可能性は無限大!記憶のツボは「扁桃体」にあった!!

■今月の研修■ 記憶のメカニズム

心が動いたストーリーは、脳に刻まれる。

 今回の研修では、記憶のメカニズムに関する基本的な知識を全体で確認しながら、そのメカニズムの生かし方や気付きをグループワークで共有しました。私が最も重要だと感じた記憶の仕組みは「エピソード記憶」というものです。これは文字通り、ある情報を記憶する際に、それを得た時の状況やストーリーと一緒に一つのエピソードとして覚えることです。

 このメカニズムは、何かを自分が覚えるときだけでなく、人に強く印象付けて覚えさせたい時にも役立ちます。例えば自己紹介で、単に名前を言うよりも、「遠藤といいます。逆から読むと『うどんえ』なので、あだ名は『うどんちゃん』です」なんて話した方が、覚えてもらえる可能性はぐっと高まるでしょう。また生徒指導の場面なら、英単語をただ暗記させるよりも、「この単語を知らないって言うのは、数学でいう三平方の定理を知らないようなものだぞ」と教えた方が、別分野の事柄や危機感と一緒に頭に入るため、記憶に定着しやすいものです。

 興味深いのは、この「エピソード記憶」が長期記憶になる理由の一つとして、扁桃体の刺激が挙げられることです。つまり、喜び・悲しみ・怒り・恐怖などの感情と経験が結びつくと扁桃体が刺激され、記憶に強く残るのです。[感情+経験→扁桃体刺激→長期記憶]この仕組みを理解しておくことは、様々な場面で記憶を効果的にコントロールすることに大いに役立つと確信しています。

これから研修を受ける方々へ

 「記憶力がほしい」。これは、誰しもが一度は抱いたことのある願いではないでしょうか。短時間でもっと多くのことを、長期間覚えていられる人になれたらどんなにいいだろう、と。私もそのように思うことが多々ありました。しかし今回の研修で記憶のメカニズムを学び、どうしたら長期記憶にできるのかを理解したことで、ほんの一工夫加えるだけで私たちの脳は驚くほど「言うことを聞いてくれる」と気付きました。また、長期記憶には容量の制限がないという事実を知り、私たちは記憶力がないのではなくてやり方を知らないだけだ、鍛えてコツさえつかめばいくらでも記憶できるのだと、希望を手にした気持ちになりました。

 私は今、お気に入りのミュージカルである『メリーポピンズ』で出てきた、メリーポピンズの「なんでもできるのよ。自分が邪魔をしなければ。」というセリフを思い出しています。私たちは自分で「できない」と思い込んでいるだけで、本当は可能性は無限大に広がっているのです。学ぶという営みは、そのことに気付くためにあるのだと感じました。まだこの研修を受けていないあなたへのメッセージとして伝えたいことは、学ぶことでこんなに前向きになれて、こんなに目の前の可能性に気付けるようなチャンスは、この研修以外にはないだろうということです。

研修で学べた事(キーワード)

  • 感覚記憶・短期記憶・長期記憶
  • 陳述・非陳述記憶
  • エピソード記憶
  • 意味記憶
  • 手続き記憶
  • 記憶に関する脳の仕組み
  • エビングハウスの忘却曲線と復習の関係
  • 睡眠のメカニズム
  • 記憶のメカニズムに基づく指導法
  • 長期記憶に容量制限はない
  • [長期記憶につなげる方法]
  • 主体的に情報を取りに行く
  • 感情と結びつける(=扁桃体刺激)
  • 5W1H全てを記憶に生かす
  • 過信(覚えた気になる)に気付かせる
  • 情報や知識の身近さ、有用性を知る
  • ストーリー性を持たせる

