楽しいだけでなく、強いチームをつくりたい

研修を通じて気付けたこと・今後に役立てられること

誠実であるということ(正直と誠実の違い)

正直とは、事実をありのままに伝えることである。誠実とは、事実をありのままに伝えたうえで、次にどう行動するかまでを考え、動くことである。前者が責任を全うしないまま物事を終わらせるのに対して、後者は事実を踏まえ、責任を全うするため動く。

私自身、「嘘をつかない」ということを大切にしていたものの、無自覚に真実を隠していたり、本当の意味での誠実さを持ち合わせていないことに気づいた。

具体的には、共同ワークで自分の考えを話すばかりで、それが事実に基づいたものなのかについて一切触れることなく発表を終えてしまった。しかも、行った評価は事実とは異なるもので、社会人とか大学生とか以前に嘘の発表をしていたということが自分に対してショックだった。

今後に役立てられることとしては、上司、同僚、部下、誰に対しても誠実であれという意識を持つことだと思う。何かできないことがあれば正直に報告した上で、どうやって達成していくのかまで考える。どんな場面でもそれを実践することで誠実な姿勢が習慣化し、今後どんどん役立てられるのではないかと考える。

リーダーは準備している人がやる

リーダーはなりたい人がやるわけでもなく、推薦された人がやるわけでもなく、準備している人がやる、というのは自分にとって意外であり、同時に大きな気付きだった。私自身リーダー経験が多いタイプではなく、常にチームの中の1メンバーとして動くことが多かった。

そして、常にリーダーは推薦された人かやりたい人がなっていたから、リーダーとはそういうものなのだと思っていた。ただ振り返ってみると、就活のグループワークや、ボランティアなどのリーダーでやりたいといったものの、そのステータスだけにしか興味のない人や逆に推薦されて嫌々やった人がリーダーの場合、うまくいかなかったことが多かった気がする。

また、私自身は何回かミーティングのファシリテーターをやるうえで、ミーティングは短かれば短いほどいいと思っていたので最低限の準備のみで終わらせていたが、見方を変えると、ミーティングの時間というのは、メンバーのその時間をもらっているということになる。もらった時間を最大限活用して価値を提供するということが時間をもらった者としての責任なのかなと思った。

よって、今後はミーティングを通して参加者にどんなことを伝えたいのか、どんなものを得てほしいのかを考え、準備してミーティングを実施していこうと思う。

答えは相手の中にあるとは限らない

答えは相手の中にあるとは限らず、無ければ引き出しに入れてあげればいい。これは私が習った自己分析やコーチングとは全く違う言葉だった。

「相手の中に必ず答えはあるから、それを引き出してあげる、それがコーチング」と約1年前に習い、愚直にそれを実施していたが、コーチングとは必ずしも0ベースで相手から答えを引き出すのではなく、必要に応じて、引き出す側からインプットをして考えをサポートすることで効果がより大きくなるというのは大きな気づきだった。

実際にやってみると、ゼロベースで「なぜ?どうするの?」と聞かれると、思考が追いつかずアイデアも出てこないということが多かった。反対に、「こういうのはどうだろう?」と少しのインプットがひらめきの糸口になって、ポンポンとアイデアが出てくるようになった。

今後の活かし方としては、エンターの子の大切にしている価値観や軸など今まで言語化する機会が少なく詰まりやすい部分で「なんでそう思うの?」と全て相手にゆだねるのではなく、「話聞いてこうかなと思ったんだけど、どうかな?」と少し考えを前に進めるきっかけを渡して、深掘りを進めていくようにしたい。

研修参加前後での心境の変化・研修講師やA&PROメンバーへのメッセージ

3日間を通して、たくさんの実践の機会をくださり、また多くの気づきを与えてくださりありがとうございました。研修そのものはもちろんのこと、研修を開催するためにサポートしてくださったみなさんにもとても感謝しております。

今までは、「楽しいチームなら作れるけど、強いチームは私には作れない」と思っていました。研修が終わってもなお、強い方向に完全にシフトすることは難しいですが、強みである雰囲気づくりの力を活かしつつ、相手のモチベーションをあげられるようなコミュニケーションを通して強いチームを作っていけたらな、と思います。大学入学以降、ここまで自分に厳しく接してくださる人はおらず、社会人になる前にとても貴重な経験をさせていただきました。

これからリーダーシップゼミを受ける人へのメッセージ

中高の部活の時にはできていたがむしゃらに努力するということをいつのまにかしなくなり、器用に物事をこなすことが多くなっている人もいるんじゃないかと思います。社会人になる前に一度、泥臭く自分の弱みに向き合い、社会人の基礎を体験を通して学ぶことができるのはとても貴重な機会だと思います。
「あ、わたしこんな癖あるのか…」とポジティブな驚きを得ることもショックを受けることもあると思います。でも全部ひっくるめて受け入れられると人として少し強くなったように感じられると思います。

研修を通じて学んだこと

  • 誠実であるということ(正直と誠実の違い)
  • 相手に真実を伝える重要性
  • リーダーは準備できている人がやる
  • 気を遣える人になる
  • 相手の存在を認識し、信じる
  • 共通点の活用
  • 責任、権限、義務
  • 概念化
  • 基準化、数値化
  • 優秀な人(努力する人)に力を注げ
  • コミットメントへのシフト
  • 答えは相手の中にあるとは限らない

この記事の著者/編集者

高尾 紀佳 早稲田大学  

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新着コメント

  • 小川勇

    早稲田大学 政治経済学部 2021年06月25日

    常に相手の立場に立ち、誠実であることの大切さに気づかれたのではないかと思います。
    高尾さんの「雰囲気づくり」持ち味と、今回リーダーシップゼミで学んだことを活かして、「楽しい」だけでなく「強い」チームが作れると良いですね!応援しております!

    リーダーズカレッジメンバー:小川

  • 藤原穫

    2021年06月19日

    無自覚な不誠実さというのは、誠実であろうと意識していないと時折現れるものです。最低限の準備でミーティングを早く終わらせるというのもその一例かもしれません。しかし今回の研修で高尾さんは誠実である意識の習慣化を目指されたようですね。これまでご自身が当たり前に行ってきたさまざまなことが、その意識でグッと変化するかもしれません。

    コーチングや時間の使い方など、高尾さんの中で変化が起きた考えをフルに活用して、今後「強いチーム」を作っていってください!

    リーダーズカレッジリーダー:藤原

  • 信宗碧

    早稲田大学 文学部 美術史コース リーダーズカレッジ リーダー 2021年07月16日

    本当に相手のためを思いやって行動するというのは気を遣うことではなく、言いづらいことこそしっかり伝えることです。人に気遣うというのはもちろん間違ってはいませんが、それで言えないことがあるようでは本質的な他者への価値提供にはなっていません。

    リーダーとしてだけでなく、メンバーとしてもこのようなスタンスは持つべきです。髙尾さんはこれから出会う人に対して学びを提供できる人材なることが出来ると思います。これからも頑張ってください!

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