医学部受験の面接質問20選!答え方まで徹底解説【小論面接】
2021.10.01
学習塾ヘウレーカ・小論文面接講座担当の遠藤です。
医学部を受験する生徒向けに、小論文と面接についての記事を毎月連載しています。ご参考いただけると嬉しいです。
※掲載している内容は小論文・面接の基礎知識です。これをもとに自身でアウトプットし、添削を受けて修正することで、スキルを向上させましょう。
今回は、面接における頻出質問と、それに対する答え方をご紹介したいと思います。
前回の記事でご紹介した内容と併せて、自分ならどのように答えるか考えてみてください。
最頻出質問4つ
まず、面接で最も頻出である基本質問は、以下の4つです。
- 医師志望理由
- 大学志望理由
- 今までで力を入れて取り組んだこと
- 将来なりたい医師像
答え方については前回の記事で詳細に説明していますので、そちらをご覧ください。
入学後にやりたいこと
入学後に勉強したい内容や身につけたいスキルを話せるよう、準備しておきましょう。
これは、理想の医師像について聞かれた後に「それでは、そのような医師を目指すために、大学ではどのようなことを学びたいですか」と尋ねられる流れも多いです。
したがって、理想の医師像との一貫性を保った回答になるようにしましょう。
また、勉強面以外で取り組みたい活動についても聞かれることがありますので、ボランティア活動やサークルなどについても考えておきましょう。
大学についての情報
「本学の教育理念はわかりますか」「本学の建学の精神を答えてください」といった質問をされることがあります。
大学の全ての情報を暗記しておく必要はありませんが、大学側が特に重要視している考え方やことばは必ず覚えておきましょう。
また、それらの解釈を求められることもあります。例えば「愛」が教育理念だとしたら、「あなたは『愛』とは何だと思いますか」と問われたりします。
したがって、大学が大切にしている方針や価値観について知り、自分なりの考えを持っておきましょう。
長所と短所
「あなたの長所と短所をそれぞれ教えてください」という質問です。
長所
まず、長所として挙げるものは、本当にあなたが自分の長所だと思えるもので、かつ医師として働くために重要な資質にします。
長所を伝えるときには、まずは「長所は〜です。」と答えてから、補足として
- その長所を発揮して成功した経験
- その長所は将来医師としてどのように役立つか
のどちらかを話しましょう。また、話さなかったもう一方については面接官から追加で質問されるかもしれませんので、答えを考えておきます。
短所
次に短所についてですが、医師になる学生としてあまりに不適合なことを挙げてしまうと、評価が大幅に下がってしまうので注意が必要です。
そこで無難なのは、長所が行き過ぎた状態を短所として伝えることです。
例えば「人の話を素直に聞ける」を長所に挙げた方は、短所として「人の話を受け入れすぎてしまい、自分の意見が言えなくなる時がある」と言えます。
また、上記の例のように「〜する時がある」と答えると、いつもその短所が出てしまうわけではないという印象を与えることができます。
短所を伝えた後には、その短所をどのように克服しようと考えているかを話します。
それから、その短所が原因で失敗してしまった経験について、面接官から追加で質問される可能性がありますので、答えを用意しておきましょう。
最近興味を持ったニュース
「最近興味を持ったニュースは何ですか?」という質問です。
面接官がこれを質問する理由は、あなたが医療系のニュースに関心を持っているかどうか、また、説明できるくらいそれを理解しているかどうかを判断したいからです。
したがって、「医療系の」と指定されなかったとしても、医療関連のニュースについて答えるのが安全でしょう。
答え方としては、「ニュースは何ですか」と聞かれているので、まず1文目には結論ファーストで「〜のニュースです。」と伝えます。
2、3文目には、以下のような内容からどれかを選んで答えるといいでしょう。
- ニュースの詳細
- 関心を持った理由
- ニュースを知って感じたこと
- ニュースから学んだこと
- そのニュースが良くない出来事であれば、自分なりの解決策の提案
これらの項目は、自ら答えなかったとしても、面接官から追加で聞かれる可能性があります。よって、どれを聞かれても答えられるように、ニュースについて調べておきましょう。
好きな本
