プロジェクトの成功とメンバーの成長を両立させるためには

今月の研修:プロジェクトマネジメント(基礎1)

プロジェクトをまとめ、メンバーを索引していくにあたり、リーダーが特に力を入れるべきところはどこでしょうか。

今回の記事ではリーダーの目線からメンバーにどのように価値提供をするかを伝えたいと思います。

5つのプロセス

プロジェクトを遂行するにあたり、その過程を大きく分けて以下の5つのプロセスに分けることができます。

  1. 目的・目標を設定する(Goal)
    • プロジェクトのニーズを理解する。
    • 「誰のため?何のため?」のプロジェクトなのか?
  2. 計画を策定する(Goal)
    • どのようにしてプロジェクトの目的・目標を達成するのか?
    • 方法・プロセスを策定し、計画に落とし込む。
  3. 実行する
    • 計画に基づいて実行!
  4. 測定する(Measure)
    • 計画と実績の差異を把握し見通しを立てる。
    • 成果・課題・リスクを監視続ける。
  5. 分析し、計画を改善する。(Analyze・NextPlan)
    • 成果・課題・リスクを分析し、具体的な対策を練る。
    • 経験や学びを資産として残す。

後回しにせず、遂行する。

これら5つのプロセスを決して後回しにしないことが重要です。後回しにしてしまうリスクについて以下にまとめました。

  • 1つの小さな遅れがプロジェクトの失敗に影響してしまう。
    • 分析の解像度が下がる
    • 修復を行う時間的余裕がなくなる。
  • クライアント・メンバーの信頼が失われる。
    • 「後回し」の姿勢をとり続けてしまうと、対応されているか不安にさせてしまう。

リーダーは特に1.2.5に注力すべきである!

まず大前提として、上記に挙げた5つのプロセスはどれも重要であると考えています。しかし、リーダー目線で見た時、1.2.5のプロセスが特に重要であると考えています。

なぜなら、チームで遂行するのが3.4 、リーダーが中心となり、仕組みを作るのが1.2.5だと考えているからです。

1.2.5はプロジェクトの骨組みや方向性を示すコンパスのような役割があると思います。メンバーが活躍し、プロジェクトが成功に至ることを大きな目的とするのであれば1.2.5の整備が急務です。

一見、5.の分析と計画の改善はコンパスや骨組みとは関係がないとも考えられますが、この過程が土台となって1や2が成り立つと考えています。

この部分は一番頭を使う部分でもあり、大変ではありますが、成し遂げることに大きな意味があると思います。次の文章から、私の1.2.5の取り組みを紹介します。

私のチームの現状分析と+α

私はキャリア支援NPOの団体で、長期インターンの紹介事業の立ち上げを目指すチームのリーダーをしています。

これから私の活動においてこだわっている要素として、1.2.の要素を挙げます。加えてこれから考えられるリスクを考え改善点を記載します。次に5.については改善したい点を記載します。

1.目的・目標の設定

私のチームでは目的を2種類に分けています。

  • 今年中に長期インターンを始めたいエンターのニーズに全て答えられるようなサイクルを作る。
  • チームのメンバーの成長

この目的達成のために、プロジェクト単位でメンバーに仕事を任せています。この単位を目標としています。

  • Aさん
    • 企業案件の獲得:8月までに更に2件の案件獲得
    • 対エンター向け広告(マーケティング)
  • Bさん
    • FB制度の導入:今年中に企画書提出・エンカレ、企業でFB実施
    • 対メンター向けマネジメント

ここで私が気をつけていることは目的と目標を混同させないことです。

例えば、掲載が完了したらそれで目的達成とみなして良いのでしょうか?本質はそこではなく、エンター側のニーズ全てに対応できる状態を作ることです。つまり、企業案件の掲載完了は目的のための通過点もしくは目標の一つに過ぎず、ここで満足してはいけないのです。目的と目標を混同してしまうとチームが間違った方向に走り出してしまいます。

しかし大きな目的ばかりを唱えていると、メンバーは自身の活動が目的に反映されているか、また現在地はどの程度進んだ位置にあるのかがわからなくなってしまいます。そこで、目標の基準を明確にし、達成したかどうかをわかりやすく判断できる仕組みを作りたいと思います。

具体的には企業案件獲得数、エンターの申込数、FB制度の進捗を細分化するなど判断しやすい基準にまで目標を落とし込み、メンバーに達成感を感じて欲しいと考えています。

2.計画の策定

目的で設定したメンバーの成長を実現するために、メンバー個々に自身で計画を立てていただいています。

上の写真は現在私のmtgで使用している議事録です。このように2週間ごとに業務内容ログを作成し、色を変えるなどして、次までの課題がわかりやすいよう工夫しています。

こうすることで、各々が抱える課題を共有することができると同時に、次回までにすることが明確になります。また、オンラインのドキュメントで作成しているため、随時進捗を共有しあえると同時に計画の改善がしやすくなります。

