気づきの襷を繋ぎ、誠実な人・組織を輝かせる人財に

自由記事:1年間の総括と今後の抱負

はじめに

 約1年間におよぶリーダーズカレッジでの活動が終わりを迎えようとしており、2023年4月からは社会人になる中で、本記事は一つの節目として執筆した記事となります。

 私と同じように新たな環境へと飛び込んでいく方は勿論、自身に向き合うことを大切にし、自分のあるべき姿を実現するための、揺るがない行動指針を持っている、または持っていたいと思う全ての方にぜひ読んでいきたいです。

 綺麗ごとだけでなく、汗水流して苦悩した経験、自身の弱さを痛感した経験も振り返りながら、等身大で研修での学びと経験を紐づけ、社会人になっても再現性ある自身の行動指針をお伝えできればと思います。

(1年前との対比として、ぜひ自己紹介記事「今を全力で生き、他者還元のために学び続ける」も読んでいただけますと幸いです。)

”恩返し”という原動力の限界

"恩返し"に熱中していたそれまでの私

 大学1~3年生までの私は、高校生の時にお世話になった中高生の留学支援を行うボランティア団体であるAFS日本協会に所属し、尊敬する先輩に”恩返し”したいという想いで活動していました。それまでリーダー経験はありませんでしたが、先輩には勿論、尊敬できる多く仲間に出会えたからこそ、大学3年次には同団体の学生代表を務めたこともありました。

 また、思い返してみると、高校時代も小論文の執筆や新聞部での活動に熱中出来たのも、お世話になった恩師の存在があったからこそで、”恩返し”したい存在が目の前にいたとき、自身は未知の領域に踏み出せたり、泥臭い努力も出来ていたのではないかと思います。

いつの間にかプレッシャーになってしまった"恩返し"

 しかし学生代表を務めた期間は、コロナ禍で団体の存続危機が危惧されていたこともあり、プレッシャーに苦悩し、本当に自分が代表でいいのかと思った瞬間もありました。

 「お世話になった先輩方に恩返ししたい」「先輩方が今まで築き上げたものを無駄にしたくない」

 今思うと、そんな”恩返し”という想いが、「自身の意思決定は、先輩方の想いや努力を無駄にしてしまっていないか」というプレッシャーになってしまっていたのです。

 それもあり、学生代表の任期を終えたときには、今後リーダーになること、組織を左右する意思決定をすることを躊躇してしまっていました。

団体の引退式での同期幹部陣との写真です。引退式での、組織を牽引してくれている後輩からの言葉で、自身が学生代表として注力した幹部陣の育成体制・人事評価体制の構築は、組織の支えになれていたことを実感することが出来ました。

他者に依存してしまっていた自身のモチベーション

 プレッシャーと闘いながらも学生代表を任期満了した後、大学最後の1年間は、ご縁があって就活生のキャリア支援団体であるen-courageの早稲田支部10期運営としての活動に取り組むことにしました。

 そしてその背景には、自身が就活生のとき、en-courageの運営の方にキャリア面談をしていただき、お世話になったからこそ、”恩返し”したいという想いがあったのです。

 しかし、お世話になった先輩方は引退してしまっており、先輩方がどんな組織や想いを大切にしてきたのかを深くは理解し切れないまま、活動する形となりました。

 動機となる”恩返し”する対象やその想いは目の前になく、自身のモチベーションが曖昧なまま、手ごたえのない時間を過ごしてしまっていました。そして、”恩返し”する対象に依存する自身のモチベーションは、実は限界があるものではないかと気づき始めたのです

自身の弱さに直面した大学最後の1年間

誠実で理念的な組織は当たり前ではない

 ”恩返し”という原動力に限界を感じていた上に、en-courageという環境は、当初、思い描いていたものとは異なるものでした。

 それまで代表を務めていたボランティア団体では、準備をしていなかったり約束や時間を守っていない人は、発言しにくいような、組織のあるべき姿に向かって誠実に行動する人が尊重される厳しいながらも理念的な組織文化でした。

 一方で早稲田支部10期を立ち上げたばかりだった当時のen-courageでは、いわゆる”サークル感覚”が残っており、時間に遅れてきたメンバーが特に指摘もされずに気楽に発言している様子を見て、衝撃を受けた記憶があります。

 ですが、そんな組織文化を自ら変えていく勇気や知恵も当時の自分にはありませんでした。そうしてどこか物足りなさを感じながらも、目の前の一つひとつの活動を大切にしていると、活動し始めて3か月ほどで面談部署の責任者に就任しました。

 しかし、この部署責任者に就任してからの数か月は、何度も組織課題に直面し苦悩しました。その中で、他責思考や自己犠牲的な思考に陥り、組織課題から逃げていた時期もありました。今思うと、組織を変革する当事者になることから逃げ、自身のモチベーションも組織状態も全て他人任せであったと思いますし、「あの時期に自身の弱さに本気で向き合えていたら」と未だに強い後悔が残っています。

