正しい時間の使い方とは?だらだら癖・せかせか習慣から脱却する方法

クレド5.時間の有限性を理解する

限りある時間を有意義に活用するために、準備を徹底していきます。自分の時間を大切にしなければ、他者の時間も大切にすることはできません。他者の時間を尊重することで、自分の時間も尊重されます。

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時間管理は大切です。人の一生は限られています。ですから、一日一瞬を有意義に過ごしたいと多くの人が思っていることでしょう。しかしながら、正しい時間の使い方が分からず、本当に大事なこと以外にばかり時間を割いてしまっている人は少なくありません。そこで、この記事では毎日をより良く過ごすためのヒントをご紹介します。

時間潰しは後悔のもと

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時間は有限です。いえ、正確に言えば私たちの時間は有限です。限りあるものだからこそ価値があります。時間の大切さは誰もが認めることでしょう。

ですが、実際はだらだらと時間を潰してしまったり、時間にルーズになって周りに迷惑をかけてしまったりする人が後を絶ちません。ハッと気づいた時には既に遅く、後悔の念に苛まれることもしばしばです……。しかも、大半の人はこのように後悔した経験がありながら、またしても時間潰しをしてしまいます。たとえば、以下のような例が挙げられるでしょう。

始業後は本調子ではないからと、だらだらメールや書類をチェックするなどして時間を潰してしまう。昼休憩後もいまいち気分が乗らず、作成すべき資料に着手してもなかなか捗らない。定時や期限が近づくとようやく仕事が進むが、毎日のように意味もなく残業している。

空いた時間は、つい目的もなくSNSや動画サイトを開いてしまう。掃除や洗濯などは後回し。ギリギリまで先延ばしにしてから仕方なく取りかかり始める。かえって大変な思いをすることが多い。

貴重な時間をこのように潰してしまうのはなぜなのでしょうか。

それは目先のことにとらわれて、先々のことまで見据えられていないからだと思います。今の自分の行動で未来がどう変わるのかが分かれば、望む未来に辿り着けるように行動しますよね。ですが、時間を無駄にしてしまいがちな人は時間の逆算が苦手な傾向にあります。そのため、今だけを見て行動してしまい、後になって「ああすれば良かった」、「こうすれば良かった」と悔いる羽目になるのです。

また、目の前のことしか考えられていないということは、目的や目標がきちんと定まっていない状態なので、楽な方向へ引き寄せられやすいという性質もあります。ですから、有意義に時間を使いたいのであれば、まずは自身の未来図を詳細に描いてみることが大切です。そして、その未来を掴み取るために今自分が何をしたら良いのか、本当に時間を割くべきことは何なのかを細かく洗い出しましょう。

単純なことのように思うかもしれませんが、望んだ未来を実現できるかどうかは、こうしたささやかな手間にかかっているのです。

時間どろぼうにご用心!

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だらだらと時間潰しをしないことは大切なことです。だからといって予定をいくつも詰め込み、毎日せかせかするのも考え物でしょう。最近は時短グッズや時短レシピなどが数多く登場しており、時間の節約に対する関心が高まっています。

ですが、よく考えてみてください。時間を節約することは本当にできるのでしょうか。お金は節約したら貯まりますが、時間は貯められませんよね。では、節約した時間はどうなるのでしょう?

その答えは皆さんご存じの通りです。本来作業を行うはずの時間がぽっかりと空きます。空いているということは、何か別のことを入れなければいけませんね。家族と過ごす時間、趣味に費やす時間に充てるなら良いでしょう。しかし多くの現代人は、せっかく空いた時間にまた仕事を詰め込んだり、必要ではない予定を無理やり入れたりしてしまいがちです。これでは忙しさの悪循環に陥ってしまいます。

もう察している方もいるかもしれませんが、忙しいと感じている人の大多数は時間の使い方を間違えているのです。知らず知らずのうちに、自ら忙しい道を選んでしまっています。

ところで、ミヒャエル・エンデさんの『モモ』という児童書を読んだことはありますか?

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引用:岩波書店「〈特集〉ミヒャエル・エンデ『モモ』」

本の中では「時間貯蓄銀行」を名乗る時間どろぼうによって、人々は豊かな生き方ができなくなり、時間が奪われてしまいます。ですが、モモという女の子が時間どろぼうに立ち向かい、人々に本来の時間を取り戻してくれるのです。時間を取り戻すにあたってキーパーソンとなるのが、時間を司るマイスター・ホラというキャラクターなのですが、彼の言葉こそが真理をついていると思います。

「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない。
「光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじように、人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。

つまり、時間のあるなしは自身の心の持ちようで決まるということです。自分にとって有意義だと思える時間が少ないと「時間がない」と感じ、焦りが生まれます。ですから、時間を節約するよりも有意義な時間を増やすことに目を向けることが大切です。言うなれば、時間を生かすことが重要になります。たとえ一瞬であっても、心ではまるで千秒もあるかのように感じ取り、本当に大切なことに時間を使えると良いですね。

同じ時間は二度と来ない

今という時間はこの瞬間しかありません。そして、「今」はもう二度と戻ってこないのです。「時は金なり」とよく言いますが、時間はまさしく人生におけるお金のようなものであり、かけがえのない財産です。一つだけ違うのは貯められないということ。ですから、お金以上に慎重に扱う必要があります。浪費しないように、時間どろぼうに盗まれないように、時間の使い方には気をつけましょう。

時間は誰にでも平等に過ぎていきます。上手く使うことさえできれば、時間は十分にあると気づけるはずです。大切なのは時間の長短よりも質。充実した時間を作れるかどうかは、あなた次第です。

手始めに『モモ』を読んでみるのはいかがですか?

この記事の著者/編集者

久保井美愛   

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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