考え方の癖はコミュニケーションの癖になる

今月の研修:アサーティブ研修

皆さんは相手の思いも自分の思いも最大限に考慮したコミュニケーションを取れていますか?
案外どちらか感情を優先して議論が進んでしまうことが多いかと思います。

今回の記事では日常のあらゆる場面で起こる『コミュニケーション』をテーマに、理想的な”アサーティブ”コミュニケーションについてご紹介します。

今回の記事で伝えたいことは以下の2点です。

  • コミュニケーションタイプは『自己主張』と『思考の柔軟性』のバランスから
  • 思考を変えるには言葉を変える

3つのコミュニケーションタイプ

コミュニケーションは3つのパターンが存在します。

下記の表では、コミュニケーションタイプ別の関わり方や考え方を紹介しています。

コミュニケーションタイプ人との関わり方考え方
アグレッシブ高圧的にコミュニケーションを取る。
相手<自分
自分の中の常識や考えに固執し、曲げない。
自己主張>思考の柔軟性
パッシブ必要以上に下手に出てしまう。
相手>自分
自分の考えに自信がなく、相手の意見を受け入れていれば良いだろうと考える。
自己主張<思考の柔軟性
アサーティブお互いの主張を尊重し、対等な関係を作る。
相手=自分
自分の意見を持っているが、相手の意見や言い分を尊重し、お互い納得できる結論を探す。
自己主張=思考の柔軟性

パッシブとアグレッシブのどちらに偏ってもいけません。自分の主張と他者の主張を尊重できるアサーティブなコミュニケーションを目指すべきなのです。なぜなら、誰かの意見だけでなく、皆の意見が尊重され、建設的に議論を導ける組織を作ることが、組織の強みであるメンバーの多様性を最大限に引き出せるからです。


それでは、そんなアサーティブコミュニケーションの身につけ方をご紹介します。

コミュニケーションの違いは『自己主張』と『思考の柔軟性』から

それではこの3つのコミュニケーションはどこで違いが出てくるのでしょうか?それは『自己主張』と『思考の柔軟性』のバランスの違いです。

『自己主張』とは自分の持っている考えを伝えきることが出来る力です。これは自分の意見に自信を持ち、相手に主張しきれるかに影響します。
『思考の柔軟性』とは相手の意見を聞いて自分の考えを変えられる力です。これは自分の意見に固執せず、臨機応変に自分の考えを変えられるかに影響します。

自己主張が強く、柔軟性が弱いと、自分の主張を優先し、相手の考えを変えることが目的のアグレッシブなコミュニケーションになってしまいます。

一方で、自己主張が弱く、柔軟性が強いと、相手の意見ばかりを尊重し、我慢し続けるパッシブなコミュニケーションになってしまいます。

アグレッシブ・パッシブな考え方を変えるためには

それでは自己主張と柔軟性を併せ持ったスタンスを持つためにはどうすれば良いでしょうか?それは決めつけの単語を使わないことだと考えています。決めつけの単語、というのは『どうせ○○』、『普通○○』といった最初から考えが偏った状態を示す言葉です。

例えば、私自身は比較的パッシブなコミュニケーションをするタイプでした。
私の悪い癖として、『人はどうせ変わらない』『自分が言っても意味がない』と相手や自分に対して、何かする前に決めつけてしまう傾向があり、相手に非難・批判されても、無理に反論せずに適当に話を合わせて丸く収めようとする場面が今まで多くありました。

一方で、アグレッシブなコミュニケーションタイプで考えれば、『普通に考えたら』や『常識的に考えれば』と自分の軸で相手を決めつけてしまい、一方的な議論になったり、相手を無闇に傷つけたりすることがあるでしょう。

このような状況では、相手と自分の意思を尊重したアサーティブなコミュニケーションは取れません。

卑屈にならない。言葉を変える。

私は現在所属しているキャリア支援団体において、複数あるセクションの内の1つのリーダーを務めています。組織の1分野のリーダーともなれば他の分野にも目が向くようになり、他セクションに対しても「もっとこうすれば良いのに」という改善案が浮かんでくることも少なくありません。

研修を学ぶ前までの自分は、「どうせ自分の担当外だから言っても変わらない」と思い、誰にも何も言わないままに終わることがほとんどでした。

しかし、今回の研修で学んだアサーティブコミュニケーションを実戦する上で、相手と自分の意見を考慮し、お互い建設的に議論を進めていく技術を学びました。だからこそ、後は行動に移すのみです。これからは「建設的に議論を進めれば、お互い納得した結論にたどり着ける」という考えの元に自らの影響範囲の幅を広げていきたいと考えています。

最後に

皆さんのコミュニケーションタイプ、またはつい言ってしまいがちな口癖は何だったでしょうか?
考え方の癖はコミュニケーションの癖に繋がります。自分のコミュニケーションを変えたいと思う人はつい自分の中にある偏った考え方に向き合い、自覚することが第一歩となるでしょう。

これから研修を受ける方へ

今回の研修はコミュニケーションを取る上で、つい相手と険悪になってしまうアグレッシブな方や抱え込んで不完全燃焼になってしまうようなパッシブな方におすすめの研修です。

自分がコミュニケーションを取るとき、考えが偏ってないか、相手に対して何か決めつけてないかを意識して修正していけば、建設的にお互いの意見を主張し合えるアサーティブコミュニケーションが出来るでしょう。

今回の研修で学んだ内容

  • アサーティブコミュニケーション
  • アグレッシブコミュニケーション
  • パッシブコミュニケーション
  • パッシブコミュニケーションは皮肉的になる。
  • 相手に対しても自分に対しても誠実である。
  • 思い込みを捨てる。

この記事の著者/編集者

信宗碧 早稲田大学 文学部 美術史コース  リーダーズカレッジ リーダー 

就職活動を通して就職後のキャリアを楽しみにしている学生が少ないことに課題感を覚え、大学生に向けたキャリア支援を行うNPO法人『エンカレッジ』に加入。
納得したキャリア選択のためには視野を広げることや自分の中のバイアスに向き合うことが重要だと考え、学生に考えるきっかけを提供できる企業案件の担当するセクションのリーダーを務める。

現在10人規模のメンバーのマネジメントと支部のブランドイメージ構築に向け、活動しています。

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