【遠慮なく言える】お客様の声を引き出す関係性の作り方
2022.08.29
今月の研修:サービス理論(基礎2)
今回の研修を受けて、企業と顧客間の良い関係性を指す「学習関係」について学びました。
私は個別指導塾でアルバイトをしており、生徒との関係性に配慮しながら日々指導に励んでいます。そこで、この記事では個別指導塾でのアルバイト経験を、「学習関係」と関連させて振り返ろうと思います。
多くのビジネスは、顧客との関係性から影響を受けます。この記事が読者の皆さんと顧客の関係性を見直すきっかけになれば幸いです。
学習関係とは
「学習関係」とは、「顧客が自らのニーズを企業に知らせ、企業も積極的に顧客のニーズを聞き出し、顧客満足度の向上に努める関係」が企業と顧客との間に成立している場合を指します。
学習関係は顧客を維持するのに非常に効果的であると考えられています。
学習関係を要素に分けて考える
学習関係についてより深く理解するために、学習関係を以下2つの要素に分けて考えてみます。
- 企業が積極的に顧客のニーズを聞き出し、顧客満足度の向上に努める
- 顧客が自らのニーズを企業に知らせる
要素1:企業が積極的に顧客のニーズを聞き出し、顧客満足度の向上に努める
1つ目の要素として、「企業が積極的に顧客のニーズを聞き出し、顧客満足度の向上に努める」ことが挙げられます。
たとえば、勉強でつまづいている生徒が先生に質問するとします。この場合、生徒の疑問点を積極的に探してくれる先生は、質問対応の満足度が高くなるでしょう。このような先生は、積極的にニーズを聞き出そうとしているのです。
この要素を実践するためには、潜在ニーズにアプローチする意識が大切です。
潜在ニーズは、顧客は自覚していないが、満たされると顧客満足度が大きく向上するニーズのことを指します。顧客が自覚していない分、潜在ニーズを把握するためにはより注意深く顧客を理解する必要があるのです。
潜在ニーズにアプローチする方法として、「なぜ」と繰り返し問いかけることが挙げられます。理由や原因を深掘りしていくことで、根本的な原因にたどり着き、潜在ニーズを把握することができるのです。
要素2:顧客が自らのニーズを企業に知らせる
2つ目の要素として、「顧客が自らのニーズを企業に知らせる」ことが挙げられます。
この前提には、顧客の、企業がニーズに応えてくれるという信頼があると考えられます。なぜなら、顧客の要望に応えてくれない企業に対して、顧客はニーズを伝えようと思わないからです。
先ほどの例を考えてみます。生徒はこれまでに何度も質問をしており、その度に理解するまで根気強く教えてくれた先生がいるとしましょう。この場合、生徒は質問することを躊躇わないはずです。むしろ、進んで質問するのではないでしょうか。
この要素を実践するためには、顧客のニーズを満たした実績を積み重ね、信頼を得ることが重要です。
信頼は実績を積み重ねることでしか生まれません。根気強くニーズに向き合い続けましょう。
塾講師と生徒間での学習関係
ここでは、私が塾講師のアルバイトをする中で、生徒と学習関係を築くことができた経験を紹介します。
私がアルバイトとして勤務する塾は、1対1の個別指導形式を取っています。そのため、集団塾と比べて生徒1人ひとりのニーズに向き合いやすい環境であり、生徒側も自分に合わせた指導を望んで入塾します。
しかし、生徒のニーズを把握することは簡単ではありません。分からないところがあっても質問できない生徒もいれば、そもそもどこが分からないか分からない生徒もいるのです。
実際に私が担当している生徒に、「何か質問ある?」と聞くといつも迷ってから「ないです」と答える生徒がいました。しかし、その生徒は学んだ内容を自分の言葉で説明することができず、テストの出来も良くありませんでした。理解できていない部分があるにも関わらず、質問することができていなかったのです。つまり、生徒が自身のニーズを講師に伝えていない状況です。
そこで私は、生徒のニーズを聞き出すために「なぜ」を深掘りしました。具体的には、以下のような深掘りを行いました。
結果として、長文の内容理解という顕在ニーズだけでなく、スケジュール管理という潜在ニーズにもアプローチすることができました。
潜在ニーズにアプローチする姿勢を継続したことで、その生徒は些細な疑問点も質問してくれるようになりました。
ニーズに向き合い続けて生徒からの信頼を得たことで、生徒から積極的にニーズを伝えてくれるようになったのです。
今後に向けて
ビジネスにおいて、顧客との関わりは避けられません。
一人ひとりの顧客と真摯に向き合い、学習関係を築いて長期的に関わり続けていく。そんな人財となり、社会で活躍していきたいと思います。
これから研修を受ける方へ
この研修では、サービス理論について、自身のプロジェクトと関連させながら実学的に学ぶことができます。「自身のプロジェクトに直結する学びを得たい」「マーケティングに関する実用的な学びを得たい」そんな人におすすめできる内容です。
今回の研修で学んだこと
- One To Oneマーケティングの5つの構成概念
- 顧客内シェア
一人の顧客に自社のサービスを繰り返し利用してもらうことが目的 - 顧客識別
企業側の重要度に応じて顧客を差別化し、個別のニーズに応じた対応を取る - カスタマイゼーション
商品・サービスを各モジュールから構成できるようにし、顧客ごとに最適な商品・サービスを提供する。 - 学習関係
顧客が自らのニーズを企業に知らせ、企業側も顧客にニーズを聞き出し、顧客満足度の向上に努める関係。
- 生涯価値
一人の顧客が一生涯の間にある商品・サービスに費やす金額の合計。短期的な損得にとらわれないことが重要。
- 顧客内シェア
- COPQ(Cost Of Poor Quality)
低品質のサービスは、目に見える損失以上に、機会損失など莫大なコストを生じさせる。
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