サービスの質は事前に決まっている

今月の研修:サービス理論(基礎1)

無形サービスと言われてどのようなサービスを思い浮かべますか。

有形サービスでは家具や食料品など形のある商材を提供するのに対し、無形サービスでは目に見えない商材を扱います。塾講師やジムのインストラクターなどの顧客に対する指導が無形サービスに含まれます。

飲食店においても無形サービスは行われています。有形サービスを提供する場合でも無形サービスと切り離すことは出来ないのです。

この記事では、無形サービスの特徴と、質を向上させるために必要なことをまとめました。皆さんもこの記事を読み、自身の活動に繋げてみてください。きっと、より豊かな活動が出来るようになると思います。

特徴を捉え、差別化

無形サービスと言えば、教育など、形を持たないものをイメージするでしょう。しかし、飲食店や量販店での接客も無形サービスの一種です。また、インターネットショップにおけるお客様専用のおすすめ商品も無形サービスに含まれます。有形サービスや、対面で接客しないビジネスにおいても無形サービスが存在しているのです。無形サービスの主な特徴として以下の4つが挙げられます。

  • 無形性:サービスは目に見えない
  • 非分離性:サービスは生産・消費が同時
  • 変動性:サービスは、提供者、時間、場所によって大きく左右
  • 即時性:サービスは在庫を持てない

無形サービスを提供するならば、これらの特徴を補うだけでなく、特徴を活かすことで有形サービスとの差別化を図る必要があります。

例えば、教師が授業を行う場合、生徒や環境により授業内容を変化させないのであれば、無形サービスである必要はありません。動画を撮影し有形サービスとして提供する方がコストが抑えられ、より合理的なサービスとなるでしょう。無形サービスとして提供するなら、特徴を最大限活かし有形サービスと異なった特長を出すべきなのです。

非分離性

4つの特徴の中でも非分離性は特に無形サービスの長所と言えるでしょう。生産と消費が同時であるということは、生産者が顧客の反応を直接見ながら生産することが出来るのです。つまり、世界に一つしかないサービスを提供することが出来ます。

しかし、この特徴は諸刃の剣でもあります。生産と消費が同時であり、生産後に生産物の品質管理が出来ないため、間違いがあったとしてもそれを直すことが出来ません。

それにも関わらず、消費という経験は簡単には無くすことが出来ません

例えば、教師が歴史の授業で年号を誤って指導し、のちに誤っていたことが判明したとしましょう。今まで間違いのない正確な授業を行っていたとしても、「あの先生は年号を間違えたことがあるから、また間違えるかもしれない。」そのような意識を生徒に植え付けてしまうかもしれません。

相手からの信用を失わないために、間違いの起きないサービスを提供する必要があります。そのため、事前研修などの事前準備が大切になります。

仮にある商品に異物が混入していた場合、その商品は質が悪いというイメージが強く残るでしょう

なぜ事前準備が必要なのか

事前準備は顧客に対し、誠実であるために必要になります。

顧客はサービスを提供する側に何かしらの期待を持っています。また、サービスを提供する側はその期待を超えるサービスを提供することで活動の価値を高めることが出来ます。

サービスを提供する側のあるべき姿として、顧客の顕在ニーズだけでなく潜在ニーズを満たしていくことが挙げられます。これを実践していくことが誠実な対応と言えるでしょう。事前に起こりうることを想定し、対応できる幅を広げておくことで誠実な対応をとることが出来ます。そのため、事前準備が必要になるのです。

無形サービスは相手との信頼関係が成り立つことで、最大限の効果を発揮します。間違った生産物が消費されることがないよう、事前準備が欠かせません。一度失った信頼を取り戻すことは非常に困難です。信頼を掴み、失うことがないよう事前準備を徹底しましょう。

無形サービスとしての試験官

先日、大学入試の試験官バイトをしました。試験官に求められる主な仕事は、カンニングが出来ない雰囲気を作ることや試験終了時の解答用紙の回収です。細かい作業としては、試験開始前の道案内、試験中のトイレへの付き添いなどもあります。

試験官にとってはただのバイトに過ぎませんが、受験する学生にとっては人生を大きく左右する一大イベントです。そのため、試験官には誠実な対応が求められます。

試験官バイトにおいても事前準備は欠かせません。時間を正確に計るために時計を秒針まで揃える、道案内を的確に行うためにトイレの位置を確認する、試験中の伝達を行うために本部の位置を確認することなどが挙げられます。私の行った試験官バイトではこれら全ての項目を教えられることはなく、自分で確認する必要がありました。

そこで早めに集まり、時計合わせ、各施設の場所確認など、事前準備を徹底することで良質な無形サービスを提供しようとしたのです。実際、試験時間中に受験生のトイレに付き添う機会もありましたし、他の試験監督と時間を確かめる機会もありました。どちらも事前準備を行っていたために対応することが出来ました。

これから研修を受ける方々へ

この研修では、無形サービスの特徴を押さえたうえで、自分たちがサービスを提供する上で何に気を付けるべきなのか考えます。上質なサービスを提供するために必要な意識を持てるようになりました。無形サービスは接客などの形で様々な仕事に関係してきます。無形サービスの特徴を捉えることで、より豊かな生産活動を行えるようになると思います。

研修で学んだこと

  • 無形サービスの特徴(無形性、非分離性、変動性、即時性)
  • サービス品質の主要な決定要因
  • 消費という経験は簡単にはなくすことが出来ない
  • 顧客満足度の分析はサービス方針に合わせて行う
  • 顧客に言われてから動くのでは手遅れ

この記事の著者/編集者

長谷川拓志 早稲田大学 創造理工学部 大学生 

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

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