 諒理 木藤 大和 島元 和輝 川瀬 響 4Picks

復習回数を闇雲に増やしたり、ノートいっぱいに何度も書かせる記憶法は、社会に出てから通用しない。 多忙なリーダーは、重要事項を一発で覚える。 たとえそれができなくても、復習回数を最小限にし、効果的・効率的に記憶することが大切。

「やばい、キャパオーバーしていて仕事を回しきれていない・・・。」成果を生み出すためにリーダーを務め、多くの責任を引き受けたのはいいものの、こうした悩みを抱く方は少なくないと思います。本記事は、リーダーの方の中でも、「仕事を回しきれていない。」と実感している方、経験した方、キャパオーバー対策したい方に届けていくことを想定して進めていきます。キャパオーバーは解決できます!

そもそもプロジェクトとは何か。それを知ることによって、あなたが現在取り組んでいる活動をもっと豊かにすることができるはずです。プロジェクトの基本を学び、そのプロセスについて考えてみましょう。

大庭彩 上野美叡 2Picks

タスクには明確に優先順位が存在し、正しい優先順位でタスクに向き合うことが締め切りへの余裕につながります。緊急度と重要度のマトリックスを用いて改めてタスクへの優先順位をつけることを意識したいです。

大庭彩 1Picks

皆さんがリーダーを務める組織にはMVVやスローガンと言ったメンバー全員が認識している「共通目標」はありますか? そして、今その「共通目標」を何も見ずに口ずさむことができますか? もし、一度決めたことがある共通目標が形骸化してあまり浸透していない場合は私と同じ苦悩を経験するかもしれません。

大庭彩 1Picks