伝えにくいことを伝えるためのコミュニケーション方法
2021.03.03
今月の研修:アサーティブコミュニケーション
「言いたいことがあるけど、なかなか言い出せない」
「意見をしようとすると、感情的になってしまう」
ということはありませんか?
自分の考えを表現することは、日常生活や仕事のあらゆる場面で必要ですよね。
それでも、考えていることが上手く伝わらなかったり、それによって誤解を生んでしまったりすることも。
今回の記事では、言いたいことを上手く伝える方法をご紹介します。
伝えるためのフレーム-DESC法
家庭や学校、アルバイト先など、コミュニケーションをとる中で、自分と相手の意見がいつも同じとは限りません。
また、言いにくくても思い切って伝えなければならないときがありますよね。
そのとき、どんなことを意識していますか?
必要以上に高圧的になったり、すぐに「すみません」と言ったりしていませんか?
相手に上手く伝えたいときは、アサーティブコミュニケーションと、DESC法を意識するのがおすすめです。
今回の研修テーマはアサーティブコミュニケーションでした。
アサーティブコミュニケーションとは、相手が持つ権利を侵害せずに、誠実・率直・対等な立場で、自分の気持ちや意見をわかりやすく伝えることです。
アサーティブコミュニケーションが適切に使われることで、誤解や依頼し辛さ、断れないなどの様々な問題の解消に繋がります。
たとえば、誰かの行為に不快感を抱いている時、「やめてください」と伝えることと、「実は、●●の点で困っていることがあるので、助けていただけると非常に心強く思います」と伝えるのでは、受け取り方に大きな差が出るでしょう。
アサーティブコミュニケーションを活用する上で、伝え方のフレームの一つとして、DESC法を紹介します。
DESC法とは、Describe, Express, Specify, Consequencesの頭文字をとったものです。
まずはDescribe。事実を描写します。状況を客観的に簡潔な言葉で伝えましょう。客観的事実も大切ですが、相手以上に相手の感情を代弁してあげることが大切です。
次にExpress。事実によって生じた感情を表現します。このとき、「私はこう思っている」と自分を主語にしたアイ(I)メッセージで冷静に伝えましょう。
そしてSpecify。現実的かつ具体的な提案をしましょう。
最後にConsequences。その提案の効果を端的に伝えましょう。
私自身、伝えにくいことを伝える時、感情的になったり、すぐに謝ったりしてしまう傾向にあります。
たとえば断るとき、「すみません、〇〇の用件について、申し訳ないのですが、〇〇は対応できそうにありません。すみません」と、何かにつけて「すみません」と言ってしまうのです。
冷静に考えれば、謝るだけでは解決しませんし、繰り返す「すみません」は相手にマイナスの感情を起こしかねません。
この例をDESC法で言い換えてみます。
「〇〇の用件について、相談があります。〇〇に関しては、対応できそうにありません。ご要望にお応えできず申し訳ありません。現在△△な状況で、このままだと●●になってしまい、非常に困ることになりそうです。代案として、××ではいかがでしょうか。協力していただけますと、非常に助かります。」
このように伝えることができれば、前者より快く助ける気持ちになると思いますし、代案を発展させることもできますよね。
このように、アサーティブコミュニケーションやDESC法を活用することで、より豊かなコミュニケーションに繋がります。
これから研修を受ける方々へ
今回の研修はアサーティブコミュニケーション研修でした。
私に「すみません」と言ってしまう癖があるように、知らず知らずのうちに、アサーティブでないコミュニケーションスタイルを取ってしまう人も多いのではないでしょうか。
ここは相手にしっかりと伝えたい!というときや、伝えにくい話題について話すときは、ぜひアサーティブコミュニケーションとDESC法を活用してみてくださいね。
研修で学んだこと
- アサーティブコミュニケーションの重要性
- 攻撃型(アグレッシブ):判断材料もなく、説得力がないのに、一方的で強引
- 受け身型(パッシブ):遠慮して言い出せない
- 作為型:遠回しや皮肉で伝える
- アサーティブコミュニケーションでは、誠実・率直・対等・自己責任が柱
- DESC法
星野歩華 早稲田大学 文化構想学部