相手の好奇心を掻き立てる
2019.08.10
クレド7.好奇心旺盛・常に学ぶ
我々の活動における身近な事柄に興味を持ち、深く学ぶ事を大切にしていきます。(報連相・記憶のメカニズム・ブランドマネジメントなど)教え上手は当たり前、学び上手であれ。仕事を通じて、人生を豊かにする人間へと成長していきます。
いかにして、生徒から質問を引き出すか
今回は、相手の潜在的な主体性を引き出す方法について、私の経験を交えながらお伝えしていきます。突然ですが、私には講師としての日々の勤務の中で、特にやりがいを感じる場面があります。それが、“自分が意図した通り”の質問を生徒から受けたときです。もう少し詳しく言い換えると、考え方や解法の説明のなかで、生徒が質問したくなるような突っ込みどころをわざと作り、こちらからの説明の段階から、生徒にも一緒に考えてもらうようなコミュニケーションが取れたときです。
こう考えるきっかけとなったのが、何気なく手に取った本に書かれていた「読者を記者にすることができれば、筆者である自分自身の目標は達成される」というフレーズです。つまり、“ここは○○なんじゃないか?”とか、“別の場合はどうなんだろうか?”などなど、読者自身に本の内容について考えさせ、直後にその答えが書いてある。こうした構成にすることで、読者は飽きることなく、本を読み進めることができるということです。
これを読んだとき、私は大変感心したと同時に、自身のモチベーションがなかなか出ない、大学のある講義を思い浮かべました。そして感じることが、その講義では、コミュニケーションの方向が100%教授から学生であるということです。扱う内容が抽象的であることに加えて最初から最後まで説明ばかりでは、最初からその分野によほど興味がない限り、学生が主体的に学ぶことは難しい。こう感じてしまったのです。何かを相手に伝えるということは、伝える側がどのように説明するかだけではない。あえて相手に突っ込みどころを与えて質問させた上で、待ってましたとばかりに答える。こうしたコミュニケーションこそが、相手の学ぼうとする意欲を引き出す一つの有効な方法ではないかと考えます。
生徒指導、そして社会人としてどう生かしていくか
先ほど上で述べた、 あえて相手に突っ込みどころを与えて質問させた上で、待ってましたとばかりに答える というコミュニケーションは、社会人になっても大いに活用できるスキルだと思います。最初から最後まで理路整然と伝えることも時には必要ですが、商談やプレゼンなどにおいて相手の心を動かすためには、相手の直感に訴えかけることが大切です。こうしたコミュニケーションを通じて、相手とよりよい人間関係を築くことができる、そんな人間味あふれる働き方を目指して、学生時代から経験を積んでいきます。
荒 諒理