「やる気のある生徒は必ず伸ばせる」と言えるだけの講師を目指したい
2020.04.20
研修を通じて気づいたこと・今後に役立てられること
1.原理原則に即した基準の重要性
物事の数値化を行う際に、原理原則からズレることのない基準を導入することが重要だと感じました。
2.人を育てるために求められるもの
塾講師として、単に成績を伸ばすことだけでなく生徒を育てることを考えるならば、生徒の内面まで踏み込んでいくことが重要であると感じました。
3.共感することへの課題
自分の弱点として、相手の立場に立って考えポジティブな面からアプローチすることが苦手である、ということに気づけました。
研修の中で共感と同情の違いを学び、 その後共感を示すことを目的にロールプレイングを行いました。その際、相手に共感の意図が上手く伝わらなかったのです。知識として学ぶことと実際に活用することの間に大きなギャップを感じました。
今後の生活の中で実践を続け、トレーニングしていきたいです。
心境の変化
私はこれまで他の塾で講師として働いている際、終始生徒に対し成績を伸ばすためだけの教育を行っていました。そこでは相手に深く向き合うようなことはなく、また自分との相性の合う生徒・合わない生徒がいることも当然であると考えていました。
今回の研修を経て、人を育てるという観点からの教育論に触れて感動したと同時に、教育のプロを目指す以上、「やる気のある生徒は必ず伸ばせる」と言えるだけの講師を目指したいと思うようになりました。
3日間の実践記録
研修で学んだこと
- 責任・権限・義務
- コミュニケーションは仕事を豊かにする
- 限られた時間を有効活用
- 概念化・構成要素・数値化・ダブルチェック
- PREP法
- 潜在ニーズ
- 相手の存在を信じる
- 誤解なく、自分の意図を伝える
- 共感・同情
- 人を育てる
- 目的・目標とモチベーションを結びつける
- 目標に向かって主体的に取り組むよう導く
Gmap-c(目標設定・成果と課題の把握)
1日目:目上の方との会話を臆すること無く行うための技術と自信をつける
- 目標 Goal (本日の目標と計画の宣言)
研修における議論・ゲームに対し積極的に参加し、自身における現状の問題点を明確化する。 - 実施内容 Measure (現状・成果の把握)
目標達成度: 90%
対話や議論の中でも積極的に発言し、納得行くまで議論することができた。この中で自分の弱点を明確化すること、及び気づいてなかった弱点にも気づけた。 - 考察 Analyze (ギャップの分析・課題の抽出)
・守るべき原理・原則を忘れて、自分本位に考えてしまう癖があることに気づいた。
・目上の人と話す際、人として共感できる部分と立場の違いから生じる相違点を意識できていないことに気づいた。 - 対策 Plan (今後の対策・計画)
・特に評価を行う際には常に原理・原則を意識する。
・言われたことをすぐ身につける技術が未熟なので3日間をかけて定着させる。
2日目:独りよがりな考え方にならないようにする
- 目標 Goal (本日の目標と計画の宣言)
・常に守るべき原理・原則に忠実に考える。
・独りよがりな考え方になる原因を見抜く。 - 実施内容 Measure (現状・成果の把握)
目標達成度: 0%
・ロールプレイング等に積極的に参加できなかった。
・他人と作業をする際、相手の立場に立って考えることが苦手であり、ニーズの把握に失敗していたことに気付いた。 - 考察 Analyze (ギャップの分析・課題の抽出)
・潜在ニーズを汲み取ることが苦手であった。
・不完全な意見を出すことが苦手であるという新たな弱点に気付いた。 - 対策 Plan (今後の対策・計画)
・今日学んだことは現状ほとんど定着していないため、明日までにしっかりと練習を積む。
3日目:他者の立場に立って考えられるようになる
- 目標 Goal (本日の目標と計画の宣言)
昨日の復習で浮かんだ疑問点を解消し、三日間の内容を有機的に結びつけて理解する。 - 実施内容 Measure (現状・成果の把握)
目標達成度:50%
実際に自分が経験した例を元に、生徒と真剣に向き合う方法や、未来の目標を見据えて主体的に取り組ませるアプローチを学べた。 - 考察 Analyze (ギャップの分析・課題の抽出)
・相手のポジティブな面に着目してほめることが苦手であった。
・相手に誤解のないように意図を伝える難しさを感じた。
・生徒と向き合うために、生徒の内面までふみこむことが苦手であることに気付いた。 - 対策 Plan (今後の対策・計画)
今回行ったロールプレイングは生徒の数だけ存在するので、今までに出会った実例を元に、どのように対処すべきであったか考える。
これから研修を受ける方々へ
これまで私は他の塾で講師として働いていたこともあり、教育について幾分か分かったつもりになっていました。しかし、今回の研修を経て「真に人を育てるとはどういうことか」を改めて再認識させられることになったのです。
人を導くにあたって、自分はまだまだ知識も経験も足りてないことに気付かされました。
A&PROより
人を育てるための教育では、自分がその人に寄り添いながら、その人がどうすべきかを二人で模索することが重要です。この研修を通じてその実践、特に共感することの難しさに気づきを得ていただきました。
共感は、コーチングにおいて相手との関係を築く際に必要なこととして挙げられます。相手の持つ感情に寄り添うことで、相手を自分が尊重していること、親身になって考えていることを示せるのです。
同情と違う点として、共感はポジティブな感情に寄り添うことだと言えます。自分がポジティブな面にアプローチすることで、成長欲求を行動に移したいという気持ちが相手に芽生えるのです。例えば宿題が多いと嘆く生徒に対しては、「辛い」という感情に同情するのではなく「受験に受かりたい」という感情に共感することで、生徒自身に宿題をしたいという気持ちが生まれます。
このように共感の重要性を理解すること自体は難しくありませんが、これを実際に活かすには日々の努力が不可欠です。その理由の一つが、生徒の考えの理解が共感するために必要なことだからだと私は考えています。つまり相手がどう成長したいかによって共感すべき感情も変わるのです。例えば上記生徒の例は前提として「受験に受かりたい」生徒の話でした。しかし、この生徒が「自分は卒業したら進学ではなく就職をする。就業訓練の時間が欲しい」と考えているなら、上記のような共感の言葉は全く相手の気持ちに寄り添うことになりません。共感を正しく行うためには、生徒に対する傾聴を日々怠らない努力が必要となるのです。
今後の生活での実践・トレーニングを経て、生徒一人一人の成長欲求に誠実に向き合い、共感しながらコーチングを行うような講師となれるよう、応援しています。
(リーダーズカレッジ:野澤)
本田花