「あなたと仕事がしたい!」と思われる行動のすすめ

クレド5.時間の有限性を理解する

限りある時間を有意義に活用するために、準備を徹底していきます。自分の時間を大切にしなければ、他者の時間も大切にすることはできません。他者(顧客・提携先・メンバー)の立場に立ち、一歩先行くサービスを提供します。

「この時間は何だったんだ」と心の中で思った会議

会社やサークルの何気ない定例会議。多くの人数が集まる貴重な機会。

しかしながら、会議はダラダラと始まる

事前に資料は用意されておらず、会議の方向性はいつまでも見えないその場限りのアイデアや突発的な意見によって、議論は盛り上がっているけれど進捗は変わらない状態が続く。

時間は刻々と過ぎていき、気付いたら「本日は以上。また来週話し合おう」と会議は終了を迎える。

参加者は「この時間は何だった?」と内心、疑問に思いながら、顔をしかめて部屋を出ていく。

皆さんはこんな会議に時間を費やしたいでしょうか?おそらく皆さんは費やしたくないでしょう。こんな会議ならば自分の好きなことに時間を使ったほうが有意義ではないでしょうか?

一方で、皆さんの中にはこのような会議を運営してしまったこと、もしくは会議の参加者として、このような会議にしてしまったことがあるのではないでしょうか?

本記事では、限られた時間を有効活用するためにどんな方でもすぐに実践できる「準備」を伝えます。日々多忙で一瞬一瞬の時間を大切にしたい方は是非ご覧ください。また、「相手の時間を使うことに申し訳無さ」を感じて、対話の機会を逃しがちな方も是非ご覧ください。コミュニケーション・会議において必要な準備を知ることで、申し訳無さを解消することが出来ます。

時間の使い方を学ぶ

時間を有効活用できない現実は周囲にも悪影響を与える

会社の命運を左右するアポイント本日はアポイントを成功させるための方針を完成させるための会議だったとしましょう。方針を決めるためには様々な分析が必要であり、AさんとBさんが各担当箇所を調査し、結合することで方針を決定します。Aさんは適当な準備をしたものの、Bさんは準備をしないまま当日を迎えました...

当然会議では何も決まりません。いや、何も決められないのです。お客様に不明瞭な提案をすることは出来ません。そしてこの日に決められなかったことで、資料の精度低下によるアポイントの成功確率低下、Bさんのフォローのための時間・人の活用等の問題が発生します。本来、多くの関係者は自分のために使う予定だった時間を”使われる”ことになります。つまり、限られた時間を有効活用できないことは自分はもちろん多くの関係者に迷惑をかける行為なのです。

時間を頂くという認識から行動を変えよう

私たちは日々時間を提供したり、頂いたりしています。例えば会議には様々な準備がなされています。部屋の事前予約、清掃、参加者の日程調整、資料準備、飲み物購入、部屋までの移動などです。多くの準備がされているということ、つまり「誰かの貴重な時間」を頂いているのです。この頂いた時間を大切に活用するために私たちは適切な準備をする必要があるでしょう。

次章では「互いの時間を大切にするために」行える具体的な取り組み・準備をお伝えします。これらの準備が出来ている人との関係性は非常に豊かなものになるものだろうと想像しながら書いてみました。是非、良いなと思ったものを実践してみましょう。

自他共に準備を行うことで、時間を有効活用する

具体例として、複数の人間が集まり、限られた時間内に特定の目的に関して意思決定をする会議を想定しています。会社や学生団体等で行われる会議を頭に思い浮かべながら御覧ください。

挨拶で準備が出来ていることを示し、自他にスイッチを入れる

何事も始まりは重要です。会議においても最初から全員が集中した状態で始まる場合と眠そうなメンバーがいたり、ぬるっと始まってしまう場合、前者の方が確実に良い話し合いが出来るでしょう。開始時に参加者同士が「宜しくお願いします」と気持ちを込めて挨拶をすることは、会議の時間であることを自他に認知させ、行動・発言の質を高めさせます。

