「困ったら黙る」はもうやめにしよう!困ったときの対処法
2022.07.13
今月の研修:アサーティブコミュニケーション
「困ったときに黙ってしまう」ということ、みなさん一度は経験ありませんか?
でも実はその対応は、相手を困らせています。
「なんで黙っているの?」「黙っていたらわからないよ」などと言われてしまうでしょう。
本当はどうしたらよかったのでしょうか?
今回は、そういうときの対処法について、研修で学んだDESC法をもとに考えてみました。
こんなことありませんか?
「困ったら黙ってしまう」のよくある2つの状況について、実際何が起きているのか考えてみました。
①質問をされたとき、どう答えていいかわからず黙ってしまう。「わかりません」とだけ言う。
実は、質問をされたときに困ってしまう状況は、下記のように色々考えられます。
- 単に勉強不足で答えがわからない
- 考えはあるが自信がもてない
- 考えを整理するのに時間がかかる
- 質問を聞き取れない
- 質問の意図がわからない
- 相手の要求する答えがわからない
- 答えたくない質問だった
- 緊張して頭が真っ白になっている
②怒られたとき、なにも言えずに黙ってしまう。「ごめんなさい」とだけ言う。
このときも、様々な状況が考えられます。
- 言い訳をしていると思われたくない
- ただただ怖くて頭が働かない
- これ以上怒られたくないから下手なことは言えない
- 理不尽に感じているが、この場をとにかく収めたい
- 相手がなぜ怒っているのか理解できない
どちらのパターンも、実は様々な状況があり得ますよね。
黙ったままで、相手にこの状況を察してもらうことはできません。
では、どのように伝えたらよいのか考えていきましょう。
DESC法
まずここでは、研修で学んだDESC法を簡単に以下に示します。
- Describe:事実の描写。状況を客観的に簡潔な言葉で伝えます。
- Express:感情の表現。言葉で冷静に伝えましょう。
- Specify:提案をする。責任をもって具体的な提案をします。
- Consequences:結果を伝える。「助かる」「嬉しい」など提案の効果を端的に伝えます。
困ったときこそDESC法が活用できる
では、先ほどDESC法を応用して、困ったときの対処法を考えてみましょう。
まだ解決できていない課題について、なにか打開策はないか意見を求められたが、考えがまとまっていないとき、みなさんならどう対応しますか?
あくまでも1例ですが、私ならこのように対応するというものを以下に示します。
〇〇は重要な課題ですよね。様々考えていることはあるのですが、考えがまとまっておらず、今すぐ的確に述べることは難しいです。
私に意見があるか聞いていただいたのに、期待に応えられず申し訳ありません。重要な課題についてだからこそ、今はすごく緊張してしまっていて、いきなりだったので動揺もしています。
考えをまとめ、伝える準備をする時間をいただきたいです。順番を最後にしてください。
お時間いただけると助かります。価値を与えられるよう準備したいと思います。
話を聞いていただきありがとうございました。
次からは、DESC法を用いてどのようにこのような対応法を導き出したのかを、説明していきます。
みなさんも、自分ならどのように対応するかを考えながら読み進めてみてください。
Describe:事実の描写
「黙っていたら、考えがまとまっていないからだと、相手に伝わるはず」はNG。
「聞こえていなかったのかな」「聞き方が悪かったかな」「やる気がないのか?」などと、相手を悩ませてしまいます。
まずは、端的に状況を伝えることが必要になります。相手が困る前に、すぐ説明をしましょう。
「〇〇は重要な課題ですよね。それに対して今すぐ自分の考えを的確に述べることは難しいです。考えがまとまっていません。」
Express:感情の表現
「黙っていても、申し訳なく思っていることは、相手に伝わるだろう」はNG。
状況は説明した後だとしても、「やる気がないのか?」「熱意が伝わっていないのかも」と相手は不信感を抱くでしょう。
相手を思いやり、誠実に感情を伝えましょう。
「私に意見があるか聞いていただいたのに、期待に応えられなくて申し訳ありません。重要な課題についてだからこそ、今はすごく緊張してしまっていて、いきなりだったので動揺もしています。」
Specify:提案をする
「黙っていれば、順番を飛ばしてくれるだろう、今度また聞いてくれるだろう」はNG。
信頼を無くし、チャンスを逃してしまいます。
相手に解決策を考えてもらおうと甘えず、責任をもってこちらから提案しましょう。
「考えをまとめ、伝える準備をする時間をいただきたいです。順番を最後にしてください。/3分ください。/次回までに準備してきます。」
時間をもらう場合は、状況に応じて自分で期限を設けましょう。
Consequences:結果を伝える
提案の効果を示しましょう。
「お時間いただけると助かります。価値を与えられるよう準備したいと思います。」
ピンチをチャンスに変えられるように、「自分が助かる」ということだけでなく、「価値を与えられる準備をしたい」などと、相手に対する効果も、付け加えるとよいでしょう。
+α:感謝を伝える
研修で学んだDESCにプラスして、感謝を最後に伝えるとよいのでは?と考えました。
「話を聞いていただきありがとうございました。」
相手への感謝を常に忘れず、コミュニケーションをとっていきたいものですね。
これから研修を受ける方々へ
コミュニケーションがうまくいかないとき、相手や、立場、状況のせいにしてしまうのは簡単です。
しかし、この記事を読んでくださっている皆さんは、そんな時に、「本当は自分に何かできることがあったかもしれない」と考える誠実な方ではないでしょうか。
そんな方に受けてほしい研修です。コミュニケーションを考えるうえで、大切なことを学べます。
自分に何ができるのか、ぜひ考えてみてください。
研修で学んだこと
- コミュニケーションの取り方は3つある
→アサーティブ・パッシブ・アグレッシブ - 相手に認められたいと思ってコミュニケーションをとることは相手にも自分にも不誠実
- DESC法
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