「好きな本を教えてください」「最近読んだ本について教えてください」という質問です。
皆さんが受験勉強で忙しく、読書をする時間がないことは、面接官もわかっています。しかし、文章を読むことは学問の基本であり、読書は教養の大事な一部です。
読んでから時間が経っていても、医療関連でなくても構いませんので、何か一冊は挙げられるように準備しておきましょう。
答えるときには、本のタイトルと概要を伝えてから、
- その本が好きである理由
- 読んだ感想
- その本から得られた学び
- 誰におすすめしたいか
等からいずれかを選んで話すと良いと思います。
趣味や特技
「趣味は何ですか」「特技を教えてください」と聞かれることもあります。
小さなことでも構いませんので、何かしら伝えられるように考えておきましょう。
ただし、ゲームやネットサーフィン、動画閲覧など、一般的に中毒性があると言われているものに関しては、勉強や健康的な生活習慣に支障をきたしていないことを伝えたほうが安全です。そのうえで、どのようにその趣味を楽しんでいるのかを話しましょう。
尊敬する人物
「尊敬する人物はいますか」という質問も頻出です。
この質問を通して面接官は、
- 人を尊敬することができるか
- 他者についてうまく説明できるか
- 人のどのような部分を尊敬したいと思うのか
などを見ています。したがって、その人物のどのようなところを、なぜ尊敬しているのか、わかりやすく説明できるように答えを考えておきましょう。
あなたが医師を目指すために糧になるような人物であると、尚良いと思います。
人間関係と自分
あなたの人となりを把握するために、周囲の人間関係や、周囲の人から見たあなたについて聞かれることがあります。
家族については、
- 家族構成
- 家族はどんな人か
- 家族の中で一番よく話す人
- 家族から見たあなたはどのような人だと思うか
などを質問されます。
また友人については、
- 仲の良い友人はいるか
- いつ知り合ったか
- その友人はどんな人か
- 友人から見たあなたはどのような人だと思うか
などの質問が考えられます。
基本的に素直に答えて問題ありませんが、「いつも口論をしている」「ほとんど話さない」など、コミュニケーションの取り方に懸念を持たれてしまうようなことは言及を避けましょう。
自分がどう見られていると思うかについても、「怠惰な人だと思われている」といったような、自分自身の評価を下げてしまう内容はやめましょう。
得意科目と苦手科目
得意科目と苦手科目をそれぞれ聞かれることがあります。
得意科目については、得意になった理由や将来の活かし方を伝えると良いでしょう。
苦手科目は、医師になるために克服する必要があると思われる場合には、その苦手の克服方法を併せて伝えます。
希望する科
何科の医師になりたいか、尋ねられる場合もあります。
希望する科が決まっている方は、理由も添えて答えましょう。なお、医師を志望したきっかけと関連させて話せると、説得力が増します(内科医である父に憧れて医師を目指した方なら、内科医と答えるなど)。
どの科に入りたいか決まっていない方は、「まだ科の希望は決まっていないため、大学生活や研修医の期間に幅広く検討したいと思います」のように伝えると丁寧です。
また、明確に何科とは言えなくても、希望する科のイメージが少しでもある方は、それを伝えても構いません。例えば、「患者さんとコミュニケーションを取る機会の多い科」や「病気を治せたという実感を持ちやすい科」などが挙げられます。
併願校と志望順位
併願している大学・学部を尋ねられ、「本学と併願校のどちらも合格したら、どちらに進学しますか」と質問されることはしばしばあります。
もしくは、面接の前に簡単な書類を記入する時間があり、その書類に併願校と志望順位を記載することもあります。
このとき、もちろんその大学が第一志望であればそう答えて良いのですが、より志望度の高い併願校のほうが明らかに偏差値が高い場合には伝え方に悩みますよね。
その場合は、第一志望ではないことを正直に答えたうえで、「しかし、貴学に大変魅力を感じているため、重要な選択肢の一つとして受験させていただきました」というように、決して生半可な気持ちで受験しているわけではないことを伝えましょう。
浪人や再受験の理由
浪人生には「どのような経緯で浪人したのですか」と聞かれます。
大学などを一度辞めて再受験している方には「なぜ前の大学を辞めたのですか」、また医学部ではない大学を辞めて医学部を受験する方にはその理由も聞かれます。
