あなたの理想のリーダー像は相手が求めるものではないかもしれない。

今月の研修:リーダーシップパワー理論

これまでリーダーシップに関する記事をいくつか書いてきました。

リーダーは列の先頭に立つか、後ろに立つか。
想定と準備、その範囲はどんなに広くてもいい。
記憶とは何たるかを知らないリーダーはメンバーの非を打つばかり。

私がこれらの記事の中で書いた「列の先頭に立つ」や「誰よりも想定と準備の範囲を広くする」といったことはどんなリーダーにも欠かせないものだと考えます。

しかし、自分が思う理想のリーダーシップをそのまま相手に発揮してはいけない場合があります。

必須スキルと選択スキル

自分が思う理想のリーダーシップをそのまま相手に発揮してはいけないのは、自分が発揮したいリーダーシップと相手が求めるものにずれがある場合です。

リーダーはさまざまな力を持ち得ます。例えば、判断力・決断力、情報力、人脈力、報酬・懲罰を与える力などが挙げられるでしょう。

具体例として「判断力に長けたリーダーを理想とするあなたは、会社においてアルバイトAさんの世話をする係を任されている」と仮定しましょう。

Aさんはさほど成長欲求がありません。その仕事の経験を積んでおきたいなどではなく、単に交際費としてのお金を稼ぎたいと考えています。あなたは、そんなAさんから仕事の内容についてわからないことがあるから教えてほしいと尋ねられました。

判断力を重んじるあなたは、どういう背景があって、どういう根拠によって、どのような仕事を、どのように行ってほしいかを論理的に説明したとします。

Aさんは満足するでしょうか?実のところ、「話長いな……」「結論だけ言ってくれればいいのに……」と思うのではないでしょうか。なぜなら、Aさんは判断力に基づく論理的な説明など求めていないのですから。

つまり、相手が何を求めているかによって、発揮するリーダーシップを変えなければならないのです。

しかし冒頭でも述べたとおり、どんなリーダーにも欠かせないスキルがあるはずです。私はそうした普遍的に重要なスキルを必須スキルと呼び、相手の欲求に応じて発揮すべきかどうかが異なるスキルを選択スキルと呼ぶことにしました。

報酬力・懲罰力とは、それぞれ報酬・懲罰を与える力のこと。

必須スキルは言わばリーダーとしての土台。そして選択スキルはリーダーとしての武器といえるでしょう。上の図はそのイメージです。ここまでで述べてきたように、どの武器を選んで相手と向き合うか、それは相手が何を望んでいるかに依るのです。

ですから、自分が発揮したい、あるいは憧れているリーダーシップのスキルを軽率に相手に押し付けてはいけないのです。

※判断力・決断力は行使するかは別としてリーダーの必須スキルでもあります。

必須スキルの説明はこちら↓

これから研修を受ける方々へ

リーダーであるなしに関わらず、相手のことを思うのであれば、相手の望むものは何であるかを考える視点は欠かせません。本研修は、これまでの人との関わり合いの中で相手の欲求に応えられていたか、信頼を積み重ねられていたかを振り返り、今後どう振る舞うべきかを考えるよい機会になると思います。

研修で学んだこと

  • 成熟度によって相手がリーダーに求めるパワーは異なる
  • 相手から信頼されているかどうかは過去の自分の行いで判断できる

この記事の著者/編集者

藤原穫   

秋田県出身。高校時代は強豪校でバドミントンをしていました。大学に入ってからは民族舞踊に励み、修士2年になった現在は薬物動態の研究をしています。趣味は旅行。死ぬまでにすべての温泉地を回りたいと思っています。これまで複数の組織で培ってきたリーダーシップに磨きをかけるべく、A&PROでの研修に励んでいます。

するとコメントすることができます。

新着コメント

  • 藤井裕己

    2022年08月26日

    こちらの記事を読んで、リーダーとしてのあり方について考えさせられました。

    自分の理想像を相手に押し付けてしまう事態は、誰にでも起きうると思います。「自分本位ではなく、相手の成熟度・欲求を考慮してアプローチを変えるリーダー」となるために、スキルを磨き選択するよう意識していきたいと感じました。

  • 信宗碧

    早稲田大学 文学部 美術史コース リーダーズカレッジ リーダー 2021年07月16日

    リーダーを志す人にはとても学びのある記事でした。リーダーズカレッジの中ではリーダーが持つべき様々なスキルやスタンスを学びます。しかし、それを全てあらゆる場面で適応させようとするのはナンセンスです。組織の状態や相手の状況を把握した上で使うべきスキルの取捨選択をすることが柔軟性のあるリーダーにも繋がるのだと思います。

    今後も学んだことをどう使うか、いつ使うか常に考えながら成長していきます。常に成長を続けながらも知識やスキルの行使に酔わないリーダーになることを目指していきます。

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