感情描写がないコミュニケーションは相手に伝わりにくい

今月の研修:アサーティブコミュニケーション

私は今回の研修を通して、アサーティブコミュニケーションを実践するためには「感情」がカギになると感じました。アサーティブとは、相手のありのまま(権利)を侵害せずに、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやすく伝えることです。

感情をむき出しにしてしまったことや、感情を上手く伝えられず、コミュニケーションに失敗した経験はありませんか?感情の扱い方を理解することで、アサーティブなコミュニケーションをとれるようになるかもしれません。

感情を理解する

自分の伝えたいことを論理的に話すだけでは「伝わりやすい」とは言えません。相手が機械ならば論理的に正しい会話をすることで、伝えたいことを正しく伝えることができるでしょう。しかし、人間を相手にする場合、「伝わりやすさ」には少なからず感情が影響してきます。そのため、単に論理的で分かりやすいだけでは、相手に「伝わりやすい」とはならないのです。感情と上手く付き合うことで、アサーティブコミュニケーションを目指しましょう。

以下に感情と上手く付き合うために大切な要素を3つ挙げます。例えば、店員が行う販売店でのクレーム対応、教師が行う生徒からの進路相談、上司が行う組織の課題解決に関する会話等、様々な場面に当てはめることができます。

自分の感情を理解する

まずは自分の感情を理解します。「自分はいらだっているんだ」、「困っているんだ」などのように自分を客観的に見ることで、現状を把握します。

怒りなどの感情に取りつかれると本当に解決したい問題を見失い、非建設的なコミュニケーションをとってしまう可能性があります。

感情に流されることなく、まずは自分の本当に言いたいことを整理してください。

自分の感情を表現する

「私は〜だと考えています。」

このように表現する場合、相手は否定することができません。自分の思っていることは自分にしか分からないのですから、「違うでしょ」とはならないのです。「そうなんだ」と受け入れてもらい、自分の考えを聞いてもらうことができます。

また、このときに、「私としてもこの問題を〇〇さんと共に解決したいと考えています。」などのように伝えることで、相手への敬意、共感も表現することができます。

相手の感情を表現する

「〇〇さんの気持ちがよく分かりました。~の部分に問題があると感じており、困っているのですね。」

一方的に自分を表現するだけではなく、相手のことも表現します。相手のことを理解しようとしていることを伝えるためです。問題解決はもちろんのこと、相手のことも大切にしたいんだという気持ちを伝えると良いでしょう。

以上の3点に注意すると良いと考えます。感情的にならず、自分の感情、相手の感情を理解することで共感を呼び、相手と共に問題解決をしていく協力関係を作ることに繋がります。この「協力関係」こそ、感情を大切にすることで得られる大きな利点です。

機械同士の会話であればお互いに最善を求めるため、常に協力関係を築くでしょう。しかし、人はそのときの感情により協力的になったり、非協力的になったりします。「伝わりやすい」とはお互いに協力関係をとっているから実現できることなのではないでしょうか?

高校時代の部活動を振り返って

私は高校時代にハンドボール部に所属していたのですが、試合中だけでなく練習中でもより良いプレーを求め熱くなる部員が複数いました。お互い、自分の主張はしっかり伝えるのですが相手の感情に寄り添うようなことはあまりしない集団でした。そのため、よく喧嘩をしており、私もその一人でした。

試合中に休憩を取りしっかり話会う時間をとることができるのですが、当時の私達の会話は

チームメイトA:「あんなところにパス出されても取れないだろ、無駄なパスを出すなよ。」

私:「あそこにいられたらパスが出せないだろ。スペース見つけて走れよ。」

などのようなものでした。

要点はしっかり整理されています。しかし、感情のコントロールができていませんでした。まず、自分は相手のプレーに怒りを覚えていることを理解し、自分はなぜそのことに怒りを覚えているのか考えるべきでした。

この場合であれば、チームメイトと共に良いプレーをしたかったがそれが叶わなかったから怒っているのです。このように第3者目線で分析することで、冷静になり本来の目的を思い出せます。

実際には以下のような声掛けをすればアサーティブコミュニケーションができたと思います。

チームメイトA:「あんなところにパス出されても取れないだろ、無駄なパスを出すなよ。」

私:「俺とAの間でパスが上手くつながらず相手にボールを取られてしまった。俺はもう同じミスをしたくないからAと一緒に改善したいと思う。Aは俺が無駄なパスを出したことに怒ってるんだろ。俺とAの間にディフェンスがいてパスコースが狭くなっていたが、俺は動くことができない状態だった。だからAが動くことで、パスコースを作ってほしかったんだ。無駄なパスは出さないよう気を付けるから、Aも疲れているとは思うが動いてくれ。次は成功させるぞ。」

この例の場合、自分の感情、相手の感情にしっかり向き合えています。これは高校生の部活での例でしたが、ビジネスの場でも同じことが言えるでしょう。同僚のミスに対応する場合、顧客からのクレームに対応する場合、自分と相手の感情に向き合うべき機会は多々あると思います。感情描写を取り入れることで伝わりやすいコミュニケーションをすることができます。私自身、今後はより一層感情を大切にしたコミュニケーションを心がけていこうと思います。

これから研修を受ける方々へ

アサーティブコミュニケーションをするために大切な要素は多々あります。今回の研修ではいくつもの要素を実際のコミュニケーションを通して学びました。その中でも、特に大切だと感じたのが「感情」でした。

アサーティブとは、相手のありのまま(権利)を侵害せずに、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやすく伝えることです。他者と自分を大切にしたい方におすすめの研修です。

研修で学んだこと

  • assertive、aggressive、passive
  • 4つの柱
  • 7つの基本姿勢
  • DESC法

この記事の著者/編集者

長谷川拓志   

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

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