なかなか意見が言えない、そんな状態を抜け出すには?
2019.10.31
■アサーティブコミュニケーション
自分の意見を伝えるために、考える
- アサーティブ:自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実・率直・対等に表現(自分と相手双方を尊重、Win-Win)
- アグレッシブ:判断材料もなく、説得力がないのに、一方的で強引なコミュニケーション(自分中心で相手のことを考えない、Win-Lose)
- パッシブ:遠慮して自分の考えや意見を言い出せない(自分を抑え、相手に合わせすぎる、Lose-Win)
A&PROでは、ビジネスにおけるコミュニケーションには上記の3タイプが存在し、上司・同僚・部下と建設的なコミュニケーションを取るためには、中でも「アサーティブ」が有効である、と考えています。アサーティブとは、相手の感情や権限を否定せず、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやく伝えることです。みなさんは、感情に任せて自分を表現してしまったり(アグレッシブ)、逆になかなか自分の意見が言えなかったり(パッシブ)する場面を経験したことはないでしょうか?そんな状況に陥ることを防ぐために、アサーティブが有効なのです。
今回の研修では、そんなアサーティブコミュニケーションを実践するための4つの基本姿勢やDESC法などについて学びました。そんななかで私自身が最も考えさせられたのが、いかにしてパッシブな状態から抜け出すかについてです。
というのも、パッシブな状態に陥っている人には、集団の中に埋もれやすく、周囲から見ても不満を抱えていることが認識されにくかったり、蓄積した不満が一気に爆発してアグレッシブな状態に陥ったりする特徴があるということを学んだからこそ、将来私自身や部下がこうした状態に陥ることは絶対に避けたいと感じたからです。
では、パッシブな状態から抜け出す(または、そもそもパッシブな状態に陥らないようにする)ためには、何が必要なのか。私が常に実践していきたいことが、自分の意見を持ち、伝えることです。こう聞くと、「なんだ簡単なことじゃないか」と感じる方も多いかと思います。しかし、こう感じる方々に伝えたいことがあります。それが、自分の意見を持つことの難易度は、所属する組織によって左右されるということです。
これは、大学生を例えにして考えてみるとわかりやすいかと思います。同年代の人が多いアルバイト先では自分の考えを伝えることができるとしても、一緒に働く人が自分よりも年上で、人生経験を沢山積まれた方に突然変わったとしたら、急に自分から意見することがなくなり、結果的に思考停止に陥ってしまうことがあるかもしれません。他にも、新卒で就職した会社のなかで、周りのほとんどの人が先輩社員という環境では、どうしても受け身になりがちかと思います。
たしかに、上記のような状況では、自分の考えよりも周囲の人の意見の方が、合理的で的を射たものであることが多いかもしれません。しかし私がここで伝えたいのは、どちらがより良い意見かではなく、自分の意見を持ち、伝えているかです。もし思考停止の状態が続いたとしたら、考えることで私の方がより良い意見を思いつく場面、チャンスを失ってしまいます。こうなると、後になって私の方がより良い考えを思いついたとしても時すでに遅し。さらには、「私の意見はどうせ聞いてもらえない、、」と“錯覚”してしまう可能性さえあります。この後の展開は、先述の通りです。
相手の感情や権限を否定せず、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見を分かりやく伝えること。反対に私が上司であれば、部下にその重要さを伝えること。これを実践すれば、1人の社会人としていきいきと働くことができたり、上司として部下のモチベーションを維持・向上させることができるのではないでしょうか。
これから研修を受ける方々へ
本研修内では、アサーティブとはどういう状態かをただ学ぶだけではなく、実際の状況設定をしたうえでのロープレまで行います。自分の力を試したい方はもちろん、上記の記事をお読みいただく中で、自分もパッシブな状態に陥っているかもしれないと、少しでも感じられた方に特におすすめします!!
研修で学んだこと
- 誠実とは、本来あるべき姿に事実を持っていくこと。約束を守ること
- パッシブコミュニケーションしかできないと、突然アグレッシブコミュニケーションに移り変わりやすい
- 本音を言えない状態がパッシブ
- 適切な判断基準を提供しない状態がアグレッシブ
- アサーティブな状態であるための基本となる4つの柱、7つの基本姿勢
- DESC法
小川勇 早稲田大学 政治経済学部