相手が利用したくなるサービスの紹介方法

今月の研修:アサーティブコミュニケーション

自身の要求が中々伝わらない……

ここで一つ質問です。

「私は無料で就活相談に乗っています。ぜひ利用してみませんか?」

このようにいきなり初対面の人から声をかけられたとして、あなたはこのサービスを使ってみたいと思いますか?

おそらくほとんどの方は利用したいと思わなかったことでしょう。
それは、この要求の仕方が、A&PROでいう、Aggressive(攻撃的・強引な)なコミュニケーションとなっているからです。

このような、自身の要求が相手に上手く伝わらない事態を解消するには、コミュニケーションを Assertive(自己主張的な)な状態に変化させることが大切です。

本記事では、自身の要求や意見が伝わらない原因を究明し、それを解消させるAssertiveなコミュニケーションとは何かを考えていきましょう。

Aggressive=独りよがりなコミュニケーション

まず、先ほどの質問ではAggressiveなコミュニケーションが行われていました。
Aggressiveとは以下のように定義されます。

  • Aggressiveなコミュニケーション:
    相手の意見や要求に耳を傾けず、自身の意見や要求を伝えることを考えた、自分だけを大切にしたコミュニケーション。

私は現在、キャリア支援団体でボランティアをしているのですが、就活相談面談のユーザーを獲得するために、Aggressiveなコミュニケーションをとってしまったことがありました。

ヤマグチ:「こんにちは。突然連絡してごめんね!現在キャリア支援団体で活動しているヤマグチです。よろしくね!」

カワモト:「こんにちは。カワモトです!」

ヤマグチ:「現在、私達は就活の悩みを解消できる面談を行なっているんだけど興味あるかな?興味があれば下記URLから申し込みができるので、時間がある時に登録してみてください!」

カワモト:「……(今後一切連絡なし)」

この場合、なぜ返信が来なかったのでしょうか?

それはAggressiveなコミュニケーションをとってしまったからです。相手の意見や要求(=今回は不明)を聞かずに自身の意見や要求(=面談サービスを利用してほしい)のみを一方的に伝えています。

相手の立場で考えてみてください。
自身の意見や要求をないがしろにするコミュニケーションは、不快感や不信感を生むでしょう。当然、負の感情を抱いた相手が紹介するサービスを利用しようとは思わないはずです。


このように、Aggressiveなコミュニケーションでは、相手の意見や要求も自身の意見や要求も伝わらない、双方が得をしない状態(Lose-Lose)に陥ってしまうのです。

Assertive=双方を尊重したコミュニケーション

では、双方が得をするにはどうすればいいでしょうか?その時に用いられるのがAssertiveなコミュニケーションです。

Assertiveとは以下のように定義されます。

  • Assertiveなコミュニケーション:
    相手の意見や要求に耳を傾け、自身の要求を伝えることも考えた、自分も相手も大切にするコミュニケーション。

Assertiveなコミュニケーションを心がけることで、双方が満足な結果を得ることが可能となります。

どのように実践するか

Assertiveなコミュニケーションを実現するには、DESC法を意識することが大切です。

  1. D(Describe):相手の状況を客観的に簡潔な言葉で伝える。
  2. E(Express):相手の状況に対する自身の感情を表現する。
  3. S(Suggest):相手の意見や要求を踏まえた現実的かつ具体的な提案をする。
  4. C(Consequences):提案の結果を端的に伝える。

以下、DESC法を意識した場合した場合に先ほどの失敗例がどう変わるかをみてみましょう。

ヤマグチ:「こんにちは。突然連絡してごめんね!現在キャリア支援団体で活動しているヤマグチです。よろしくね!」

カワモト:「こんにちは。カワモトです!」

ヤマグチ:「現在、カワモトさんは何か就活に関して困っていることはあるかな?」

カワモト:「実は就活をそろそろ始めなくてはいけないことはわかっているのですが、具体的に何をすればいいのかがわかっていない状態です……。」

ヤマグチ:「なるほど、カワモトさんは就活を始めようと思っているけれど踏み出し方がわからない状態なんだね(D)僕も、周りが就活を始めているのを見ると不安になる時期がありました(E)。

カワモト:「はい、そうなんです……。友達が始めている姿や先輩が苦労している姿を見て、何か始めなければと焦っています。」

ヤマグチ:「確かに、やることがわかっていない状態って不安ですよね。実は僕の所属しているキャリア支援団体面談では実際に就活を経験した先輩と1対1でお話しできる面談を行なっているんだけど、興味あるかな(S)カワモトさんが利用することで、今からどうやって就活に対して行動していくかが明確にできると思う(C)

カワモト「そうなんですね!今の不安を解消できるのであればぜひ利用してみたいです。」

ヤマグチ:「きっと解消できると思うよ!ありがとう!それでは下記URLから面談の申し込みができるので登録よろしくお願いします!」

カワモト:「はい!わかりました!!ありがとうございます!」

失敗例との大きな違いが何か分かるでしょうか?

