「いつも書ける」を実現しよう!小論文の問題を解く手順【小論面接】

学習塾ヘウレーカ・小論文面接講座担当の遠藤です。

医学部を受験する生徒向けに、小論文と面接についての記事を毎月連載しています。ご参考いただけると嬉しいです。

※掲載している内容は小論文・面接の基礎知識です。これをもとに自身でアウトプットし、添削を受けて修正することで、スキルを向上させましょう。

今回は特に小論文に関して、問題を解く「手順」についてご紹介します。

手順を守ることの重要性

小論文の問題を解く手順をご紹介する前に、そもそもなぜ「手順」が大事なのか?というお話をしたいと思います。

それは、どんな問題でも大きなミスをすることなく、着実に解くためです。

例えば、駅員が行う電車の発車時の安全確認のような、人の命が関わる失敗できない仕事を想像してみてください。

こうした仕事は必ず手順が決まっていて、それ通りに実行するものですよね。手順が決まっていなかったり、守られなかったりすると、ミスに繋がり非常に危険です。

このように、試験において問題を解くときにも、手順を決めて守るようにしておけば、間違いを防いで安全に答えを出すことができるのです。

これは小論文にかかわらず、どの科目においても重要な考え方だと思います。ほとんどの問題には決まった解き方があるはずですので、その手順を守れているか一つ一つ確認しながら解くようにしましょう。

小論文の問題を解く手順

さて、それでは小論文の問題を解く手順とはどのようなものでしょうか。

5つのステップに分けてご紹介します。

  1. 設問を理解する
  2. 端的な答えを出す
  3. 構成を立てる
  4. 書く
  5. 読み直す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 設問を理解する

まずは問題をよく読み、問われていることを正確に理解しましょう。

問いを正しく理解できずに的外れな答えを書いてしまう、というのは致命的なミスで、0点を付けられてしまう可能性も十分にあります。

選択式の学科試験で喩えれば、「1〜4から選びなさい」と問われて「b」と答えてしまうようなものなのです。

焦ってすぐに答えを考え始めるのではなく、まずは慎重に問題を理解しましょう。

例えば、「なぜ〜と考えられるか。」という設問なら、理由や原因を問われていますし、「どのように〜しているか。」という設問なら、方法または様子を問われていると判断できます。

2. 端的な答えを出す

次に、問いに対して端的に答えを出してみましょう。

理由を問われているなら、「なぜなら〜だからだ。」が答えにあたります。

端的な形でまとめるのが難しいと思われるかもしれませんが、「仮に1文しか答えを書けないとしたら、何を書くべきか?」と考えると、言葉を選びやすくなると思います。

端的な答えを出さなければならない理由は、前回の記事でお伝えした「結論」部分を確定するためです。

結論が問いとずれたり、文章を書き進めるうちに変動したりすると、文章全体が設問にうまく答えられなくなってしまいます。

よって、問いに対して端的に答えを出したうえで、それを結論に据えましょう。

3. 構成を立てる

ステップ2で出した答えをもとに、文章全体の構成を立てましょう。

構成の立て方については、先ほどご紹介した下記の記事を参考にしてみてください。

どのくらい綿密に構成を作り込むかは、人によって違っていいと思います。

大枠だけを決めて詳細は書きながら考えるという人もいますし、細かく構成を決めておいて、それを文章に書き写すのみにするという人もいます。

ただし、構成を決めずに書き始めてしまうことはおすすめしません。

なぜなら、文章全体の見通しが立っていないと「十分な内容を書ききれていないのに文字数制限に達してしまった」、もしくは「思いついた内容は書き終えたのに文字数が全く足りない」という事態が起こりうるためです。

構成があれば、書き途中で文字数と内容のバランスを見られるので、このようなことは起こらなくなります。

書く練習を重ねて、自分がどのくらいの構成を立てれば書きやすいかを探ってみましょう。

4. 書く

ここまできて、やっと文章を書き始めます。

ステップ2で出した答えと、ステップ3で立てた構成から逸れないよう注意しながら、書き進めましょう。

5. 読み直す

最後に、必ず読み直しをしましょう。

個人的には、小論文は他の科目よりも見直しが重要だと考えています。

なぜなら、自分で簡単に気付くことができるミスをしている場合が多いからです。

誤字・脱字・衍字や、違和感のある表現、主語と述語の不一致など、「改めて読むと間違っている」と自己判断できるミスは案外あるものです。

ミスを見つけるコツは、書き終わってからすぐではなく、一度深呼吸をして頭を空にしてから読み直すことです。

こうすることで、より客観的に、冷静に自分の文章を読めるので、間違いに気付きやすくなります。

大事な時こそ手順に頼ろう

以上、小論文の問題を解く手順をご紹介しました。

  1. 設問を理解する
  2. 端的な答えを出す
  3. 構成を立てる
  4. 書く
  5. 読み直す

この手順を、横着して飛ばしたりせずに忠実に守ることで、評価される小論文を安定的に書けるようになります。

それができるように、まずは手順に則って、繰り返し書く練習をしていきましょう。

加えて、練習をする中でつまずいたとしたら、どのステップでつまずいているのか?と考えると、解決の糸口が見つかるかもしれません。

さらに、本番の緊張した中でも、いつものように手順に頼ることで練習と同じパフォーマンスが出せるはずです。

このように、さまざまな時期において手順を活用して、小論文の力をつけていきましょう!

この記事の著者/編集者

遠藤 七海 東京外国語大学(国際社会学部)卒  

大学・学部:東京外国語大学 国際社会学部 スペイン語専攻 
部活:男女バスケットボール部 マネージャー(高校) 
趣味:海外旅行(観光よりもサバイバル)、ミュージカル鑑賞 
アルバイト:浦安の某有名テーマパーク、大学進学塾での講師 
その他の活動:メキシコに短期語学留学(衝撃のサボテン料理を体験) 
現在お住いの地域:千葉県(総武線沿線) 
研究:教育社会学 「将来の夢」についての研究 
家族構成:父、母、犬のももさん、私 
その他:好きな食べ物は麺類(こだわりはラーメンの海苔を食べるタイミング)苦手な食べ物はパクチーとレーズンです

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