身につけるべき対応のレベルは?~歯科医院の対応を考える~

今月の研修:マナー研修

今回の研修では、お客様対応の種類を分類し、その具体例をメンバーで出し合い検討しました。分類して考えることで初めて対策が見えてくるのだと実感し、私の将来の夢である歯科医院開業、その患者さんへの対応について考えてみました。

分類して初めて対策を練ることができる

A&PROでは、お客様対応の種類を、マナー、サービス、ホスピタリティ、おもてなしの4つに分類します。そして目配り、気配り、心配りを合わせて考えます。

目配りとは、その場を観察し、ずれや間違いがあれば元の正しい形(マニュアル通り)にすることです。これはマナーを守ることに必要となります。マニュアルを見てその通りに動くことでマナーは守れます。

気配りとは、気持ちを察し顕在ニーズ(お客様自身が自覚しているニーズ)に応えることです。サービスを提供するには目配りと、さらにこの気配りが必要です。お客様が訪れる理由は、顕在ニーズを満たすためです。それを満たすサービスを提供するには、お客様を観察することや、お客様の気持ちを察することが必要です。

心配りとは、我が事として潜在ニーズ(お客様自身が自覚していないニーズ)に応えること、さらに感動を与えることをいいます。ホスピタリティおもてなしは、目配り気配り、さらにこの心配りができなければ提供できません。お客様自身は気づいていないけれども実は心の底で欲している潜在ニーズを満たすことで、ホスピタリティを提供でき、さらに感動を与えられるものがおもてなしです。

このように分類することで、身につけたい対応はどのレベルなのかということ、そしてそのための対策を考えられるようになります。

私には将来歯科医院を開業するという夢があります。今までは漠然と患者さんにまた来たいと思ってもらえるような医院にしたいとだけ考えていましたが、この研修を踏まえて患者さんへの対応を分類し具体的に対策まで考えることができました。

医院を清潔に保つことや、道具の消毒、手袋やマスクの着用、これらはマナーであり、顕在ニーズである歯の治療を提供すること、そのために常に新しい技術や知識を身につけることはサービスであると分類しました。さらに、予防歯科に携わることで、がんや心臓病、脳梗塞などにかかりたくない(歯周病はこれらの原因のひとつ)といった潜在ニーズにアプローチすることができると考えました。

この予防歯科を実現するには、患者さんの予防に対する意識改革、そして定期的な検診とクリーニングが重要です。予防歯科についての最新の知識を常に身につけること、その知識を患者さんに提供することはホスピタリティとして行い、さらに患者さんにまた来院してもらうための工夫、例えば、患者さんの歯の容態から一人一人にあった歯の磨き方の指導をするなどの、おもてなしが必要であるという考えに至りました。

このように具体例を分類し検討することで足りないものがなにか、身につける必要があるものはなにかが見えるようになります。

これから研修を受ける方々へ

人と関わる以上、人からよい印象をもたれたい、人に何か価値を与えたいとみなさん考えると思います。その漠然とした思いを実現するには、対応のメカニズムを理解することが必要です。この研修では、そのメカニズムを学ぶことができ、今まで漠然としていたものが可視化できるようになります。その上で自分の足りないものを見つけ対策を練ることが、人と良好な関係を築く一番の近道です。

研修で学んだこと

  • 挨拶をする理由
  • 深いお辞儀ができる人間性が大切
  • 第一印象は6秒→身だしなみが大事
  • 真実の瞬間(15秒)で企業のイメージが決まる
  • マナー、サービス、ホスピタリティ、おもてなし
  • 目配り、気配り、心配り
  • 感動を与えるおもてなし=潜在ニーズにアプローチ

この記事の著者/編集者

上野美叡   

歯科クリニック開業を目指す歯科大学生。
予防歯科の考え方を浸透させ、健康に長生きできる社会づくりをしたい。
学生のうちにできる準備はしたいと考えA&PROに参加。
歯科学生プロジェクトのリーダーを務める。

するとコメントすることができます。

新着コメント

最新記事・ニュース

more

「メラビアンの法則」や「真実の瞬間」と向合い、各メンバー自身がブランド形成の重要要素であることを自覚していきます。 「目配り」「気配り」「心配り」の各段階を理解し、「マナー」「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の違いについて研究。 「マニュアル」「サービス」を理解・実践するのは当然。 「ホスピタリティ」「おもてなし」を顧客・メンバーに提供したいリーダーのための研修です。

島元 和輝 荒 諒理 川瀬 響 3Picks

行き過ぎた完璧主義は仕事を停滞させるだけでなく、自分自身を苦しませてしまいます。本記事ではプロジェクトマネジメントを題材に、自分の良さをかき消さず、最大限発揮する仕事への取り組み方を考えます。完璧主義で悩んだことのある皆さんに是非ご覧になって欲しい記事です。

左貫菜々子 藤井裕己 谷 風花 大庭彩 4Picks

プロジェクトマネジメントを機能させる土台となるのが『理念のマネジメント』 プロのリーダーは、「権威のマネジメント」を避け、「理念のマネジメント」を構築し、維持し続ける。 「好き・嫌い」や「多数決」ではなく、説得力ある提案を互いに尊重する文化を構築したいリーダーのための研修です。

荒 諒理 木藤 大和 島元 和輝 川瀬 響 4Picks

復習回数を闇雲に増やしたり、ノートいっぱいに何度も書かせる記憶法は、社会に出てから通用しない。 多忙なリーダーは、重要事項を一発で覚える。 たとえそれができなくても、復習回数を最小限にし、効果的・効率的に記憶することが大切。

「やばい、キャパオーバーしていて仕事を回しきれていない・・・。」成果を生み出すためにリーダーを務め、多くの責任を引き受けたのはいいものの、こうした悩みを抱く方は少なくないと思います。本記事は、リーダーの方の中でも、「仕事を回しきれていない。」と実感している方、経験した方、キャパオーバー対策したい方に届けていくことを想定して進めていきます。キャパオーバーは解決できます!

そもそもプロジェクトとは何か。それを知ることによって、あなたが現在取り組んでいる活動をもっと豊かにすることができるはずです。プロジェクトの基本を学び、そのプロセスについて考えてみましょう。

大庭彩 上野美叡 2Picks

タスクには明確に優先順位が存在し、正しい優先順位でタスクに向き合うことが締め切りへの余裕につながります。緊急度と重要度のマトリックスを用いて改めてタスクへの優先順位をつけることを意識したいです。

大庭彩 1Picks

皆さんがリーダーを務める組織にはMVVやスローガンと言ったメンバー全員が認識している「共通目標」はありますか? そして、今その「共通目標」を何も見ずに口ずさむことができますか? もし、一度決めたことがある共通目標が形骸化してあまり浸透していない場合は私と同じ苦悩を経験するかもしれません。

大庭彩 1Picks