職場の人間関係に疲れた人必見!トラブルを改善する魔法の会話術

今月の研修:アサーティブコミュニケーション

「どうして上手くいかないんだろう」、「分かってくれないのが辛い」と人間関係で悩むことはありませんか?

時には自分自身を酷く責めてしまい、どうしようもなく疲れることがあるかもしれません。思わず関係をリセットしてしまいたくなるほど、何もかもが面倒臭いと感じることもあるでしょう。ですが、本当はもっと上手に人付き合いをしたいと思っているはず。よって、ここでは人間関係が上手くいく話し方のコツをお伝えします。

人間関係は難しい

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生きていれば、さまざまな人と関わります。学生時代であれば好きな人とだけ一緒にいることもできますが、社会に出てからはそうもいきません。ほとんどの場合、同僚や上司、顧客、取引先を選んで仕事をすることはできないからです。そのため、仕事の人間関係が辛いと悩む社会人は少なくないでしょう。

しかし、このような状況が続くと「自分には人付き合いが向いていない」、「何をしても無駄だ」などと自暴自棄になってしまうことがあります。そういった考えを持つと負のループに陥ってしまい、その他の人間関係も崩れてしまいかねません。ですから、少し立ち止まって考え直してみてほしいのです。

あなたがダメな人間なのではなく、周りが100%悪いというわけでもなく、ただ人間関係が複雑なだけ。思い返してみてください。これまで辛いと思ったことや難しいと思ったことの大半は人間関係が絡んでいませんでしたか?

人はそれぞれ見た目も価値観も違っています。だからこそ人の数だけスタイルがあり、上手く当てはまる場合もあれば、まるで合わないこともあるのです。言うなればパズルのピースのようなもの。自分の形に合わない人がいるのは当然と言えるでしょう。

「人間関係は難しくて当たり前」

傍から見れば人付き合いが上手く社交的な人であっても、何かしら人間関係で悩みを抱えています。これを知っておくだけでも苦手意識が緩和され、少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。気張らず自然体で向き合うこと。それが良好な関係性を築く第一歩です。

アサーティブコミュニケーションとは

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職場では最低限の事務的な会話だけ。
口を開けばトラブルばかり。

このような状況、できることなら避けたいですよね。そのために重要な人間関係を上手に築く方法の一つがアサーティブコミュニケーションです。アサーティブコミュニケーションとは、言葉の通り「自分の意見をはっきり述べること」を重視したコミュニケーションを意味します。もちろん、ただ単純に自己主張すれば良いというわけではありません。これには「相手の意見や気持ちにも配慮すること」が前提としてあります。つまり、相手のことも自分のことも尊重した話し方がアサーティブコミュニケーションなのです。とはいえ、このような定義だけではなかなかイメージしづらいと思います。ここで、2つのシチュエーションを例に見てみましょう。

仕事を依頼する時

【NG例】
「クライアントから修正依頼が来たのですが、私は対応する時間がないので、このデザインを明日の18時までに修正してもらえますか?」

【OK例】
「クライアントからのご要望で、このデザインを明日の18時までに修正しなければいけないんです。本当は私の担当なのですが、あいにく訪問があって納期に間に合いそうになく……。それで、仕事が早くて丁寧な○○さんにお願いしたいのですが、対応していただける時間はありますか?」

依頼している内容自体は同じですが、上の例と下の例では印象が大きく変わりますよね。たとえば、仕事を頼む背景や、その人にお願いしたい理由を添えると誠実さが伝わります。また、時間が取れるかどうかを聞き、相手の状況を把握・尊重することも大切です。このように伝え方を少し工夫するだけで、相手との関係を良好に保つことができ、依頼も気持ちよく引き受けてもらえます。

期限直前に仕事を依頼された時

【NG例】
「分かりました、何とか頑張ります……(あぁ、引き受けちゃった。残業はするとして間に合うかな)」

【NG例】
「私にも自分の仕事があるんです。どうしてこんなギリギリになってから言うんですか?もっと余裕を持って依頼してもらわないと困ります」

【OK例】
「申し訳ないのですが、他の仕事があるので、今からでは期限に間に合わないかもしれません。期限を3時間ほど遅らせていただくことは可能でしょうか?」

【OK例】
「今からだと、すべて対応するのは厳しいです。私は1時間ほどであればそちらに時間を割けるのですが、どなたか他にサポートしてくださる方はいらっしゃいますか?もしくは、私が今持っている案件をどなたかに代わっていただくことは可能でしょうか?」

仕事をしていればイレギュラーな案件が出てくることは避けられません。そのたびに理不尽な思いをする方もいることでしょう。しかし、アサーティブコミュニケーションを心得ていれば、相手も自分も傷つく(損する)ことなく、最も良いWin-Winの解決策へと導くことができます。その場でとっさに考え、言葉にするのは難しいかもしれませんが、以下の2つのことを念頭に置くだけでもかなりコミュニケーションの質が上がるはずです。

  1. 確認を徹底する
  2. 資源を広げる

まず、自分の状況を明示し、相手の状況も適切に把握すること。すなわち確認を怠らないことが大切です。お互いの状況を正しく知ることで、双方にとって最も良い案が生まれます。

また、既存の枠にとらわれるのではなく、資源を拡張してみると、誰もが尊重される案を見つけやすくなるでしょう。ここで言う資源とは、人・もの・金銭・時間・情報のことです。「行き詰まった」、「交渉の余地がない」と感じた時こそ、この2つを思い出してみてください。

これから研修を受ける方々へ

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人間関係が上手くいかないと悩むことは少なくありません。他者と関わり合いながら生きている以上、避けては通れない重要課題と言えるでしょう。生きづらい世の中だと感じるかもしれませんが、そのような状況でも最善を見出すきっかけになるのがアサーティブコミュニケーションです。今回、ご紹介した内容はその一部に過ぎませんが、少しは生きづらさを解消するお手伝いができるのではないかと思います。

A&PROでは、この世の中で「より良く生きる」ためのさまざまなノウハウを提供しています。興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。実際の研修に無料で参加することができます(下記関連リンク先参照)。研修を受けるのが難しいという場合には、サイトの右上にある「アカウント登録」をしていただければ嬉しいです。A&PROに蓄積されたノウハウの一部が、記事情報としてメールで届きます。各記事へのコメントもできるので、ご意見・ご質問を気軽にお寄せいただくことも可能です。

ここに辿り着いたあなたが、周りも自分も大切にする素敵な生き方ができるよう、A&PROは応援しています。

関連:1day研修体験

研修で学んだこと

  • 4つの柱:誠実・対等・率直・自己責任
  • 7つの基本姿勢:コミュニケーションを取る時に必要な心構えと行動
  • DESC法:状況描写・心情説明・提案・結果示唆

この記事の著者/編集者

久保井美愛   

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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