 同時に、それまで当たり前だと思っていた誠実な人を大切にする理念的な組織は、多くの人の努力と苦労の上によって成り立っていたものであり、そして自身はその恩恵を受けていたに過ぎないのだということに気づくことが出来た時間でもありました。

自己の弱さに向き合う起点となった研修の存在

 そんな組織を変革する当事者から逃げていた私でしたが、段々と組織を変革しきれない自身の弱さと向き合うようになります。そのきっかけとなったのが、A&PRO様の研修の場です。

 A&PRO様の研修の場は、正に誠実な人、準備をしている人が尊重される私にとって目指したい組織でした。そして、このような理念的な組織は、リーダーの誠実かつ知恵のある振る舞いによって成り立つものであることを、理論だけでなく、森口さんをはじめとする研修で学ぶ方々が実践されている姿から間近で学ぶことが出来ました。研修で学ぶ日々の中で、理念的な組織を創れないのは自身の弱さと甘えによるものだと実感として気づくことが出来たのです。

 その気づきを得てからは、組織を変革し、あるべき姿に導くために、焦らずまずは当たり前を大切に、研修の中で頂いた気づきと知恵を一つひとつ丁寧に実践していきました。

 その後、自分でいっぱいいっぱいだった状態を脱し、段々と部署内の誠実なメンバーの存在に気づくことが出来ました。部署としてどうあるべきかを本気で提案してくれるメンバーや、一つひとつの約束を大切に実行するメンバーを見たとき、「誠実なメンバーが活躍する場を創りながら、メンバーと組織の進化を支えたい」という強い想いが生まれていったのです。

 そして結果的には、部署が解散する際に、「個々の良さを尊重しながらも組織としてどうあるべきかを大切にする組織文化」の重要性をメンバーが自ら話してくれるような、誠実性を大切にする組織を創ることが出来ました。事業成果としても、前年度を大きく上回る実績を残し、当たり前の業務や顧客とのコミュニケーションを大切にする仕組みを来期に残すこともできたのです。

組織のあるべき姿を議論し続けた、部署の仲間との写真

私の行動指針

 今までは、誠実な人から恩恵を受ける存在にばかり甘んじていました。ですが、これからは誠実な人を輝かせたり、支えていく存在でありたいと強く思っています。

 また大学最後の1年間で痛感したことですが、誠実な人を支えていく過程は、相手にとって耳の痛いことも指摘したり、厳しく思われる決断を下したり、時にその厳しさを受け止めてもらえず苦悩したりと、決して容易なものではありません。そしてその過程では、まずは自己を変革し自身の課題に向き合うことが重要だとも気づくことが出来ました。

 そこでここからは、研修や今までの経験の中での気づきを基に、誠実な人を支えていける存在になるために、社会人になっても自身が大事にしていきたい行動指針(クレド)について整理していきたいと思います。

1年間、A&PRO様の研修で多くのことを学ばせていただきました。

1. 想像力を起点に、全ての人・組織に感謝

  • 組織を支える多くの人や想いに想像力を働かせ、自ら組織に感謝し、感謝を糧に組織に貢献出来る人財を目指します。(自組織だけでなく、顧客の組織など関わる全ての組織に感謝)
    また今の自身の背景にある、お世話になった方々の存在に想像力を働かせ、今だけでなく過去にお世話になった全ての人・組織への感謝を原動力に行動していきます。

2. 自ら気づきを獲得し、常に実践

  • 周囲から気づきを頂くだけでなく、自身や組織の進化の糧となる「気づきを得る努力」を自らしていきます。そして、気づきを常に実践する中で、気づきを組織や周囲に還元し、自らも「気づきを提供する努力」をしていきます。

3. 他責にせず、まずは自身が誠実に

  • 大変な状況でこそ他責にせず、周囲を変えていく当事者として、まずは自身に向き合います。約束や当たり前を一層大切に、「足りないもの」だけでなく「得ているもの」にも目を向けながら、あるべき姿を実現するための準備を徹底していきます。

4. 耳の痛いことを言い合える関係性を自ら構築

  • 耳の痛いことを、言うこと言われることを恐れず、自他の進化のために大切なことを言い合える関係を構築します。そのために、自身の弱みや課題を曖昧にせず、周囲の成長可能性を模索する姿勢を大切にしていきます。
1年間、A&PRO様とen-courageの研修運営として協働し、時に耳の痛いことも言ってくださった須賀さん

