あなたの話に影響力はありますか?―まずは相手を理解する―

今月の研修:社会人が持つべき習慣(公的成功)

要点を整理し、分かりやすく伝えたはずなのに、相手が自分の言いたいことを理解してくれない。どう伝えればいいのか分からない。

このような経験をしたことはないでしょうか。

自分の話を聞く姿勢を変えることでこの悩みを解決できるかもしれません。

相手を理解することから始める

コミュニケーションをとる際、自分視点で主張し相手目線に立たない人がいるのではないでしょうか。しかし、その方法は自分にとって、延いては相手にとって効果的な方法ではないかもしれません。

例えば大学受験のことを思い返してください。受験校を決める際、どのような教授がいるのか、何を研究しているのか、どのような研究施設があるのか、卒業生の就職先はどこなのかなど様々なことを調べたと思います。

大学入試の面接の際にはそのことを踏まえ、自分の良さを主張するだけでなく、自分がその大学にあっていることを主張します。

このように、面接の際には相手を理解してから自分のことを伝えるべきだと理解している人が多いでしょう。しかし、日々のコミュニケーションではそのような姿勢をとらない人も多いのではないでしょうか。日常生活においても相手を理解することから始めると効果的にコミュニケーションをとることが可能になります。

人の話を誠実に聞く

相手を理解するためにはどのようなことが必要になるでしょうか。先入観を持たないことなどが挙げられますが、その中でも特に「聞く」力が大切な力となります。「聞く」には5つのレベルがあります。

図の上位にある聞き方ほどコミュニケーションをとるうえで重視されており、共感による傾聴が最もレベルの高い聞き方とされています。ここでいう共感とは、相手の気持ちを汲み取ることです。

注意して聞く段階では、相手の話だけでなく反応など表に出ている部分に注意を払い話を聞きます。共感による傾聴では、相手が本当に言いたいことは何なのか、ニーズは何なのかなど、表に出ていない部分に注意を払い話を聞きます。

共感による傾聴をするには、相手の言葉を自分の言葉に言い換えることが有効な手段となります。また、満足や安心など相手の感情を読み解くようにしましょう。これらの行動により、相手への理解が深まります。

さらに、共感による傾聴を実践するのであれば、相手に共感していることを伝えるべきです。相手に共感していることが伝われば、信頼を得ることができ、よりコミュニケーションをとりやすくなるでしょう。

この際に気を付けなければいけないのは、相手目線で考えることです。自分の目線で考えても、相手に影響を及ぼすことは出来ないでしょう。

相手目線に立てていなかった

私は今まで、相手の話を聞く際に十分に相手の立場に立って考えられていませんでした。自分はこうだったからあなたはこうすべきではないかと、自分の経験を基に何かを語る場面が多くあったのです。これでは自分の目線から離れておらず、相手の目線に立てていません。

私には妹がいるのですが、勉強をおろそかにしている際に勉強するように言うことがありました。しかし言われたときは勉強しても時間が少し経てば遊んでしまうなど、十分な効果は得られませんでした。

相手からすれば私は相手のことを理解しようともせず、意見しているだけの状態です。そのような人間の言葉が相手に響くでしょうか。

勉強をするよう助言するのではなく、なぜ勉強しないのかと聞くことから始めるべきでした。相手に自分が相手を理解しようとしていることを理解してもらうことで、自分の話に耳を傾けてもらうのです。

普段自分の目線で世界を見ているため、自分の目線で話をするのは簡単です。そのため、意識しなければ相手の目線で話すことは難しいです。今後は意識的に相手の目線に立ち、話をするようにしていきます。

これから研修を受ける方々へ

今回の研修では、人との関わりにおける習慣の理解を深めました。自分も得をし、相手も得をする関係を作るために自分は何をすればいいのか、基礎から学ぶことが出来ます。この記事で私が取り上げた内容も基礎的な部分です。私たちが行う仕事はどれも他人との関わり合いの中にあります。そのことを意識できれば研修の内容を有効に活用できると思います。

研修で学んだこと

  • 自己マネジメントを行い第2領域の仕事を増やす
  • win-winとno-dealだけが誠実な対応
  • 理解されるには相手を理解することから始める
  • 肉体、精神、社会・情緒、知性の4つを意識し改善し続ける

この記事の著者/編集者

長谷川拓志   

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

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