しかし、この進捗報告はかなり簡略化しており、もっとプロジェクトが大きくなり、複雑になった場合対応できなくなる可能性が生じてきます。こうした時、以下の対策を講じたいと考えています。

  • ドキュメントではなくスプレッドシートで管理する。
  • 時間単位で区切るのではなく仕事単位で目標を作る。

プロジェクトが複雑化すると2週間単位で区切るよりも、仕事により進捗が変わるため、それに沿うように計画を立てた方が良いと考えました。また細分化し仕事単位で管理するとなると、ドキュメントではなく、スプレッドシートの方が一覧性があり、全体観をつかみやすく管理がしやすいと思い、上記2点を挙げました。

5.分析し、計画を改善する。

私が改善したい点は5の分析と改善のプロセスです。今までは2週間に1回のミーティングで、私からメンバーへの一方向のアドバイスしかありませんでした。「現状を分析し、なぜ進捗が遅れたか考え、どのようにスケジュールに落とし込むか」はメンバーが成長する上で欠かせないプロセスです。そこを私の意見・アイデアだけで簡単に解決してしまってはせっかくの成長機会が失われてしまいます。

私のチームは目的の一つとして「メンバーの成長」を掲げています。先ほどの文章で5はリーダーが力を入れるところと述べましたが、私はメンバー一人一人が自立していく上で欠かせないものだと考えています。これを達成するには5の部分もメンバー自身に考えていただく必要があります。

そのため、私はリーダーとして5の機会を積極的にメンバーに経験させられるような仕組みを作りたいと考えています。

その上で双方向のコミュニケーションをとることが理想です。具体的な施策は以下の通りです

  • ミーティングで一方的にアドバイスをするのではなく、メンバーから原因と改善策について発表してもらう。
  • PDCA サイクルを回せるようなシートを作成(毎回のmtgで記入or進捗が遅れた場合に記入)
  • 計画をメンバー自身が書き換える。

以上のような施策で現在より、主体的に分析と計画のプロセスにメンバーが加わることができると考えています。

これから研修を受ける方々へ

今回の研修では「そもそもプロジェクトとは何か」から始まり、5つのプロセスから、不確実性をどうなくすかまで、グループワークを中心に徹底的に議論します!プロジェクトマネジメントについてただ学ぶだけでなく、どう自分の活動に落とし込めるか考えることができる研修です。ご興味がある方には参加を強くお薦めします!

研修で学んだこと

  • プロジェクト=独自性×有期性
  • 重要な5つのプロセス
  • 不確実性はプロジェクト開始時に非常に大きく、意思決定(判断・決断)を繰り返すことで急速に小さくなる。
  • 不確実性を乗り切るための3つのアプローチ
    • 不確実性そのものを小さくする
    • 衝撃に備える(バッファ コスト、時間)
    • 不確実性を徐々に小さくする。
  • 未解決の課題を記録し、対応状況を追いかける
  • 目的・ニーズ・成功基準の明確化

この記事の著者/編集者

小川勇 早稲田大学 政治経済学部  

サークルの後輩や同期のキャリアの関心度が低いことを課題に感じ、それを変えるべくキャリア支援NPO法人『エンカレッジ』に加入。現在は1・2年生に向けてオンラインイベントを通してキャリア支援を行なっている。加えて、長期インターンの分野で学生と企業のマッチング事業の立ち上げのリーダーとしても活動している。

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早稲田大学の中都智仁と申します。大学1、2年生の頃は自分から行動することなんてありませんでした。しかし、大学3年生のコロナ禍の時期に私の人生について深く考えてから実感するほど人生が変わりました。現在はキャリア支援団体のセクションのリーダーとして常に『リーダーシップとは』という問いを考えています。

藤原穫 信宗碧 2Picks

今回はプロジェクトの全体構成を見直すにあたって有効なツールを取り入れ、改めて自分のプロジェクトについて振り返りました。その中でも、QFDというツールについてご紹介します。 QFDは品質機能展開とも呼ばれ、顧客のニーズに応えるための各施策を考え、それらがどのニーズを満たしているか、また互いの施策が相反していないかなどを、網羅的な視点で確認するためのツールです。

あるテーマについて、真剣に話し合うという経験は、非常に貴重でためになるものであると思います。その一方で、そういった機会はなかなか得られないことが多く、今回参加させていただけたのは非常に嬉しかったです。 私は今2年生ですが、アルバイトを始めたとき、リーダーになったとき、大学生になったとき、もっと早くこのような経験をしておけたら良かったなと思うとともに、今からでもやっていきたいと思いました。

「メラビアンの法則」や「真実の瞬間」と向合い、各メンバー自身がブランド形成の重要要素であることを自覚していきます。 「目配り」「気配り」「心配り」の各段階を理解し、「マナー」「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の違いについて研究。 「マニュアル」「サービス」を理解・実践するのは当然。 「ホスピタリティ」「おもてなし」を顧客・メンバーに提供したいリーダーのための研修です。

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