論点を事前に伝え、準備をしてもらう

挨拶で最初に入れたスイッチを継続させ、中だるみすることなく会議を終えたいですよね。そのためには会議の設計が必要になります。会議には明確な目的があり、話し合うべき論点が有るはずです。また、意思決定をする際には事前に判断材料を用意する必要があるでしょう。

会議の効率的・効果的な運営のために論点を事前に伝え、準備してもらうことが大切です。これによって、参加者の目的意識と貢献の場を創り上げることでスイッチを維持させます

また、もしあなたが会議の目的などを事前に共有されていない場合は責任者に聞くようにしましょう。責任者が必ずしも教えてくれるわけではありません。目的を知らずに参加することは、参加者の準備不足ともいえるからです。自分から時間を充実させるための工夫をしましょう。

他者の立場に立ち、一歩先行くサービスを提供するために

私達が会議をやる目的は何でしょうか。社内改革、人事評価、新規サービスの立ち上げ等、様々なプロジェクト、そして付随する会議があります。論点や参加者も異なるものですが1つ大事な共通点があります。それはサービスを提供する相手・組織がいることです。私達は顧客に満足されるようなサービスを創り上げるために、互いの力を発揮し合うチームなのです。

批評家とは組織を目標達成から遠ざける存在である

「このプロジェクトの課題は〇〇である!」、「責任者の考え方がわからない、やってられない...!」こんな発言を耳にしたことはありませんか。私は筋が通っているものならば、これらは尊重されるべきものだと思います。この気持ちや発言は当事者意識がある証拠だと思うからです。

一方で、この伝え方をしている、もしくは分かっているのに伝えない方は非常に残念な「批評家」だと思います。おそらく伝えても周囲の方は動かないでしょうし、伝えない場合は分かっているけど解決できないというストレスになるでしょう。状況を前向きに変化させることは難しいですし、むしろ周囲の方を困惑させるだけです。

批評家から立役者になるために行える2つ工夫

今までの努力・成果に尊敬の気持ちを持ち、批判を指摘に変える

積み上げてきた成果、努力を無下にされることはどんな方も嫌でしょう。自身の気に入らないことがあった際にも、まず相手のこれまでの行いに感謝と尊敬の気持ちを持つ。その上で相手の考え方を十分にヒアリングし、背景や理由を聞き取る。相手方と心地の良いコミュニケーションが出来るのではないでしょうか。こうすることで批判は、現状をより良くするための第一歩となる指摘に変化します。

提案+解決策のコミュニケーションでプロジェクトの立役者に

周囲からみたら誰しもが気付くけれども、目の前に夢中になる気づかなかった問題点・3日くらい寝ずに考えたが解消できなかった問題点があるとしましょう。そうした際にただ問題を伝えられるのではなく、「解決策まで」伝えられたら相手方はどんなに嬉しいでしょうか。誰にだってミスや分からないこともあるのです。

もしあなたがプロジェクトを乱す存在ではなく、プロジェクトを創る仲間でありたいのならば問題点+解決策のコミュニケーションを意識しましょう。提案した解決策を土台に、より良いものをチームで創り上げることは効率的な手法で、組織の価値提供の質向上を実現します。もし解決策が的確ではないとしても、そういった姿勢自体嬉しいものですし、何か恩返しをしたくなるような行為だと思います。

また、そういった行動を繰り返すあなたはいつのまにかプロジェクトを成功に導く立役者になっているかもしれません。

本記事では時間を頂くという認識から、準備の重要性や豊かな関係性を築くコミュニケーションのあり方をお伝えしました。これら全てに共通することは「他者」の立場に立って行動することです。言葉で記載すると簡単のように思えますが、実際は非常に難しいですね。

無意識に他者を傷つけてしまうこともあると思いますが、行動の前に1つ考えるようにしましょう。他者の立場に立った言動が出来ているかを。これが一歩先行くサービスを提供するきっかけになるでしょう。