いずれの質問でも、面接官はあなたに関して
- 大学入学後は遅れを取らずに勉強を続けることができるか
- そのために必要な「医師になりたい」という揺るがぬ熱意があるか
を懸念して尋ねています。この2点の懸念を払拭できるよう、納得感のある答えを用意しておきましょう。
地域の医療事情
受験する大学のある地域、もしくは将来医師として働きたいと伝えている地域の医療事情についてもよく聞かれます。
例えば千葉県の大学ならば、「千葉県が抱える医療の問題を一つ挙げてください」といった質問が考えられます。
こうした質問に対する答え方としては、
- 医療の問題
- なぜその地域で問題になっているのか
- 将来医師として働いたら、その問題にどのように対処したいか
という3文構成とするのが良いでしょう。
また、挙げる医療問題についての具体的な情報を話せると、あなたの医療に関する興味をアピールできます。「高齢化が進んでおり」と言うより、「65歳以上の人口の割合が約◯%で」と言うほうが、情報収集力が伝わりますね。
医療関連の用語や議論に関する意見
医療関連の用語について知っているか聞かれたり、議論に関する意見を求められたりすることがあります。
医療用語を学ぼうとするときりがありませんが、例えば以下のようなものを知っておき、これらについて自分の意見を持っておくと良いと思います。
- インフォームドコンセント
- セカンドオピニオン
- クオリティオブライフ(QOL)
- 全人的医療
- 安楽死・尊厳死
- 出生前診断
- 予防医療
- 医師の偏在
- プライマリケア
- 医療事故
- 高齢社会における医療
- ターミナルケア
- 最先端医療
- 感染症
例えばこの中で「全人的医療」に関する質問ならば、「全人的医療とは何かご存知ですか」「全人的医療の重要性について説明してください」「全人的医療についてあなたはどう考えますか」などが想定されます。
知らない用語や議題を言われたときには、「勉強不足で申し訳ございませんが、◯◯を存じ上げません」もしくは「勉強不足で申し訳ございませんが、◯◯について教えていただいてもよろしいでしょうか」と答えましょう。
また、知識がうろ覚えだったり、自分の知識に確信がなかったりする場合には、「◯◯とは、〜〜という意味で間違いないでしょうか」と面接官に確認を取っても構いません。
この場面、あなたならどうする?
具体的な場面を提示され、「あなたならどうしますか?」と尋ねられる質問です。
医療関連の場面、もしくは人の生死が関わるような場面を設定されることが多いです。
例えば、このような場面ではどうでしょうか。
医学部2年生になったあなたが電車に乗っていると、車内で倒れ込んでしまった人がいました。隣にいた2人がその人に駆け寄りました。あなたならどのように対応しますか。
答え方としては、
- 対応の仕方
- その対応をする理由
の2点を伝えるのが良いでしょう。
また、この手の問題が苦手だと感じる方は、いくつか場面を自分で設定したり他の人に設定してもらったりして、練習してみましょう。対応を考えるのに慣れてくると、スムーズに回答できるようになるはずです。
雑談・日常会話
面接の最初に、評価に一見関連の無さそうなことを尋ねられる場合があります。例えば、以下のような質問です。
- 今朝は何時に起きましたか?
- 朝食は何を食べましたか?
- 名前の由来は何ですか?
- 試験の手応えはどうですか?
これらの質問は、受験生の緊張をほぐす意図もありますが、それほど堅苦しくないコミュニケーションをすることによって、受験生の社交性や人間性を見るという目的もあります。
したがって、面接官とのコミュニケーションを楽しむつもりで、リラックスして素直に答えましょう。
また、こうしたことを聞かれるかもしれないと知っておくだけで、どんな「変化球」な質問にも驚かず、落ち着いて答えることができると思います。
想定しなくていい質問はない
以上が、医学部入試の面接において聞かれやすい質問とその答え方でした。
質問や多岐にわたりますが、どの質問も聞かれる可能性があると考えて、事前に答えを準備しておきましょう。
また、もちろんこれ以外の質問をされることも大いにありますので、どんな質問をされそうか、また自分の回答に関してどのように深掘りされそうか、あらかじめ想定を立てて用意しましょう。
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