他責思考が成長を阻害する。成長する人の物事の捉え方とは?

クレド8.人のせいにせず、常に自分ができること・できたことを考え、最善を尽くす

組織はフラットであり、常に全メンバーが危機意識を持ち、自分にできること・できたことを考え、改善。自分に都合の悪いことが起きても、人のせいにせず、自分にも原因を求め、サービスの質を高めます。※顧客のせいにするなどもってのほか。

はじめに

同僚・チームメイトのやる気が足りなかったから…
上司・教授が良い指示をくれなかったから…
部下・後輩が指示を待っていて自分から動かないから…

「今回のプロジェクトは上手くいかなかった」

そのように考えたことはありませんか?

実はこれ、他責思考の人によくある口癖です。自分は他責思考ではないと思っている人も実は他責思考に陥っている可能性があります。あなたは他責思考に陥っていないと自信を持って言い切れますか?

他責思考の問題点

他責思考とは何か問題が起きた際に、原因が自分にあるのではなく環境や他者など外部にあると考え、責任を外部に求める思考のことです。

自分の落ち度や改善点を十分に考えず、頭ごなしに他者に責任を求める思考方法です。誰しも何か問題が起きた際に、自分にできたことがなかったか考えることはできるでしょう。十分に考えた結果、他者に責任があると判断したのであれば問題ありません。何も考えずに、他者に責任を求める行為が他責思考だと考えています。

他責思考に陥ると以下のような問題点が発生します。

  • 自身の成長が止まる
  • チームの雰囲気が悪くなる

私が特に問題だと考えているのは、自身の成長が止まってしまうことです。

多くの場合、人は自分の課題を見つけ克服することで成長していきます。問題が起きた状況とは自分の課題点を見つける良い機会です。他責思考の人の場合、自分の課題点を見つけようとせず、他人に責任を求めるため、成長する機会を逃してしまうのです。

他責思考から自責思考へ

他責思考に変わる思考方法として、自責思考があります。

自責思考とは何か問題が起きた際に、自分にも原因があるのではないかと考え、責任を持って問題の原因を探す思考のことです。

この思考方法の良い点は、「自分の成長に繋がる」ことにあります。他責思考と異なり、自分にも原因があるのではないかと考えるため、自分の課題点を見つける機会が増えるのです。

組織全体のことを考えても自責思考はプラスに働きます。それぞれのメンバーがお互いを責めるのではなく、自分にできる部分を考えるため、建設的なコミュニケーションをすることができるのです。

自責思考の人は成長し、他責思考の人は成長が止まる、この点において自責思考は他責思考よりも優れていると考えています。

部活動においての変化

私は高校時代、ハンドボール部に所属していたのですが、他責思考に陥ったために、メンバー間の関係性、プレーの精度が落ちてしまったことがあります。

私の所属した部活では、初めのころはランニングトレーニングがメインでしたが、1年生の夏前にはパスを主体に練習するようになりました。パスは味方とのコミュニケーションの1つです。試合中に、仲間を落ち着かせるためにパスを回すこともあります。投げ手と受け手が息を合わせる必要があり、お互いに責任があるプレーです。

私達はパスの精度を中々上達させることができず次第にミスの責任を相手になすりつけるようになってしまいました。受け手の走り込み方が悪かったと投げ手が責めたり、パスの軌道と速度が悪いと受け手が投げ手を責めたりしたのです。

このような状態になってからはチームの雰囲気も悪くなり、パスの練習も思うように進まなくなりました。パスをミスなく100回続けるという目標を立てて練習していたのですが、何度練習をしてもパスの繋がる回数は増えませんでした。

これは他責思考に陥り、自分の課題点を見つけようとしなくなったことが原因だと考えています。他者への文句は非常に多く飛び交っていましたが、自分の課題点を挙げる声はほとんど聞かれませんでした。

当時の私達は自分が他責思考に陥っていることも、それが問題であることも気づいていませんでした。今考えると本当に勿体ない時間でした。

私たちはその状態を自力で脱却することができず、先輩方に指摘されることで初めてそのことに気づけたのです。先輩との話し合いの中で、「他責思考」という言葉こそ出てきませんでしたが、「他人を責める前にまずは自分のダメな部分を考えろ」と指摘していただきました。