今回は、自身の要求や意見を伝える前に、相手の要求や意見を傾聴した点が失敗例と大きく異なります。(DとEの部分)
※傾聴の方法の詳細についてはこちらの記事で紹介されています。

相手の意見や要求を先に聞くことによるメリットは2点です。

  • 相手が自分自身の要求や意見が尊重されているという安心感を得られる。
  • 相手の要求・意見と自身の要求や意見を擦り合わせた上で中立的な提案をすることができる。

今回の例のように、先に相手の要求や意見を確認したことで、相手の要求や意見(=就活を始めるために今から何がすればいいのか知りたい)と自身の要求や意見(=面談サービスを利用してほしい)の中立的な解決策(=就活開始時のアクションを明確にすることができる面談サービス)を提示することができ、双方が得をする状態(Win-Win)を得ることができました。(※双方の意見や要求が合致しない場合には「合意しない(No-Deal)」解決策もある。)

自分自身が結果を出すことに焦っている場合、人はAggressiveなコミュニケーションに陥りがちです。そんな時も落ち着いてAssertiveなコミュニケーションを意識することが状況を打破する最善策なのです。

最後に

いかがでしたか?

このように、相手に自身の要求や意見が伝わらないのは、Aggressiveなコミュニケーションを取っていることが原因だとわかりました。

相手の意見や要求も自身の意見や要求も伝え合うことで、双方が得をする状態(Win-Win)を得るために、Assertiveなコミュニケーションを目指しましょう。

これから研修を受ける方へ

1月の研修テーマは「アサーティブコミュニケーション」でした。

そして今回の記事では、どのようにして相手とwin-winな関係を築くことができるかについて取り上げました。

本研修ではリーダーとして活躍するために必要となる基本姿勢や考え方などを講師との対話やロールプレイを通して学ぶことができます。本気でリーダーを目指す方の受講をオススメします。

研修で学んだこと

  • コミュニケーションには、assertive・aggressive・passiveの3つの状態が存在する。
  • まずは相手の状況を客観的に伝える。
  • ただ伝えるだけでなく、相手になったつもりでその時の心情を表現する。

この記事の著者/編集者

山口賢人  早稲田大学 法学部 

2つのキャリア支援団体を経験してきた早大法学部の4年生。一つ目のキャリア支援団体で学生の仕事に対する考え方に違和感を覚える。現在は早大生2500人が利用する大規模キャリア支援団体にて、未だ日本社会に浸透していない、1・2年生からのキャリア支援に挑戦する新規事業の責任者として日々活動中。

最新記事・ニュース

more

単なる就業体験では意味がない。 単なる発表会でも意味がない。参加者の能力開発にこだわった3日間の集中プログラム。 今のうちに自身の限界にチャレン…

嶋田 夏生 草野柾樹 原 駿介 星野 歩華 齋藤祐太 17Picks

復習回数を闇雲に増やしたり、ノートいっぱいに何度も書かせる記憶法は、社会に出てから通用しない。 多忙なリーダーは、重要事項を一発で覚える。 たとえそれができなくても、復習回数を最小限にし、効果的・効率的に記憶することが大切。

今や社会人に必須のスキルとされている報連相。その重要性は誰もが知るところですが、時が経つにつれて報告・連絡・相談の目的や意図が本来のものから逸れてしまい、意味を勘違いしている社会人が増えてきました。 この記事では報連相の正しい意味と活用方法について分かりやすくご紹介します。

社会は常に変化し続けています。立ち止まればどんどん遅れていくことになります。

大きな課題に怖気付いたり、ミスに落ち込んでしまう方がほとんどではないでしょうか。私も前者に近い状態です。しかし、そのような状態ながらも、大変なことに対してプラスに捉えることができるようにと心がけていることがあります。

私は正直、2日間で自分の考えがここまで大きく変わるとは参加前は思っていませんでした。 これはこの研修が、ただただ新しい知識を先生から学ぶのではなく、納得できるまで本質を考え、自分と向き合うことができるからこそだと思います。そして、何より大学生の自分に、ここまで真剣に向き合い、厳しく指導してくださる大人に出会えたからです。こんな機会滅多にないので、迷っている方はぜひ参加をおすすめします。

田村稔行 藤原穫 信宗碧 3Picks

そんな「短期間で簡単に過去の自分を変えることなんて不可能だ」と感じる方が大多数だと思います。しかしながら、自身が徹底的に弱みと向き合い続け、目標とするリーダー像に成長したいと思う意思を持っていれば、必ず変われます。この研修には、それを応援してくれる森口さんと仲間がいます。

藤原穫 田村稔行 信宗碧 3Picks

これまでにリーダーシップの研修やインターンに参加したことがある人でも、必ず新しい発見が得られる研修です。私自身、2日間という短い時間の中でひたすら考え、そして行動する習慣を身につけることができました。また、自分自身としっかりと向き合い、自分の弱さを誠実に受け止めることができるようになりました。それは、「本気で変わりたい」という気持ちを真剣に持つことができるようになったからです。

藤原穫 田村稔行 信宗碧 3Picks

この研修の中で誠実という言葉が1つ重要であった研修であったと思います。ただの事実を述べる”正直”とは違い、”誠実”は本来あるべき姿に事象を持っていくことです。リーダーは自分と向き合い、弱さに向き合い、成長していく自分に対しての誠実さはもちろん、チームのメンバー・顧客等々、あらゆる立場の人に対して誠実でなければなりません。

田村稔行 藤原穫 信宗碧 3Picks