「影響」を与える意識を持つことの重要性
2021.01.02
今月の研修:社会人として持つべき習慣(私的成功)
はじめに
一つ例え話をしましょう。皆さんは、高校にて文化祭を運営する団体の一員だとします。その時にこんな質問をされます。
「あなたは団体にて、どんな興味・関心を持っていますか?」
多くの人はこの質問に対してスラスラ話せるかと思います。例えば、「コロナの感染者数の増加によって開催方法がどうなるのか」などの関心を持つでしょう。組織に所属しているからには、何かしらの興味はあるはずです。一方で、以下の質問に対してはいかがでしょうか。
「あなたは所属する団体にてどんな影響を与えていますか?」
是非一呼吸おいて、考えてみてください。
皆さんは、スムーズに回答できたでしょうか?
例えば、「担当するパートで会場設営をしていればその活動が文化祭のパフォーマンス公演に役立っている」と回答できます。
しかし、興味・関心についてほどスムーズに言えなかった方もいるのではないでしょうか。
組織の一員として何かしらの役割を全うしていれば、組織内外に与えられる影響があるはずです。しかし日常的には興味・関心を考えるほど影響について考えないのが実情かと思います。
つまり、多くの人は物事に対して興味はあるが、そこに対して影響を及ぼそうとはしない傾向があります。
関心の輪と影響の輪の関係性
ここまで、文化祭団体の例を取り上げてきました。一般的には、関心の広さと影響の大きさは別の言葉を用いて、「関心の輪」と「影響の輪」と表現されます。どんな物事に対しても、人の関心の輪と影響力の輪は定義することができます。
今回は、組織の一員としての観点から、関心の輪と影響の輪に着目しましょう。この2つの輪の関わり合いは大きく4つに分けられます。マトリクス図で詳細を示します。組織の一員である場合、A、C、Dのいずれかに入るかと思われます。
皆さんは、今所属する組織でどの状態にいるでしょうか?
もしあなたが組織で成果を出せる人財を目指すならば、理想はAの状態です。周囲の関心を自分ごとと捉え、仕事を作り出し新たな成果を生み出す、そんな状態です。文化祭の例で言えば、統括のリーダーを思い浮かべてください。最高の文化祭を作り上げるために、必要なこと全てを仕事とし、実行している姿があるはずです。
現在のAの状態であれば、さらにその関心の輪と影響の輪を広げ続けることに邁進しましょう。では、他の状態についてはどうでしょう。
Dの状態は、組織において「受け身」になっている状態です。与えられた仕事をこなすだけでなく、まず組織の活動に対して興味・関心を持ち、Cの状態を目指すことが肝要です。
Cの状態にいると感じた場合は、Aを目指しましょう。そこで、意識すべきことは「組織における自分の関連領域に対して徹底的に影響を与え、影響力を持つこと」です。(本記事では、C→Aの遷移について取り上げます。)
影響を徹底的に与え、影響力を持つ
では、具体的にCの「周囲に対して評論ばかりする人」から、理想状態であるAの「自分から仕事を作り成果を上げている人」になるためには、何をすべきでしょうか?
例として、読者の皆さんが以下のような状況だとしましょう。
- 担当:ダンスサークル用の会場設営
- 具体的な状況:ダンスサークル用の会場設営は順調だが、他のサークル用の会場設営が遅延している。この課題に対して興味はあるが、責任範囲外である。
この状況でCの人は、会場設営が遅れている理由の推測を行い、その担当のせいとするでしょう。関心の範囲ではありますが、影響の範囲ではないからです。
一方でAの人は、課題が影響の範囲にあるため、課題解決のために担当に状況を聞きにいきます。会場設営のメンバーが複数名体調不良で進捗が悪い、ということであれば人材不足を補うため、可能な限り自らのチームからリソースを供給します。自分から仕事を作り、影響を与えている状態です。
自らの責任を全うしながらも、責任範囲に囚われず周りに課題があると感じたら自分から仕事を作り、解決へと動く。これがCからAへ遷移するために非常に重要なことです。
皆さんが目指すべき目標を改めて要約すると、
「目の前のやることを確実に実行しながらも、それに紐づく関心で仕事を作り、周りに価値を届ける」
です。言うは易く行うは難しですが、このプロセスが影響力を高めるのに重要であり、より大きな成果を出すためには必須のマインドセットです。ぜひ皆さんも「A:自分から仕事を作り成果を上げている人」の状態を目指しましょう。このマインドセットで行動し続ければ、必ず理想状態へ辿り着くはずです。
まとめ・これから研修を受ける方へ
今回は、自分から仕事を作り成果を上げていくためのマインドセットを紹介しました。要点をまとめます。
- 関心の輪と影響の輪で、身の回りを表現することができる
- 関心に対して影響力を広げていくのが主体的な生き方
- 影響力を高めるには、目の前の仕事を確実にこなし、かつ仕事を作り出す
最後に、本研修では、リーダーとして必要な資質・スキルを机上の勉強だけでなく、実体験が伴った形で吸収することができます。さらにメンバーとのディスカッションを通して実際の応用まで考えます。本気でリーダーを目指す方は、本研修の参加をぜひ検討してください!
研修で学んだこと
- 関心の輪と影響の輪で、身の回りを表現することができる
- 関心に対して影響力を広げていくのが主体的な生き方
- 知的創造と物的創造の両面が重要
- 依存したメンバーでは強いチームは作れない
髙橋開 早稲田大学大学生