【ビジネス編】コミュニケーション能力が高い人が持っている3つの力

今回の研修:リーダーシップパワー理論

他者に説明したり指示を出したりした際に「言っていることをなかなか理解してくれない」、「指示した通りに行動してくれない」と思ったことはありませんか?
このような場面では、つい相手に非があるように感じてしまいますが、実は自分の取り組み次第でコミュニケーションの質は格段に上がるのです。そこで今回の研修で学んだ、人の上に立つ人がコミュニケーションを図るうえで心得るべきことについてご紹介します。

コミュニケーションに必要な3つの力

人の上に立ち、他者を教え導くべき立場の人が身につけるべきコミュニケーション能力には3つの重要な力があります。それは「感じる力」、「合わせる力」、「流れを作る力」です。一つずつ詳しく説明していきましょう。

感じる力

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人は誰しも考えていることや求めていること、価値観が異なります。これらの違いを意識しないまま会話を進めたり、指導を行ったりすると上手くいかないことがほとんどです。したがって、相手の意図や欲求を感じ取ることが大切になります。

では、感じる力を鍛えるためにはどうしたら良いでしょうか。実は、感じる力が高い人に共通している4つの重要なポイントがあります。それらを真似れば、おのずと感じる力は磨かれるでしょう。

まず、もっとも重要なのが相手の目的を探ることです。感じる力が高い人は、相手が何のために自分と話しているのかを見つけています。相手の口調や態度、会話の内容から汲み取ることが難しい場合は、遠慮せずに目的を聞くこともあります。

この質問することが2つ目のポイントです。コミュニケーション能力が高い人は、会話の中で腑に落ちない部分や理解できない部分があれば、そのまま放置せずに質問して確認しています。何となくで流さずにきちんと確かめることで認識を擦り合わせているのです。

3つ目は話の要点を押さえること。会話の中で特に重要な部分を見逃さないので、相手の意図や欲求にも気づきやすくなります。話の要点を掴むのが苦手な方は、メモを取ったり、相手の発言後に内容を要約したりする習慣をつけると良いでしょう。

最後は教養を身につけることです。知っていることが多ければ多いほど、さまざまなタイプの人のことが理解でき、話が合うようになります。一朝一夕で身につくものではありませんが、日頃から新聞やニュースで情報を集めたり、読書をしたりと少しずつ教養を高めることが大切です。

合わせる力

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考えていることが異なれば、行動の仕方も異なるのが普通です。マイペースという言葉がある通り、人は誰しも自分独自のペースを持っており、マイペースに生きたいと考えている人は多いでしょう。ですから、相手のペースを尊重して合わせる力を身につけると「自分のことを分かってくれている」と感じてもらいやすいです。それはつまり、信頼され心を開いてもらいやすくなるということでもあります。すると、より相手のことが理解できるようになり、どんな風に言えば相手に伝わるのか、どうすれば動いてもらえるのかが分かるのです。相手に合わせた言い方や提案をすることで、適切なマネジメントができます。

ただし、八方美人になってはいけません。八方美人は本当の意味で相手に合わせているとは言えないからです。人に合わせて自分を変えていては周りに不信感を抱かれてしまいますし、自分自身も疲弊するでしょう。

たとえば、「○○だと思います」という意見に対して、自分は賛成していないのに「私もです」と返すのは間違った合わせ方です。本当に同じ意見ならば良いのですが、そうでない場合は追従することも反対することもせず、「あなたは○○だと思うのですね」とオウム返しをするのが正しい合わせ方です。この返し方ならば、相手のことを本当に思いやり、受け入れる姿勢を示すことができます。その人に対して誠実に向き合おうとするなら、自分を変えるのではなく相手を尊重することが重要です。

流れを作る力

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人の上に立つ以上、会話をコントロールできるようにならなければいけません。誰かに委ねるのではなく、自分自身が積極的に働きかけるのが、人の上に立つ者としての正しい在り方です。人任せにした受け身の姿勢では、為すべきことも為せません。ですから、会話を主導するだけの力は非常に大切です。流れを作るということは場の雰囲気さえも支配するということ。堂々とした話し方や適切なアイコンタクトはもちろん、間の取り方や言葉遣いなど細かなところまで気を配る必要があります。また、相手を話に引き込むために時折ジョークを交えたり、簡単な質問を投げかけたりするのも効果的です。

このような話術は、座学だけでは決して身につきません。とにかく繰り返し実践することが重要です。普段の何気ない会話でも意識して話すだけでも十分な訓練になるので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

これから研修を受ける方々へ

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A&PROでは「あらゆる仕事はコミュニケーションと結びつけると豊かになる」として、各研修や普段の取り組みでも非常にコミュニケーションを大事にしています。今回の研修で学んだのは、人の上に立つ者として人と対峙する時に注意すべきことや信頼関係についてでしたが、やはりここでもコミュニケーションが大きく関わっていました。

この記事でご紹介した「感じる力」、「合わせる力」、「流れを作る力」については研修内で掘り下げていないものの、A&PROの理念にも関わる大切なこととして一人一人が重視していることです。これら3つの力を意識しているメンバーとだからこそ、納得のいく議論ができますし、効率的にプロジェクトを進められるのだと思います。

ぜひ、あなたにもこの環境を味わっていただきたいです。自らの成長を感じられる充実した日々が待っているでしょう。

また、この記事をきっかけにして、あなた自身が豊かな環境を作り上げていくのも一つの手です。どのような選択をするにせよ、高みを目指して努力するあなたをA&PROは応援しています。

この記事の著者/編集者

久保井美愛   

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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