最後に

私が長期インターンの会社でお世話になっている上司から頂いた言葉があります。

「社内営業だって凄く大事。俺らはチームなのだから。」

社内営業と聞くと良いイメージを持たない方もいるかもしれませんが、最近上司の言葉を理解できるようになりました。私たちは顧客に価値を提供するという難題に挑むチームであり、1人で活動しているわけではありません。あなた1人で解決することはほとんどなく、周囲を頼る場面は多いはずです。

そういった時に「自分と仕事をしたいか」と思われているかどうかは他者の言動を大きく変化させます。今回の記事は社外・社内関係なく、1人の人間として周囲と豊かな関係性を築くための工夫です。

相手の時間を頂いているという気持ちや相手のこれまでの行動に尊敬の気持ちを持った上で様々な準備を行うことで、皆さんとその周りの方の人生が豊かになることを祈っています。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

この記事の著者/編集者

須賀渉大   

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大学3年時までは海外インターンシップ事業の運営、国内外ボランティア、教育系の長期インターンなど様々な活動に尽力。大学4年時には日本最大のキャリア支援団体の早稲田支部長として100人を超える仲間と、事業・組織共に持続的な成長を遂げる団体の基盤創りに挑戦。ボランティアで深刻な社会課題を目の当たりにした経験から「日本を課題解決先進国にしたい」と考えている。社会人では金融とデジタルの分野で専門性を磨き、将来は社会的価値と企業的価値を両立した事業、組織創りに携わり、社会問題の解決及び日本の変革への貢献を志す。

するとコメントすることができます。

新着コメント

  • 大庭彩

    2023年12月16日

    「時間を頂くという認識を持つ」
    「論点を事前に伝え、準備をしてもらう」


    上司にはもちろん、同僚・部下に対しても同様で
    相手の時間を尊重することが重要だということ。

    また
    会議が上手くいっていないと感じる時は、
    会議の目的を明確にし前提条件を揃えることが重要だということ。

    問題解決が目的の、判断・決断を行う会議。
    アイデア出しが目的の、ブレーンストーミングを行う会議。
    ここが混合しないよう注意しながら取り組もう、と
    大切なことに改めて気づかされました。


    素敵な記事をありがとうございます。*

  • 香山 渉

    2022年09月26日

    ・時間をいただいているという認識を常に持つ
    ・批評家ではなく立役者になる立ち振る舞いをする
    この2点で学びを得る記事でした。
    同じ団体で、須賀さんがリーダーとして進められているプロジェクトに私も参加したことがあります。思い返すと、必ずメンバーに向けた感謝と尊敬を伝えていました。また、会議の際には必ず準備を徹底し、全メンバーにとって良い時間の使い方ができるような工夫があったとだと感じました。
    私自身がリーダーとして動かすプロジェクトでも、この記事の内容を忘れずに実行していきたいと思います。

  • 谷口 宗郁

    早稲田大学 2022年09月21日

    ①時間をいただいているという認識をもつ
     こちらは、社会生活を行う上だけでなく
     家族や友人とプライベートを過ごすときにも
     大切な考えだと感じた。一人でいると漫然と
     過ぎるだけに思える時間だが、かけがえのない
     1分1秒だということを肝に銘じたい。
     思えば、ろくな準備もせず遊びや外出に誘って
     両親や親友の時間を奪ってしまったことが多々
     あった。これからは、ほんの少しでも準備をする
     ことで、お互いの時間の充実度を高めたい。

    ②自他共に準備を行うことで、時間を有効活用する
     この考え方をインターン先や研修で教わってから
     会議やMTGなどでは、必ず事前レジュメを作っての
     ぞむようにしている。こうすることで、議事録を
     フォーマットから作る5分を、アイスブレイクの5分
     に充てることができるからだ。また、面接やGDなど
     の際も、1時間ほどかけて資料の読み込みや頭髪の
     手入れなどを行い、ウォーミングアップもかねて準備
     している。やはり、準備して臨む会議や面接は気持ち
     がいい。これからも準備を忘れず、楽しい時間を
     過ごしたい。

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