連載ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

正しい方向性で仕事をするために考えるべきこと

今月の研修:責任・権限・義務

責任・権限・義務の理解から仕事の方向性を掴む

今回の研修では、責任・権限・義務について学びました。私たちはこれらの言葉を当たり前のように使ってしまいがちですが、時に誤って使ってしまうこともあるかと思います。例えば、汚職に関わった政治家が「責任をとって辞職させていただきます」と記者たちの前で発言しているのを聞いたことがあるかもしれません。これは正しい用法でしょうか。

責任とは果たすべきミッションのことであり、権限とはそれを全うするために与えられる武器のことです。そしてこの権限が発生するのと同時に、権限を得た人には権限と対になる義務が生じるのです。これを踏まえると、先ほどの政治家は責任を取るというより、むしろ責任を放棄したことになりますね。

私は、責任が生じた時にどんな権限を得る必要があって、同時にどんな義務があるかを把握するべきだと考えました。もしこれらを明確にしておかなかった場合、十分に責任を果たせなかったり、義務を疎かにしてしまったりすることがあるからです。

私は大学3年次まで民族舞踊サークルに属しており、学園祭などでの踊りの発表へ向けた練習を執りまとめる「指導」という役職を担当していました。現場を指揮するリーダーに相当する役職です。ここで生じる責任とは「学園祭で発表できるようにメンバーの踊りをレベルアップさせること」でした。このために得るべき権限はさまざまです。例えば「練習時間を確保する権限」や「メンバーの踊りについて評価や改善点を述べる権限」があります。練習時間を確保する権限と対になる義務は「練習時間を守る義務」です。メンバーの時間を奪っているわけですし、また、大学の施設を借りているのですから、下手に時間を延長することはできません。また、踊りについて評価や改善点を述べる権限と対になる義務は、まさしくその評価や改善点を述べる義務なのです。「もっと改善できるところがあるな」とか「この踊り方は素晴らしい」などと思っているのに伝えないのはメンバーに不誠実ですし、逆に、評価を伝えるときにはそれをメンバーに受け止めてもらう権限があるのです。この例は権限と義務が対になっていることを示す好例だと思います。

ハンガリーの踊り。男性と女性のカップルダンスのワンシーンです。

と、さも責任・権限・義務を理解して役職をこなしてきたかのように述べましたが、当時の私はこのようなことを考えることもなく仕事を行っていました。実際、内心思うところがあっても遠慮して評価を伝えなかったことがあります。ひとつの仕事が与えられたときに、それを鵜呑みにするのではなく、そこにどんな権限と義務が生じるのかを咀嚼する。そして正しい仕事の方向性を掴んだ上で実行に移す。そんなことを考えられるようになった今の自分であれば、果たすべき自分の責任を明確に捉えた上で、これからの仕事に向き合えそうです。

まとめますと、責任から権限と義務を見出すことで、仕事の方向性やすべきことが明確になり、行動をより起こしやすくなるのだと思います。

これから研修を受けようとしている方へ

本研修は、実際の仕事を想定し、責任・権限・義務を考えた上で、さらにグループワークを通して磨きをかけるという実践的なトレーニングを含んでいます。ただ知識として得られるだけでなく、それを運用するレベルに至れるよう練習することができるので、大変身になります。今、何か仕事に向き合っている方、これから社会に出て仕事をバリバリこなしていきたいというやる気のある方、ぜひこの研修をもとにその仕事の「正しい方向性」を見出す基礎を掴んでください!

研修で学んだこと

  • 責任を全うするための権限であり、権限と義務は対になる。
  • 義務を大事にできない人に権限は渡されない。
  • 責任には起こりうることを想定して動けることも含まれており、この想定内の範囲を広げておくことが重要である。
  • 「じんざい」は、判断力と決断力の能力によって(良い順に)人財、人材、人在、人罪に分類できる。
  • 自身がどの「じんざい」であるか客観視し、またリーダーは、プロジェクトのメンバーがどの「じんざい」であるか把握して采配をするべきである。

この記事の著者/編集者

藤原穫 東京大学 薬学部  

秋田県出身。高校時代は強豪校でバドミントンをしていました。大学に入ってからは民族舞踊に励み、4年生になった現在は薬物動態の研究をしています。趣味は旅行。死ぬまでにすべての温泉地を回りたいと思っています。これまで複数の組織で培ってきたリーダーシップに磨きをかけるべく、A&PROでの研修に励んでいます。

この連載について

ビジネス基礎研修 -実体験に結びつける-

連載の詳細

頭で理解するだけでは不十分。参加者自ら実践し、習慣化するまで責任を持つ30の研修プログラム。各クライアントの課題・ニーズに合わせて個別に設計。

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