その指摘を受けてからは少しずつ他者への文句も減り、パスの精度も上達していき、1年生の終わりには目標を達成することが当然の状態になっていました。

僕らの実力が向上した要因は様々だとは思いますが、他責思考をやめたことは大きく影響したと思います。私自身も自分のダメな部分を主に考えるようになりました。実際、チーム内の雰囲気も良くなり、今までは文句を言い合う関係だったのが、アドバイスをし合う関係になりました。

他責思考を捨てる

自分が成長し続けるためにも、他責思考を捨て自責思考になることをおすすめします。その結果、チームの雰囲気が良くなるなどの効果も期待できます。自分だけでなく、周りのメンバーも巻き込み、問題の原因をまずは自分の中に探す、そのような環境を作っていくと良いでしょう。より居心地も良くなると思います。

上手くいかないときには他責思考に陥ってしまうこともあると思います。そのようなときほど、一度落ち着き、他責思考に陥っていないか確認してみてください。

この記事の著者/編集者

長谷川拓志   

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

するとコメントすることができます。

新着コメント

最新記事・ニュース

more

「メラビアンの法則」や「真実の瞬間」と向合い、各メンバー自身がブランド形成の重要要素であることを自覚していきます。 「目配り」「気配り」「心配り」の各段階を理解し、「マナー」「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の違いについて研究。 「マニュアル」「サービス」を理解・実践するのは当然。 「ホスピタリティ」「おもてなし」を顧客・メンバーに提供したいリーダーのための研修です。

島元 和輝 荒 諒理 川瀬 響 3Picks

行き過ぎた完璧主義は仕事を停滞させるだけでなく、自分自身を苦しませてしまいます。本記事ではプロジェクトマネジメントを題材に、自分の良さをかき消さず、最大限発揮する仕事への取り組み方を考えます。完璧主義で悩んだことのある皆さんに是非ご覧になって欲しい記事です。

左貫菜々子 藤井裕己 谷 風花 大庭彩 4Picks

プロジェクトマネジメントを機能させる土台となるのが『理念のマネジメント』 プロのリーダーは、「権威のマネジメント」を避け、「理念のマネジメント」を構築し、維持し続ける。 「好き・嫌い」や「多数決」ではなく、説得力ある提案を互いに尊重する文化を構築したいリーダーのための研修です。

荒 諒理 木藤 大和 島元 和輝 川瀬 響 4Picks

復習回数を闇雲に増やしたり、ノートいっぱいに何度も書かせる記憶法は、社会に出てから通用しない。 多忙なリーダーは、重要事項を一発で覚える。 たとえそれができなくても、復習回数を最小限にし、効果的・効率的に記憶することが大切。

「やばい、キャパオーバーしていて仕事を回しきれていない・・・。」成果を生み出すためにリーダーを務め、多くの責任を引き受けたのはいいものの、こうした悩みを抱く方は少なくないと思います。本記事は、リーダーの方の中でも、「仕事を回しきれていない。」と実感している方、経験した方、キャパオーバー対策したい方に届けていくことを想定して進めていきます。キャパオーバーは解決できます!

そもそもプロジェクトとは何か。それを知ることによって、あなたが現在取り組んでいる活動をもっと豊かにすることができるはずです。プロジェクトの基本を学び、そのプロセスについて考えてみましょう。

大庭彩 上野美叡 2Picks

タスクには明確に優先順位が存在し、正しい優先順位でタスクに向き合うことが締め切りへの余裕につながります。緊急度と重要度のマトリックスを用いて改めてタスクへの優先順位をつけることを意識したいです。

大庭彩 1Picks

皆さんがリーダーを務める組織にはMVVやスローガンと言ったメンバー全員が認識している「共通目標」はありますか? そして、今その「共通目標」を何も見ずに口ずさむことができますか? もし、一度決めたことがある共通目標が形骸化してあまり浸透していない場合は私と同じ苦悩を経験するかもしれません。

大庭彩 1Picks