かけがえのない気づきを届けられる存在へ

頂いた気づきを振り返る

 改めて「私の行動指針」を見直してみると、一つひとつの言葉にA&PRO様をはじめとする多くの方々に頂いた”気づき”が想起されます。

 そして思い返してみると、自身が成長したり変わることが出来たきっかけには、頂いた気づきがありました。

  • 高校時代では恩師からは「自身の可能性を信じて挑戦し努力する大切さ」という気づきを
  • 大学時代のボランティア団体では「組織のあるべき姿に向き合い実践する大切さ」という気づきを
  • アルバイト先の飲食店からは「最高のサービスは日々の誠実な言動から生まれる」という気づきを
  • en-courageでの活動では「組織を変える当事者は自分である」という気づきを
  • そして、A&PRO様の研修では「誠実な人を支えるために準備し続ける重要性」という気づきを

 このように振り返ってみると、今まで本当に多くの方に気づきを頂いており、それらの気づきは自身のこれからにも生き続けるかけがえのない気づきとなっています。

未来に生きる、豊かな”気づき”を

 「どんな気づきを提供したいですか」

 ちょうど1年前の2022年の3月。この質問は、A&PRO様の研修を初めて受けた際、森口さんに頂いた問いです。皆さんはどのように答えますか。

 当時の私は、「相手がその場ではっとしたり、新たな知見を得てもらえるような気づきを提供したい」と答えた記憶があります。

 ですが今では、「その時その場だけでなく、5年後、10年後にも残るような気づきを提供したい」と思うように変化しました。そして、そんな相手の今だけでなく未来に生き続けるような気づきは、人は勿論、組織をも変えるきっかけになるということを、A&PRO様の研修を受ける中で実感したからこそです。

”恩返し”だけでなく”恩送り”を

 今まで”恩返し”を原動力に活動していた背景には、未来に生きる豊かな気づきを下さった存在への強い感謝の想いがあります。一方で、"恩返し"という想いが時にプレッシャーに感じてしまっていたこと、"恩返し"の対象や環境に依存することが、"恩返し"の限界でもありました。

 しかしこの1年間、A&PRO様の基で学ぶ中で、私が恩を返したい方々は、きっと私が成功しているかの物差しではなく、頂いた恩や気づきを自ら楽しく実践し、糧にしていくことを応援してくださっていることに気づくことが出来ました。だからこそ、

頂いた”気づき”がかけがえのないものであることを自ら楽しみながら実践して証明し
今度は自身が、未来に生きる豊かな”気づき”を他者に届けていく

 ことを大切にしていきたいです。

 すなわち、気づきを下さった方に「恩返し」するだけでなく、これからは頂いた気づきを糧に今度は周囲に気づきを還元する「恩送り」もしていきたいと思うのです。

早稲田大学を卒業し、社会人として「恩送り」出来る人財へ

最後に

 この記事を執筆している中で、"恩返し"の限界に気づくほど、何かに熱中し、多くの気づきを頂ける人や組織に出会えたことがいかに恵まれているかを実感しました。

 私が様々な方々からの気づきを楽しんで吸収し、その気づきにまっすぐ感謝したい、恩を返すだけでなく、誰かにその恩を送りたい。そう思えるのは、そんな自身の在り方を受容し応援し支えてくれた、家族、友人、恋人、関わってくださった全ての方々の存在があってこそであり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 多くのかけがえのない気づきを頂いたこの1年間。4月からはコンサルティング会社で働く予定ですが、今度は頂いた気づきを社会・クライアント・周囲に還元することで、気づきの襷を繋ぎ、誠実な人・組織を輝かせるような利他的なコンサルタントになりたいと強く思っています。

 そして、この記事においても微妙ながらも気づきの襷を繋げていることを願って、最後まで読んでいただいた皆様に感謝申し上げます。

 2023年3月31日 本田花

大学4年間、そして今までに関わった全ての方への感謝を糧に、社会人に

 

 

この記事の著者/編集者

本田花   

早稲田大学文化構想学部卒。大学3年時までは、中高生の留学支援団体であるAFS日本協会神奈川支部の学生代表として、コロナ禍の組織再生に奮闘。大学4年時には、日本最大のキャリア支援団体en-courage早稲田支部において、面談部署の責任者としてキャリア面談サービスの設計・研修体制の改善に挑戦。
上記の経験における多くの人や価値観との出会いを糧に、社会人としては、総合コンサルティングファームにて「他者に還元出来る知見や経験に溢れた利他的なコンサルタントになる」ことを志している。

するとコメントすることができます。

新着コメント

  • 上野美叡

    2023年06月07日

    "恩返し"の限界という言葉、納得させられた記事でした。自分の先輩に恩を返す、遺してくれたものを大切にしたいと考えるだけでは、実は自身の成長にも、組織の成長にも限界があるのだろうなと考えました。今いる組織のメンバーとともに、今の組織に必要な改革に誠実に向き合うことの大切さ、恩返しでなく恩送りをしたいという思い、勉強になりました。

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