仕組みを知れば、怖くない。「保険と年金の基礎知識」

『各種社会保険完備』

多くの社会人が大切だと分かっているけど、具体的な中身は?と問われると、よく知らない…という方も多いのではないでしょうか。

今回は、“各種”が指していること、またそれぞれの保険や年金の内容について簡単にご紹介します。

企業がどのような制度を整えているか、知っておくことがポイントの1つですが、それ以上に生活の様々な場面でどんな支援・サポートを受けることができるのかをあらかじめ知っておくことは大切なことです。社会人のリテラシーとして、ぜひ知識と理解を深めておきましょう!

各種が指しているものは、以下の4つ

雇用保険 ②労災保険 ③健康保険 ④厚生年金保険

(給与明細が手元にある方は、是非合わせてご確認ください。)

この4つの保険を全部まとめて社会保険と呼びます。「社会保険に入る」というと、保険証を思い浮かべる方も多くいると思います。確かに保険証を貰えれば、社会保険に入っているといえますが、本来であれば、③の「健康保険に加入した」が正しい解釈です。

このように、”何となく言葉は知っている”人が大半なのではないでしょうか。

企業に所属する上ではチェックするべき項目の一つであるとともに、各種社会保険は生活する上で様々な保障をしてくれる国の制度です。後から後悔しないためにも、しっかりと知識を得て理解していきましょう。

雇用保険とは

失業した際に、再就職先が見つかるまでの一定期間、失業給付金を受け取るための保険。正社員や1週間の所定労働時間が20時間以上のパート・アルバイトが退職や失業したときに、経済的な心配をせずに再就職や起業などの準備ができるよう、約3ヵ月間~1年間の範囲で、給与の代わりとなる失業等給付を支給することが主な役割です。実際に支給を受けとるためには、基本的に会社都合による失業の場合は6ヶ月間以上、自己都合による失業の場合は12ヶ月間以上雇用保険に入っていることが条件となります。

またその他にも、育児のために休業し、原則として子どもが1歳になる前々日まで支給される育児休業給付金や 職場復帰を前提として家族を介護するために介護休業を取得した場合に支給される 介護休業給付金という仕組みもあります。

② 労災保険とは

仕事中、または通勤途中にケガや病気をした時に、治療費や治療中の賃金を保障する保険。他の3種の保険は一定の割合を従業員の給与から控除されるのに対し、労災保険は全額企業の負担となるのが特徴です。

③ 健康保険とは

仕事以外でケガや病気をした時に、治療費の補填をしてくれる保険。加入すると「健康保険被保険者証」、通称“保険証”が交付されます。本人以外に、扶養している家族も一緒に加入できることが他の保険と違う点です。(会社によって手続きは様々ですが、結婚・出産などにより扶養を変更される場合は会社へ報告しましょう。)

そのほか、病気や出産で会社を休まざるを得なくなった際に、一定期間の賃金を補填してくれる傷病手当金出産手当金出産育児一時金などの制度もあります。いざという時に申請漏れのないよう、これらの仕組みを知っておくことはとても大切です。

協会けんぽ:出産に関する給付について

★ 産休・育休ともに休業の「開始月」から「終了前月」までは、社会保険料が免除される産前産後休業保険料免除制度もあります。本人から産前産後休業取得の申出があった場合、事業主が「産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構へ提出します。

■国民健康保険と健康保険(社会保険)の違い■

※75歳以上は「後期高齢者医療制度」へ移行。個人単位で保険料を支払う独立した医療制度です。

④ 厚生年金保険とは

年金の支給を受ける際に、国民年金に上乗せする形で支給される保険。基礎年金となっている国民年金の金額に、厚生年金保険の受給額が加算され、合計金額をもらうことになります。

※会社などに勤め、厚生年金保険や共済組合に加入している方は、国民年金の保険料を直接納めることはありません。これは厚生年金保険や共済組合が加入者に代わって国民年金に必要な負担をしているからです。

■年金制度の体系図■

年金制度

★ iDeCo(個人型確定拠出年金)、確定拠出年金(企業型)、確定給付企業年金、厚生年金基金については、改めてご紹介します。

そのほか、万が一、障害を負うことがあった際の障害年金、また死亡の際に遺族年金が支給されるという仕組みもあります。

また、現在発表されている年金平均支給月額は、国民年金が約55,000円、厚生年金が約147,927円となっています。

厚生労働省:厚生年金保険国民年金事業の概況について

■国民年金と厚生年金の違い■

※保険料は毎年改定されます。

日本年金機構: 繰上げ・繰下げ受給について

いかがでしたでしょうか。一見、むずかしく感じることも多い保険と年金ですが、いずれも労働者の立場を守るための制度です。いざという時自分を、そして自分の身近な人を守ることにつながりますから、理解を深め、制度を活用することをオススメします!

この記事の著者/編集者

大庭彩   

社会人・大学生・中高生の人材育成を支援するリーダーズカレッジ本部に所属しています。自身のステップアップ・上司部下との関わり方・チームマネジメントなど、人材育成に関する役立つ情報をお届けします。

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