この記事の著者/編集者

遠藤 七海 東京外国語大学(国際社会学部)卒  

大学・学部:東京外国語大学 国際社会学部 スペイン語専攻 
部活:男女バスケットボール部 マネージャー(高校) 
趣味:海外旅行(観光よりもサバイバル)、ミュージカル鑑賞 
アルバイト:浦安の某有名テーマパーク、大学進学塾での講師 
その他の活動:メキシコに短期語学留学(衝撃のサボテン料理を体験) 
現在お住いの地域:千葉県(総武線沿線) 
研究:教育社会学 「将来の夢」についての研究 
家族構成:父、母、犬のももさん、私 
その他:好きな食べ物は麺類(こだわりはラーメンの海苔を食べるタイミング)苦手な食べ物はパクチーとレーズンです

最新記事・ニュース

more

「メラビアンの法則」や「真実の瞬間」と向合い、各メンバー自身がブランド形成の重要要素であることを自覚していきます。 「目配り」「気配り」「心配り」の各段階を理解し、「マナー」「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の違いについて研究。 「マニュアル」「サービス」を理解・実践するのは当然。 「ホスピタリティ」「おもてなし」を顧客・メンバーに提供したいリーダーのための研修です。

島元 和輝 荒 諒理 川瀬 響 3Picks

行き過ぎた完璧主義は仕事を停滞させるだけでなく、自分自身を苦しませてしまいます。本記事ではプロジェクトマネジメントを題材に、自分の良さをかき消さず、最大限発揮する仕事への取り組み方を考えます。完璧主義で悩んだことのある皆さんに是非ご覧になって欲しい記事です。

大庭彩 左貫菜々子 藤井裕己 谷 風花 4Picks

プロジェクトマネジメントを機能させる土台となるのが『理念のマネジメント』 プロのリーダーは、「権威のマネジメント」を避け、「理念のマネジメント」を構築し、維持し続ける。 「好き・嫌い」や「多数決」ではなく、説得力ある提案を互いに尊重する文化を構築したいリーダーのための研修です。

荒 諒理 木藤 大和 島元 和輝 川瀬 響 4Picks

復習回数を闇雲に増やしたり、ノートいっぱいに何度も書かせる記憶法は、社会に出てから通用しない。 多忙なリーダーは、重要事項を一発で覚える。 たとえそれができなくても、復習回数を最小限にし、効果的・効率的に記憶することが大切。

「やばい、キャパオーバーしていて仕事を回しきれていない・・・。」成果を生み出すためにリーダーを務め、多くの責任を引き受けたのはいいものの、こうした悩みを抱く方は少なくないと思います。本記事は、リーダーの方の中でも、「仕事を回しきれていない。」と実感している方、経験した方、キャパオーバー対策したい方に届けていくことを想定して進めていきます。キャパオーバーは解決できます!

そもそもプロジェクトとは何か。それを知ることによって、あなたが現在取り組んでいる活動をもっと豊かにすることができるはずです。プロジェクトの基本を学び、そのプロセスについて考えてみましょう。

大庭彩 上野美叡 2Picks

タスクには明確に優先順位が存在し、正しい優先順位でタスクに向き合うことが締め切りへの余裕につながります。緊急度と重要度のマトリックスを用いて改めてタスクへの優先順位をつけることを意識したいです。

大庭彩 1Picks

皆さんがリーダーを務める組織にはMVVやスローガンと言ったメンバー全員が認識している「共通目標」はありますか? そして、今その「共通目標」を何も見ずに口ずさむことができますか? もし、一度決めたことがある共通目標が形骸化してあまり浸透していない場合は私と同じ苦悩を経験するかもしれません。

大庭彩 1Picks

たとえ意見が対立しても、プロのコンサルタントやコーチは相手を導くことができる。 基礎1~3を通じて、科学的なメカニズムから築き上げた実践型コーチングについて、ロールプレイを中心に活用方法をトレーニングしていきます。 現場の活動と有機的に結びつける知恵と、今後のプロジェクトに活かす行動力。 これらを大切にするリーダーのための研修です。