至れり尽くせりでは感動を与えられない
2020.10.28
クレド10.顧客に感動を~高水準のサービスを追求し続ける~
感謝だけでなく、感動を与えてこそ、顧客に真の満足が生まれます。顕在ニーズに迎合せず、常に潜在ニーズにアプローチし続けます。顧客にファンになってもらう為に、まずは自分たちが組織のファンになるよう責任ある行動をしていきます。
感動を与える対応
A&PROでは、顧客への対応のうち、目配り、気配り、心配りの全てを行い、感動を与えるものは、おもてなしであるとしています。
(参考記事:身につけるべき対応のレベルは?~歯科医院の対応を考える~)
つまりクレド10で顧客にするべきとしているのは、このおもてなしです。 私はA&PROが手掛ける学習塾ヘウレーカで講師をしています。今回は講師が顧客である生徒へ行うおもてなしを例に、指導者ができるおもてなしについて考えていきたいと思います。
指導者のおもてなし
「おもてなし」と聞くと、顧客が気づかないようなところまで行き届く、至れり尽くせりな対応、というイメージを持つ人は多いと思います。実際にホテルやレストランなどで求められるおもてなしとはこういうものでしょう。しかし学習塾の講師のような、指導者がするべきおもてなしは、このようなものとは違います。
大きな違いは、相手を気持ちよく喜ばせることだけをしていてはいけないという点です。例えば、わからない問題を教えてほしいと生徒に言われたとします。わかりやすい解説を提供することで要望に応え、生徒を喜ばせることは簡単です。しかし、それでは生徒が自分で考える機会を奪うことになり、生徒の成長の助けにはなりません。もう一度悩ませることになろうとも、ヒントを与えるにとどめ、生徒の成長を促すのが指導者である講師の仕事です。
時には耳の痛いことも言う
指導者がおもてなしを心がけるのならば、相手を成長させる指導をすべきです。そのためには、耳の痛いことを言わなければならない場面もあります。
ヘウレーカでは生徒の学力だけでなく、人間的にも成長させる指導をしています。遅刻の多い生徒、宿題をやってこない生徒に対して、「次は気を付けてね」の一言では済ませません。生徒ごとに指導の仕方は異なりますが、なぜこのようなことが起こるのか、どのような対策を取ればいいのか、それでも次に同じことが起きたときにはどうすればよいのかなど、生徒自身に考えさせ自力での解決を促します。
卒業した生徒やその保護者から、このような人間的成長を促す指導について、お褒めの言葉をいただくことが多々あります。これは、常にヘウレーカでは生徒の人間的成長という潜在ニーズにアプローチし感動を与えているからだといえるでしょう。
成長させることがおもてなしである
至れり尽くせりで相手を気持ちよくさせることではなく、相手にとって耳の痛いことを言おうとも成長させることが、指導者ができるおもてなしです。1から10まで手ほどきをし、相手を喜ばせることは簡単です。また指導者は、相手を喜ばせ感謝されることや、それにより簡単に良い指導者であると評価されることに、ついつい喜びを感じて流されてしまいがちです。しかし相手の成長のために、心を鬼にして指導にあたることこそが、感謝されるだけでなく感動を与え、相手に真の満足を生む、指導者のおもてなしなのです。
これからどう活かすか
今回考えてきた指導者によるおもてなしを活かせる場面は多々あります。私の場合、生徒に対してはもちろん、プロジェクトのメンバー、部活やバイト先での後輩、大学での実習の班員に対して、指導的立場になることがあります。そのような場面で、相手の成長を考えた対応ができれば、相手との関係性もより深いものとなるのではと考えます。気を抜くとついつい相手を簡単に喜ばせるようなことをしてしまいそうになりますが、改めて気を引きしめる必要があると再認識しました。今後も思いやりを持って耳の痛いことも言えるよう、より一層自分にも厳しくしていきたいです。
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新着コメント
早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科 2021年06月26日
至れり尽くせりでは感動を与えられないというタイトル、どういう意味か考えながら読ませていただきました。
本当の「相手のため」とは何なのか、根底にある目的は何なのかを常に意識することの重要性は、私もふとしたときに感じることがありました。
指導者であれば生徒を成長させることが潜在的な部分に沿ったおもてなし。学生団体に所属する私の場合は、大学1、2年生が主体的に歩み出せるようなサービスを提供することがおもてなし。それを念頭に置いて活動していきます。